約束
昼は、
服の前を開いて、
湿った熱を逃がした。
黄色い野菊、
白い野菊。
まるで陽の光みたいだった。
夜は、
毛布をきつく巻いて、
山の風を防いだ。
梢は、
僕と星の距離までは
遮ってくれなかった。
二日。
ここはもう、
ひととおり見て回った。
野のベリー、
山芋、
熟れていない栗、
静かなタニシ、
騒がしい蛙。
もう、行かなければならなかった。
斜面を歩く。
ときどき、
細い道のようなものが続いていた。
昔、誰かが通った道なのかもしれない。
僕はその道の左側を歩いた。
左を歩くと、
女の子は安心するらしいと聞いたことがあった。
また火を起こした。
食べられるものを全部鍋に入れて、
火のそばに置く。
また、あの歌を口ずさむ。
あの歌詞のところまで来るたび、
火は小さく火の粉をはじいた。
けれど僕は、
毎回そこで止まった。
何度も、何度も。
全部煮えた。
ほんの少ししかなかった。
それでも二つに分けた。
先に、
自分のぶんを食べる。
少し笑う。
それから、
もう一つを食べた。
——
横になって、
長いこと考えた。
それでも、
スマホをつけた。
まだ少しだけ、電池は残っていた。
もう、
やり取りのスクリーンショットは見なかった。
それはもう、
いらなかった。
ただ……
あの歌が、
どうしても聞きたかった。
——
君は言った。
「行かないで、そばにいて」
ごめん。
僕は、
約束を守れなかった。
出発する前、
君の配信で、
最後の一曲をリクエストした。
君はそれを聞いて、
笑って、
あの、僕がいちばん好きだった笑い声で、
鼻歌まじりに歌っていた。
あのとき、
僕は聞きながら、黙って、
肩を強く壁際に埋めていた。
今、
僕は聞きながら、黙って、
火の明滅の隙間に、
自分を埋めたくなっている。
あのとき、
君は気づいていたんだろうか。
僕が、
いなくなるかもしれないことに。
もし気づいていたなら、
君は、
気にしただろうか。
たぶん、
しなかったんだと思う。
ただ、
ごめん。
僕は行った。
うつむく。
聞きながら。
聞きながら。
月の光を避けたかった。
思い出を避けたかった。
君の声さえ、
避けたかった。
最後の音がまた落ちていく。
火の光は、
目の前でぼやけている。
涙の粒は、
鼻先でひどくはっきりしていた。
充電残量低下の警告が、
また点く。
僕はスマホを伏せた。
ごめん。
僕は、
本当に行ってしまった。
——もし。
ただ、
もしも、だ。
もし君が、
僕がいなくなったことを知ったら。
あの歌。
あの「戻ってきて」を。
君は、
あの夜みたいに、
笑って歌うんだろうか。
火は音を立てない。
星空は静かだった。
思い出も、
黙ったままだった。
どうして。
こんなときに限って、
こんなにも静かなんだろう。
中国語原文
第十一章:《允諾》
白天,我打開衣襟,驅散濕熱
黃色的、白色的野菊,好像陽光
晚上,我裹緊毛毯,阻擋山風
樹梢,沒有阻擋我和繁星的距離
兩天時間
這裡已經被我翻了一遍
野莓,山芋,未熟的栗子,安靜的田螺,鼓噪的青蛙
該走了
走在坡度上,偶爾有一段段小徑
不知道是不是以前有人走過
我走在小徑左邊
我聽說過,走在左邊,會讓女孩安心
我又生起了火堆
把所有能吃的都裝在鍋裡,放在火堆旁
我重新哼著那首歌
每哼到那句歌詞,火苗都會擠出星火
但我每次都會停下
一遍又一遍
都煮熟了
其實很少,但我分成了兩份
先吃完我的那一份
笑了笑
再吃另一份
——
躺臥著
想了好久
還是打開了手機
還有一些電量
我沒再查看對話的截圖
不需要了
只是... ...我好想聽那首歌
——
你說過——別走,陪陪我
對不起
我食言了
臨行前,在你的直播間
我點了最後一首歌
你聽著,笑著
用那個我最喜歡的笑聲哼唱著
那時候,我聽著,沉默著,用力把自己肩膀埋進牆角
現在,我聽著,沉默著,想把自己埋進火光閃爍的間隙裡
那時候
你察覺到嗎
我可能會走
如果察覺了
你
在意嗎
我猜
不會吧
只是
對不起
我走了
我低下頭
聽著,聽著
想迴避月光
想迴避回憶
甚至想迴避你的聲音
最後一個音符又落下去
火光在眼前很朦朧
淚珠在鼻尖很清晰
電量低的警告再次亮起
我把手機扣過來
對不起
我真的走了
——如果
我只是說如果
如果你知道我不在了
那首歌
那句「要回來」
你會像那個晚上一樣
笑著唱嗎
火苗無聲
星空寂靜
回憶沉默
為什麼
這時候
這麼安靜




