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くれげの世界  作者: ぐろ
最終章“ 神域編”
178/205

第176話 何をお願いする

第四ラウンド終了後


電光掲示板に名前が並ぶ。


Sランク 一条 零

Sランク 神代 統

Sランク 雪平 杏

Aランク 昏華 すき


会場のざわめき。


「……結局Sランクかぁ」

「やっぱりな」

「順当すぎるだろ」


期待と落胆が入り混じる空気。



舞台袖。


売田はベンチに座り、うなだれていた。


「……ちくしょう」


ジョーが隣に腰を下ろす。


「よく戦った」


羽澄も笑顔でしゃがみ込む。


「売田さん、今日は“主役”だったよ♡」


売田は顔を上げる。


「……マジ?」


「会場のコール聞こえなかったの?」


売田は少しだけ照れくさそうに鼻をこすった。



アナウンスが響く。


「準決勝進出者はステージへ」


四人が並ぶ。


一条零。

神代統。

雪平杏。

昏華すき。


静かな緊張。



会長がマイクを取る。


「準決勝の対戦相手は、

 この箱の中のボールで決定する」


スタッフが準備を進める。


その間。


神代が口を開いた。


「この入れ替え戦のあとさ、

 Sランクだったら会長が願いを叶えてくれるらしいけど」


にこりと笑う。


「みんな、何お願いするんすか?」


零が即答する。


「俺は元々の意見を通すだけだ。

 B以下は必要ない」


空気が少し張る。


雪平が穏やかに言う。


「私は待遇にも満足してるし……

 特別な願いはないかな」


すきが静かに口を開く。


「私がSランクに勝って、

 B以下も残したいと言ったら……どうなるんですかね?」


零がすきへ視線を向ける。


「勝ってから言え」


視線がぶつかる。


空気が研ぎ澄まされる。


「まぁまぁ」


神代が笑う。


「おれは願いあるけど、

 会長じゃちょっと叶えられないからね」


冗談めかして肩をすくめた。



準備が整う。


箱が差し出される。


最初に零が手を入れる。


取り出したボール。


番号がモニターに映る。


1番


会場がざわめく。



次に神代が手を伸ばす。


だが、引く前に振り返った。


「雪平さんと昏華さんって友達ですよね?」


「戦いたくはないですよね?」


雪平は微笑む。


「仲間だけど——

 いつか手合わせはしたいと思ってた」


すきは静かに言う。


「雪平さんと戦わなくてほっとした自分に、

 勝ちたいです」


神代は満足そうに頷く。


「ん〜、はい」


「じゃあおれはこれで」


引いた番号。


2番



準決勝 第一試合


一条 零 vs 神代 統


会場が揺れる。


「うおおおお!!」



雪平が引く。


4番


すきが引く。


3番



準決勝 第二試合


雪平 杏 vs 昏華 すき


歓声とどよめきが交錯する。



四人が静かに並ぶ。


誰も言葉を発しない。


だが空気が語っていた。


ここから先は、


本物の領域。



会長はその姿を見つめる。


(……この中の誰かが)


(神域への門を開くだろう)


照明がゆっくり落ちていく。


準決勝。


開幕目前。

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