2:プラネットクロニクル
連続投稿します
5月25日:エクストラモードの説明を一部修正しました。
家に帰った俺は早速裕二にもらった『プラネットクロニクル』のゲームSDをコンソールにセットする。
『剣聖物語』のSDは丁寧にケースにしまい保管しよう。ちなみにDL版もあるとのことだが俺も唯も裕二もパッケージ版を好んで購入している。手元に残るこの感じが好きなんだ。
ゲームをやる前に済ませておくことを全て済ませておき、あとは寝るだけの状態にしておく。これでもうゲームをやめたら寝るだけだ。
正直何もせずに直ぐにやりたかったが、現実生活に支障が出てはゲーマーの名折れだと思っているからその辺はキッチリやる。
「準備万端! さぁ行こうってな」
ヘッドギア型コンソールのスイッチを入れお気に入りのリクライニングチェアに横になる。ちなみにこのリクライニングチェアはマッサージ機能付きだ。ほどよくマッサージされるので体が凝り固まることがないので便利だ。
ちなみにこれは唯の家から誕生日プレゼントでもらったものだったりする。
そんなことを思い出しながら意識がどこかに溶け込んでいくような感覚が体中を覆っていく。脳波とシステムをリンクさせ、俺は新しい世界へ向けて旅立つ。そして目覚めたそこはゲーム開始前のキャラメイク空間だ。
まだ読み込み中でトピックが周囲に表示されている。ふむふむなるほど。かなり覚えておいたほうがいいことがあるようだ。
スキル使用時の特殊モーションにスキル使用後の硬直時間もあるのか。硬直時間はめんどくさいな。『剣聖物語』の影響で、俺としては逆にそういうモーションアシスト的なサポートは極力無い方がありがたいかも知れない。
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『プラネットクロニクルの世界にようこそ。まずはあなたのプレイスタイルを決めてください』
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どうやら脳波と機器のリンクと済んだようでウィンドウが目の前に表示された。早速キャラメイク開始のようだ。さて、どんな風にしようかね。
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『モードセレクト。あなたに合うスタイルを選んでください』
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ノーマル
・最も多くのゲームアシストを受けられるモード。スキル発動のためのモーションや魔術の詠唱が思考するだけで体が勝手に動く。
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エキスパート
・推奨しているモード。スキル発動や魔術の詠唱が全て任意になり、自分でシステムアシストの有無を選択できる。
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↓ 非推奨
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これならエキスパートモードでアシスト全切りが一番しっくりきそうな感じかな。んじゃエキスパートモードでいこうか・・・・・ん?なんだこの矢印?下に何かあるのか?
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エクストラ
・非推奨。プラネットクロニクル世界内の法則は受けるが、それ以外の補正が受けられない。現実での身体能力がそのままプレイヤーの身体能力となります。また、ほぼすべてのシステムアシスト機能が発動しない。(注意事項必読)
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マジかよ?あるじゃないかプラネットクロニクル版『リアルハードモード』。注意事項の確認っと・・・ほほう?
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1.スキル習得・スキル使用時の思考回路へのアシストなし
2.痛覚遮断などの痛みに関するシステム補正なし
3.ステータス変動による身体能力補正なし
4.スタミナゲージなどの動きに関する補佐なし
5.現実と同じ身体能力となります。※ただし物理法則などはゲームに準じます※
6.このモードを選択しプレイしている場合、何があっても自己責任でお願いいたします。
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流石だよエクスゼウス社様!! これはエクストラ一択だ。生身で非現実を味わう。魔法職もある作品だから多少の違いはあるかもしれないが、『リアルハード』に類似したモードがあるとか最高じゃないか。きっと五年前の俺が見たらドン引き間違いなしだが安心しろ。お前も五年経てばこうなる。
ちなみに『リアルハードモード』とは、別名『開発者のお遊び』モードと呼ばれており、現実と同じ感覚・動きしか出来ないモードで、ゲームとして成り立っていないといっても過言ではない難易度のこと。痛覚も感覚もそのままなので斬られると言葉が出ないほど痛い。目を刺されれば死ななくても失明する。
もちろん現実の体には一切悪影響はないので、あくまでゲーム内での出来事である。それでも気分は『特典無しで現在のまま異世界転生』っていう感じだ。
という訳でエクストラモードを選択する。
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『エクストラモードでよろしいですか?』
YES/NO
――――◇――――
当然YES。
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『ゲーム中にモード変更を行う場合は一度ログアウトを行う必要があります』
『注意事項はご覧になりましたか?』
YES/NO
――――◇――――
これもYES。
――――◇――――
『確認のためいくつかの説明と質問をさせていただきます』
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音声アナウンスに変更となった。この辺は重要事項だから念入りに確認しているのだろう。剣聖物語でもリアルハードモード選択時には、流し読みしても10分以上ある必須事項を読んだ上でなければ答えられない質問事項とかあった気がする。
まぁ実際それくらいしないとトラウマが起きてもおかしく無い難易度と恐怖体験する羽目になるし仕方ないな。
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――――◇――――
