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料理番

譚輝タンフイ

この一食ぶんの材料を

全部

僕に渡した


二十近い口

三斗の米

大きさの揃わない芋が一椀

手のひらほどの肥えた塩漬け肉が一塊

野葱が何本か

塩が一袋

見たところきれいな水が一桶


それだけだった


一つずつ手渡すとき

譚輝タンフイ

少しためらっているようだった

さっきまでの

あのきびきびした感じがない


火は起こせる

でも竹子ジューズ

やっぱり少し手を貸してくれた


終わると

竹子ジューズは竹を切りに出ていった

その間に

僕は手順を頭の中で整えた


米は水をくぐらせるだけでいい

研がない

鍋に入れて

水を足す

火にかける


沸いたあと

しばらく煮て

粥にする

そのほうが

腹にたまる


もう一つ鍋をかける

塩漬け肉を切って入れる

水を少し

ちょうどかぶらないくらいまで入れる


沸いたら

鍋を少し火からずらして

弱く煎る


水は濁って

また澄んで

じゅうじゅう鳴りだした

油が少しずつ

しみ出してくる


野葱を刻む

芋を粒に切る

皮はむかない


鍋のじゅうじゅうという音が

だんだん大きくなる

ぱちぱち鳴る

脂が増えて

鍋を揺らすと

縁にまとわりつく


何人か

手を止めて

そばに集まってきた


譚輝タンフイ

ずっと見ていた

僕には

試験監督みたいに思えた


匂いが

熱をまぜたまま

鍋からひろがっていく


僕も

もう長いこと

油の匂いなんて嗅いでいなかった


肉の端が巻いて

うっすら焦げ色がついたところで

取り出して

細かく刻み

粥に散らす

塩を入れて

混ぜる


小さく一さじすくって

ふうと吹いて

少し吸うように口に入れる


最初に

舌が少し焼けた

そのあと

塩気と脂が

舌の上を滑っていく

胃の中が

だいぶあたたかくなった


もう一口

味を見たかった

でも

まわりの人間が

ずっと見ていた


そのとき

誰かが

しゃっしゃっと走り込んできた


僕のそばまで来て

目はずっと鍋の中を見たまま

何かを差し出してくる


竹子ジューズだった


竹筒を一本

渡してきた

容器にしてある


開けると

中には

竹虫がぎっしり入っていた


粥の鍋に蓋をして

油の鍋を

もう一度火に戻す

油の縁から

煙が立ち始める


竹子ジューズは鍋を見ている

僕も見ている


竹筒を

上からひっくり返す


「ジュワッ!!!」


おたまで竹筒を何度か叩いて

竹虫を全部

鍋に落とし込む


白っぽい塊が

びくっとひとつ捩れて

湯気を立て

すぐ動かなくなった

色も

そのまま黄ばんでいく


芋を入れて

一緒に炒める

それから水を足して

蒸し煮にして

味をつける


涵洞の中には

鍋の音だけが残った


外へ出ていた者も

みんな戻ってきた

薪を背負う者

桶を提げる者

別の物を抱える者


近づいてくると

みんな

先に一度

鍋のほうを見る


粥をよそうのは

やっぱり譚輝タンフイだった


一人に一椀

塩漬け肉の欠片がまじった薄い粥

その上に

竹虫の芋煮を少しのせて

野葱をぱらぱら散らす


誰も喋らない

黙って食べる

ときどき

長く息を吐く者がいる


譚輝タンフイ

僕の向かいに座っていた


粥を食べる手つきは

妙にきっちりしている

ときどき眼鏡を直す

でも

食べる速さは遅くない


椀の底を

何度かこすってから

そばのハクに言った


ハク、ようやくまともな料理番を拾ったな」


その言葉は

ちゃんと

僕の耳に届いた


僕は

顔を上げなかった






中国語原文


第18章《廚子》


譚輝把這頓飯的材料全交給了我


將近二十張嘴

三斗米,一碗大小不勻的芋頭,巴掌大的一塊肥臘肉,幾條野蔥,一包鹽,一桶看上去乾淨的水

沒了


他一樣一樣遞給我的時候

好像有些遲疑

沒了剛才那種俐落


我會生火,但竹子還是幫了我一把

弄好之後,他出去砍竹子了

趁這回工夫,我理好了工序


米過水就行,不要淘

倒進鍋裡,加水

架上火

煮開之後要熬一段時間,煮成粥

會吃得更飽一些


另起一鍋

臘肉切片,下鍋,加一點水,剛好沒頂

水沸之後,鍋移開一點,慢火煎著


水變混濁了,又清了,有點滋滋聲

油一點一點逼出來


野蔥切碎

芋頭切粒,不削皮

鍋裡滋滋聲慢慢變大,劈啪作響

油脂開始變多,鍋一晃,可以掛在鍋邊


幾個人忙完,圍在旁邊

譚輝一直在看,我覺得他像監考官


香味夾著溫度,從鍋裡散開

我也好久沒聞到過油香了


等臘肉捲了邊,微微焦褐

夾出來,切碎,灑進粥裡,加鹽,拌勻


舀了一小勺,吹了吹,吸一小口

先是舌頭被燙了一下

然後鹹味和油脂順著舌頭滑下去

胃裡暖和了很多

我想多嘗一口

但周圍的人一直看著


這時有人唰唰地跑進來

走到我身邊

眼睛一直盯著鍋裡

把一個東西遞過來


是竹子

他遞來一節竹筒,做成了容器


我打開

裡面裝滿了竹蟲


我把粥鍋蓋上

油鍋重新架回火上

油的邊緣開始冒出煙

他盯著鍋,我也盯著


竹筒往上面一扣

「呲啦!!!」


鍋鏟在竹筒上敲幾下

把竹蟲全抖了進去

白花花的一層東西猛地一扭,起了一陣霧氣,很快不動了

顏色也跟著轉黃


芋頭加進去,一起翻炒

再加水,燜著,調味


涵洞裡只剩下鍋裡的聲音

外出的人全部回來了

有人背著柴火,有人拎著水桶,有人抱著其他東西

走近以後,都先往鍋裡看一眼


分粥的人還是譚輝

每人一碗摻著臘肉碎的稀粥,上面蓋一點竹蟲燜芋頭,再撒幾顆野蔥花


沒有人說話

悶頭吃著

偶爾長長噓出一口氣


譚輝坐我對面

吃粥的動作一板一眼

時不時扶一下眼鏡

速度卻不慢


他把碗底刮了幾下

對身邊的小白說

「小白,你終於撿了個好廚子」


那句話

我剛好聽得到


我沒抬頭

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