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1号、2号、3号

尻から地面にどさりと座り込んだ

背中を、ひんやりした土の斜面に預ける

俺は湿って冷たい朝靄を、力いっぱい吸い込んだ

ひと晩じゅう張りつめていた肩が、ようやく少しだけ緩む

そこでやっと、痺れた脛を叩く力が戻ってきた

ほかの連中も、だいたい同じだった


空はもう青くなっていた

陽の光にも、少しだけ温度があった

荒い息も、だんだん落ち着いていって

それからようやく、溜息をつきながら、自分の身体を地面から引き剥がすやつが出てきた


いちばん忙しいのは1イチゴウと2ニゴウだった

二人の技術屋

車を直し、野営の形を作り、ついでに地べたの人間まで引っ張り起こしていく


イチゴウはかなり早い時期に来た

手先が器用で

みんなは彼を「1号技師イチゴウぎし」と呼んだ

本人は気に入らなかったが、どうしようもなかった

そのうち、みんなそのまま「1イチゴウ」とだけ呼ぶようになった


彼は車の中からあのいくつかの籠を引っ張り出して、竹子ジューズに渡した

「鼠捕り籠4ネズミとりかごヨンゴウ

昨日、直したやつだ

竹子ジューズはそれを受け取ると、何人かを連れて、がたがた揺れながら山へ入っていった


彼はそのあとも、鉄の棒や、縄や、雨除けの布や、道具を次々と引っ張り出した

しゃがみ込んで手を動かしながら

まわりの者にも手を貸せと声をかけていた


野営地の電気ものは、たいてい2ニゴウが持ち込んだものだった

あるいは、道で拾って、直したものだった

だから「2号技師ニゴウぎし」という名前も、そのまま定着した

あとには「2ニゴウ」だけが残った

彼も気に入らなかったが、どうしようもなかった


俺は、彼が譚輝タンフイや何人かと話しているのを聞いた

電気が、もうあまり残っていない

ここは昼のあいだ灯りをつけなくていいからまだ助かる

今夜からは懐中電灯をさらに二本減らす

道を探る連中は、村のほうの様子も見てくる

できれば、充電できる場所も見つけたい……


彼は蓄電池をつなぎ終えた

変圧器に延長タップをつなぎ

何台かの携帯がそこに差され、充電されていた


──携帯


実際

普段は誰も使わない


ネットもない

電波もない

連絡を取れる相手もいない


それでも

持ったままのやつは多かった


俺もだ


道を探る小隊の中に、ひとり目立つやつがいた

身体つきががっしりしていて

肩も大きく開いている

人と話すときは、いつも笑っていた

前はスポーツ選手だったらしい


そいつは戻ってくると、村のほうの溜池は使えると教えてくれた

魚さえ捕らなければいいらしい

飯は残しておいてくれと言って

それだけ言うと、また走って出ていった


飯のあと

俺は溜池のそばで食器を洗った

池の向こうに

そいつが二つの天秤棒を担いで歩いていくのが見えた

かなり重そうだった

そのそばには、農作業着みたいな格好をしたおばさんたちが何人かいて

喋りながらついていっていた

笑い声がずいぶん遠くまで流れてきて

ここにいる俺にも聞こえた


陽の光が、そいつの肩に落ちていた

俺はふと

これがたぶん、あいつ本来の姿なんだろうと思った


戻ってきたとき

そいつの手には、柿の入った袋が増えていた


この日から

あいつには、別の名前がついた


「3号技師サンゴウぎし






中国語原文


第25章《一號,二號,三號》


一屁股坐在地上,背脊貼著微涼的土坡

我用力呼吸著濕冷的晨霧

繃了一整夜的肩膀終於鬆下來一點

這才有力氣拍打麻木的小腿

其他人也差不多


天已經藍了

陽光也有了點溫度

喘氣聲慢慢平下來

才有人嘆著氣,把自己從地上拔起來


最忙的是一號和二號

兩個技術員

修車,搭營地,順便把地上的人也拉起來


一號來得很早

手很巧

大家叫他「一號技師」

他不爽,但沒辦法

後來都直接叫他「一號」


他從車裡翻出那幾個籠子,交給竹子

「竹鼠四號」

昨天改好的

竹子接過去,帶了幾個人,一顛一顛摸進山裡


他又陸續翻出鐵條,繩索,雨布和工具

蹲下來忙活著

招呼著其他人搭把手


營地裡的電器,大多是二號帶來的

或是在路上撿來修好的

所以「二號技師」這個名字,就定下來了


後來也只剩「二號」

他也不爽,但沒辦法


我聽見他和譚輝還有幾個人商量著

電不多了

還好這裡白天不用開燈

從今晚開始,手電得再少兩支

探路的人去看看村子那邊的情況

最好還能找到地方充電……


他接好了蓄電池

變壓器連著排插

幾台手機插在上面充著


——手機


其實平時根本沒人用

沒網路,沒信號,也沒有可以聯絡的人

但很多人還是留著

我也是


探路小隊裡,有一個人很顯眼

身板結實,肩膀很開

跟人說話時,他總是笑著

聽說以前是個運動員


他回來之後,告訴我們

村子那邊的水塘可以用

只要別去抓魚

讓人把飯給他留著

說完又跑了出去


飯後,我去水塘邊洗碗

水塘對面,看見他挑著兩擔東西走過

好像還不輕

身邊幾個打扮得像農人的阿姨

一邊和他說話,一邊跟著走

笑聲飄得很遠,我都聽得見


陽光落在他的肩膀上

我忽然覺得

這大概才是他原來的模樣


回來的時候

他手裡多了一袋柿子


從這天起

他換了一個名字

「三號技師」

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