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くれげの世界  作者: ぐろ
第一章 中学編
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第6話 あと2人




 閉店前のゲームセンター。


 照明が少し落とされ、

 音だけが残っている時間帯。


 昏華すき、天秤沙希、雨瑠凛。

 三人の前に、制服姿の店員が立っていた。


 ――ミスター初期位置。


「少し、いいかな」


 穏やかな声。


 すきが、反射的に姿勢を正す。


 ミスター初期位置は、

 カウンターの下から一枚の紙を取り出した。


「君たちに、渡したいものがある」


 差し出される。


 すきが、両手で受け取った。


 白地に、無駄のない文字。


――クレーンゲーム大会


「大会?」


 沙希が、すぐに身を乗り出す。


 凛は、すでに内容を読み始めていた。


「……ルール」


 凛が、要点だけを拾う。


「五人一組」


「ひとつの台を、五人が順番にプレイ」


 ミスター初期位置が、静かに補足する。


「途中交代は不可。

 一人一手だ」


「基本五手以内で、決める」


 一瞬、空気が止まった。


「……え」


 最初に声を出したのは沙希だった。


「それ、初手めちゃくちゃ重要じゃん」


 次の瞬間、表情が明るくなる。


「てか、面白すぎでしょそれ」


「初手で配置作れたら、

 後ろがめっちゃ楽になる」


 完全に飛びついている。


 すきは、招待状の下の方を見る。


 指先が、ぴたりと止まった。


「……賞金」


 小さく読み上げる。


「十万円……」


 一拍。


 すきの顔が、ふわっと明るくなった。


「クレーンゲーム代、

 しばらく浮きますね」


 沙希が思わず吹き出す。


「そこ見る!?」


「だって……」


 すきは、少し困ったように笑う。


「いっぱい、触れますし」


 凛は、もう別の次元にいた。


「五手構成……」


 ぽつり。


「一手ごとの期待値を最大化すれば、

 優勝確率は理論上――」


 途中で言葉を切る。


「……問題は」


 三人分の視線が集まる。


「人数」


「五人必要」


 沙希が、きっぱり言った。


「今、三人」


 すきが、指を折る。


「……二人足りません」


 ミスター初期位置は、

 否定も肯定もしなかった。


「参加は、義務じゃない」


「ただ」


 視線を三人に向ける。


「集められたら、だ」


 沈黙。


 沙希が、にっと笑った。


「探そう」


 即断。


「どうせ出るなら、

 ちゃんと面白い人がいい」


 すきは、少し考えてから頷く。


「……取りたいです」


 凛は、静かに言った。


「勝つために、

 必要な人材を」


 三人の方向は、揃った。


 ミスター初期位置は、

 その様子を静かに見届ける。


「健闘を祈るよ」


 三人は、ゲームセンターを出た。


 夜の街。


「さて」


 沙希が手を叩く。


「どこから行く?」


 すきは、知らないうちに

 少しだけ胸が高鳴っていた。


 五人一組。


 まだ三人。


 ――ここからが、

 本当のスタートだった。

キャラ紹介

天秤 沙希てんびん・さき

•髪:明るめの茶髪、ポニーテール率高め

•表情:常に笑顔。負けてもまず笑う

•服装:明るい色・ショート丈・アクティブ系

•口癖:「ま、いけるっしょ!」「はい安定〜」

•初手バランスキャッチ成功率100%

•ムードメーカーだが、内面はかなりストイック

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