『あなたの覚悟が確認できました。最後にその覚悟の証としてサインをお願いします』
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はいよ。二十分近い説明と質問を繰り返し、そこに嘘がないことを署名してモード選択が完了した。
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『署名者『藤宮励久』本人の物として保存されます。コンソール情報及び脳波より本人確認を行っております・・・・・・確認しました。あなたを『藤宮励久』本人と認めます。よって『エクストラモード』選択を受諾しました』
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前にリアルハードモードを巡って一部界隈が炎上したことがあった。もちろんエクスゼウスは事前説明と確認の署名、誓約書をゲーム内でしっかりと済ませてもらったプレイヤーにのみ『リアルハードモード』でプレイすることを許可していた。
さらに命への影響がないこと、あくまでも”ゲーム”であって現実ではないと説明をした上で、迫り寄ってきた言動へ全て対応した。
それによりニワカ勢やエアプ勢は沈黙を止むなくし、やれ現実へ影響がだの、中毒性がだの言ってくる勢力も誓約書記入の上でプレイしていると言われればどうすることも出来ず、それらほぼ全てをことごとく跳ね除ける結果となった。
それでも未だに一部連中は『危険性がー』だの『モラルがー』だのよく言う。署名したんだからあとは自己責任になると思うんだがなぁ俺としては。
――――◇――――
『次にあなたの事を教えてください』
――――◇――――
話が逸れた。今はキャラメイクに戻ろうか。取り敢えず名前は向こうでも名乗っていた『アール』で固定するとして、容姿は・・・目の色と顔つきだけ変えて、髪型はリアルとは逆にツンツン頭にしておけばいいか。
それ以外はエクストラモードの関係上、盛るよりも現実に近いほうが動きやすいから全く同じに設定して。
――――◇――――
『最初に使う武器を選択してください』
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次は武器選択か・・・・剣・短剣・槍・杖・弓・・・・・意外と多い。最初だからもっと少ないと思っていたがかなりの数があるみたいだ。その上ゲームを進めていけば手に入る武器は増えるみたいだ。取り敢えず剣でいいか。
次に・・・ステータス設定。
――――◇――――
Lv1
HP 100
MP 20
攻撃力 5 防御力 5
魔力 5 素早さ 5
命中率 5 幸運 5
SP 20
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レベルアップごとにHPとMPは上昇。それ以外はレベルアップ時に得られるステータスポイント『SP』を割り振ることで上がっていく。
――――◇――――
攻撃力:武器で与えるダメージに関係する
防御力:相手から受けるダメージに関係する
魔力:魔法攻撃で与えるダメージに関係する
素早さ:ゲーム中の動きの速さに関係する
命中率:投擲攻撃の命中度、遠距離魔法攻撃の命中度に関係する
幸運:ゲーム中のあらゆる幸運要素に関係する。
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モード的にステータスによる身体能力には全く影響しないので特に考えなしでいい。強いて言えば幸運と素早さに少し多めに振っておいて攻撃に残りを振る感じでいいか。
――――◇――――
Lv1
HP 100
MP 20
攻撃力 6 防御力 5
魔力 5 素早さ 19
命中率 5 幸運 10
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だいたいこんな感じだろう。あとは何かあるのか?お、あった・・・けど説明だけだな。
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[アクティブスキル(AS)]:戦闘時に発動することができるスキル
[職種『ジョブ』]:自分のバトルスタイルを形作るもの。剣士や槍使いなどがある
[称号]:入手すると様々な効果を得られる。一つを選び公開することができる。
・上記の項目についてはゲーム進行で得ることができます。
――――◇――――
ASにジョブと称号か・・・二つ名的なものはこの辺から生まれてプレイヤーからいつの間にか呼ばれていく感じになるんだろうきっと。
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『設定が全て完了しました。惑星プラネットアークの世界へご案内します。あなたに女神の加護があらんことを』
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これで全て終了したようだ。体が浮き上がる感覚とともに周囲が光に包まれる。なんか転移した転生者気分だ。したことないから知らないけど。
――――◇――――
『ある惑星の話だ。長い年月をかけて惑星は歴史を紡いできた』
『あるときは繁栄の歴史。全ての生命が命を分かち合い、光に溢れていた』
『あるときは戦火の歴史。風が吹く度に命が次々と消えていった』
『あるときは滅びの歴史。星すら滅ぼさんとする悪意によって文明は闇に飲まれていった』
『あるときは再誕・あるときは反撃・あるときは・・・・・・』
『歴史を重ね、その大多数はその時代と共に消えていった』
『惑星プラネットアーク。時代とともに消えていった記憶はどこにあるのだろう?』
『時代の記憶を紐解く為に生まれた新たなる歴史の体現者・・・時代人』
『君たちが作る新しき歴史はこの星に一体何を与えてくれるのだろう?』
『繁栄・衰退・過去の栄光』
『全ては君たちが紡いでいく物語だ』
『君が作る歴史は今、始まる』
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『聞こえますか?女神の加護ではなく、星の加護を受けし時代人』
『貴方はいずれこの星を揺るがす事態の中心へと向かう事になるでしょう』
『だから・・・・探してください。――――――を』
『――――――がきっと貴方を-―――の待つ場所へと――――――でしょう』
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最後に聞こえたその声は、なんとなく剣聖物語で聞き覚えがあるような声だった。
――――◇――――
『あなたと再び会える日を、あなたが再び世界を導いてくれることを、私は願っています。我が加護を受けし剣聖』




