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微風

昨夜は、

深く眠れたらいいと思っていた。

もう、

僕のそばには誰もいないから。


眠れたのかどうかもわからないまま、

朝になった。


山の虫たちが、

毛布を通して、

神経の一本一本を引っかいてくる。


額も、

うなじも、

足首も、

鈍く張るような痛みがあった。


スーツケースを、

縄で下ろす。

毛布を放る。

リュックを背中に戻す。

ガジュマルを下りる。


少し先に、

ベリーの実があった。


僕はひとりでそこへ行く。

座る。

一粒ずつ食べる。


いっそ横向きに寝転ぶ。

草が頬をくすぐるままにしておく。


片手で体を支え、

もう片方の手で探りながら、

一粒ずつ食べる。


スーツケースのそばを離れたのは、

これが初めてだった。

もう、

僕のそばには誰もいないから。


空が、

また少し明るくなる。


掌を見た。

まだ赤い。

もう痛くはなかった。


昨日の血みたいでもあり、

今日のベリーみたいでもあった。


風が吹く。

髪先が首筋をかすめる。

僕はまた、

少しずつ考えごとができるようになっていた。


また、

ちょうど君のことを思い出した。


しばらくして、

僕は起き上がる。

脚を叩く。

背中も軽く叩く。


「行こう」


ガジュマルの下へ戻る。

スーツケースを軽く叩く。

目を細めて、

方角を探す。


あっちは高速道路。

昨日、

僕が逃げのびた場所だ。


そこを避けるように回っていけば、

見つかりにくいはずだった。

水や野果も、

見つけられるかもしれない。


落ち葉を踏みながら、

中を抜けていく。

土はやわらかく、

少し湿っていた。

葉のうぶ毛や露が触れる。

鳥の声が聞こえる。

竹の葉の澄んだ匂いがした。


外套の男を覚えている。

煙草を売っていた年寄りも覚えている。

農具を持っていた一団も覚えている。

あの、まだ若かったやつも覚えている。


もう、

僕のそばには誰もいないから。






中国語原文


第九章:《微風》


昨晚,我希望能沉沉睡去

因為我身邊不再有人


不知道有沒有睡著

天亮了


山野裡的蟲子

透過毛毯刺撓我所有的神經


額頭、後頸、腳踝

都有種痠脹的刺痛


把行李箱用繩子放下去

毛毯扔下去

包背回到背後

下了榕樹


不遠處,有些莓

我一個人走過去

坐下

一顆一顆吃著


乾脆側躺

任雜草搔癢著臉


一手撐著身體

一手扒拉著

一顆一顆吃著


這是我第一次離開行李箱身邊

因為我身邊不再有人


天,又亮了一些


看了下掌心

還是紅的

不再痛了


像昨天的血

也像今天的莓


風吹過

髮梢拂過脖頸

我好像又能慢慢想事了


又恰好想到了你

過了一陣子

我坐起來

拍拍腿

捶捶背


「走吧」


回到榕樹下

拍了拍行李箱

瞇著眼找方向


那邊是公路

我昨天逃脫的地方


我繞著它走

應該不容易被看見

也許還能找些水和野果


穿行,踏著落葉

感受到泥土鬆軟而濕潤

拂過葉片上的毛刺與露珠

聽到鳥鳴

嗅著竹葉的清氣


我記得那個披大衣的人

記得賣菸的老頭

記得拿著農具的隊伍

記得那個很年輕的人


因為我身邊不再有人

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