第一話序章
・・・のどかな村だ。ある人は畑を耕し、ある人は川へ洗濯に行っている。本当にのどかな村だ。ただの田舎でもあるが・・・野原に寝そべっている少年はそう思っていた。
「おーいピード」
親父が呼んでいやのだった。親父は体格がいいので働き者というのが第一印象となるだろうがそんなものは見た目だけだ。本当はどうしようもないナマケものなんだ。あんなにいい体格をしているのにと誰もが思うだろう。
「なんだよ親父」
「そんなところで寝そべってないで仕事しろ仕事」
親父が畑のほうに指をさす。ほらきたとピードは思った。この村では人一人に畑を与えられる。この村もそこまで大きいわけではない。どちらかと言えばかなり小さい村だった。そんな村にこのような人一人に畑を与えている暇ないんじゃないの?と思う。仕方ないから親父に返事を返す。
「えーやだよ、あれ親父の畑だろ?自分でやれよ」
「そういうな手伝え」
「仕方ないな」
愚痴をこぼしながら畑を耕すことにする。うちの親父は本当にナマケモノだ。すぐ人に頼る。その遺伝子が俺にまでついている。俺もさっきまでさぼっていたし。でもちゃんと自分の畑は耕したぞ
「あー疲れる」
だらだらと汗が流れてくる。こんな日に限って太陽はギラギラと輝いている。村人の肌はほとんど焼けているためさぼると肌の色ですぐばれてしまう。だからさぼるにもほどほどにしなければならない。
「あーあの太陽うざいな」
「うるさい仕事しろ」
「親父こそ口を動かす前に手を動かしたら?」
早くも親父は休憩に入っていたのだ。全くだらしない親父だここの底からそう思った。今日は全く作業が進まなかった。
「これも親父のせいだからな」
「あーすまんすまん」
「うっわ、てきとー」
お袋が夕飯を作っていた。まだかまだかと待ちわびる。珍しく親父がまじめな顔で話しかけてきた。
「そうだピード」
「なんだよ?」
「分かってはいると思うが神社には入るなよ」
「ああ分かっている今日は駄目だったな」
「まあ今日と言ってもあと数時間もすれば明日だがな」
パクパクと夕飯を食べる。その間は無口に食事を口に運んで行く。この村では食事中に話をすることは許されていない。堅苦しい空気の中で食事を口に運ぶピード。
「ごちそうさまでした」
「はいお粗末さまでした」
眠たくなってきたので少し横になる事にした。食事をした後に寝転ぶなど行儀が悪い事をするのは俺くらいだろう。
「こら行儀の悪い」
親父はそういうが気にせず横になり休んだその時、
「なっなんだあんた達は」
家の外からだだった。
「なんだ?」
ドカーンゴゴゴゴゴとおかしな音が鳴る。外に出ると隣の家は燃えていた。
「どうしたってんだよ」
「んっあれは?」
「どうした親父?」
「国王軍だ」
「なっなんでこんな田舎に?ていうかこれ国王軍の仕業なのかよ」
続く
いい作品に仕上げるためちょくちょくと本文修正をしていきますのでよろしくお願いします