「ウォー!大きなダイヤだ!」――それが私の見た最後の輝きだった
休日の昼過ぎお茶しながら動画を見ていた。
ドラマの主人公が昨日フラれた自分と重なって不覚にも泣いてしまった。
ーー泣かないで、大丈夫。僕がそばにいるから。
顔を覆って泣いていたら、耳元で声がする。
驚いて顔を上げると、さっきまで見ていたドラマの恋人が目の前にいる。
ーーうそ!え、え、これ夢?
ほおをつねってみる。痛い!夢じゃない!
理想の彼氏が目の前にいる。
しかも喋ってる。
「どうしてないてるの?
誰がこんな可愛い君を泣かしたんだろう。」
ーーあああ、なんて優しいお言葉。可愛い…いつぶりだろそんなこと言われたの。
そうよこんな可愛い女を振るなんて、あいつは最低だ。
「さあ、もっとこっちへおいで。君のために僕がデザインした指輪をあげるよ。だからもう泣かないで。」
そう言って大粒のダイヤの指輪を私の指にはめた。
ーーウォー!なんて大きなダイヤだー。
「素敵、愛してるわ♡」
「ぼくもだよ♡」
彼の腕の中で幸せを噛み締めていたその時、チャイムが鳴った。
「お届け物です。」
ーーなんなのよ、いいところなのに。
元カレの家に置いてあった私物が送り返されてきた。
仕事が早い。昨日の今日だよ。
そうだ、彼。
ソファの方を振り返ると、彼がじっと私を優しい眼差しで見ていたが、その眼の奥にゾクッとするような冷たさを感じた。
私の錯覚だろうと、そんな考えはすぐに打ち消した。
ーー良かったあ、消えてない。
「ごめんね。」
「ううん、いいよ。今夜の夕飯は僕が作ってあげるよ。」
「ほんと!ありがとう。私も手伝うね。」
材料を揃え、2人でキッチンに立った。
「もうすぐできるね。楽しみ。あと何が足りないかな」
私を下から上へ舐め回すように見つめた彼は
「そうだね、あと、スープの隠し味。」
そう言うと彼は持っていた包丁を私の喉に突き刺した。
「ふふん、女の血だよ。」
私の首をスープの鍋に押し付けた。
どくどくと私のすべてが鍋に流れていく。
ーー熱い。スープが熱いのか、自分の血が熱いのか、もうわからない中で悟った。あの優しさは罠だったのか……
キッチンの向こうでは動画のタイトルとエンドロールが流れている。
タイトル
「吸血鬼に狙われた女」
ゲスト出演——私




