オンセンガイ
少しの時間
遠い場所
表面の温もり
煙るガス
ぐつぐつと煮立った水面は
濁り濁って歪んだままで
そこに沈んだ卵のサイズも
確認することができなくて
なのにあなたはいい顔をして
体の芯まで温めてくれる
ぱっくりと開いた口が目立つ
少し笑った温泉GUY
ちらちらと降る白い雪は
炭酸ガスと
硫黄の臭いと
体に悪そうなものばかり
ゆっくりと抱きしめて
少し揺らして
体の隅から
隅までも
指輪だって
いつか黒くくすんでいく
追いかけて逃避行
道先を示して温泉GUI
決まり切ったつり橋の向こう
恋人同士の幸せの鐘
二人で一つの同じ部屋
落ちる椿
残した温もり
雪解けはいつ?
太陽はどこ?
今日はもうチェックアウト
忘れて旅立つ温泉街
温泉行きたいなぁ。
ありがとうございました。