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くれげの世界  作者: ぐろ
最終章“ 神域編”
176/205

第174話 応援するよ

会場のざわめきは、すぐには収まらなかった。


圧倒ではない。


だが——


完全に支配された試合だった。


零は台から視線を外さず、静かに立ち去ろうとする。


その横に並んだのは神代統だった。


「……またやりましたね。」


零は答えない。


統は軽く肩をすくめる。


「相手の心を折りたい時にやるやつ」


「同じ手をなぞって、逃げ道を消していく」


一拍。


「性格、悪いすねぇ」


零は足を止めない。


「勝負だ」


短く、それだけ。


統は小さく笑った。


「うん、知ってます」



九条サイド


すきの目には、怒りが宿っていた。


「……見下したプレイ」


「許せない」


羽澄が全の肩に手を置く。


「全くん、お疲れ♡

 よかったよ」


ジョーは静かに言った。


「孫、頑張った」


売田が腕を組む。


「Dランク最後の星が散ったか……」


花形は、堪えきれず涙を流していた。


「先輩ぃ……」



全は、軽く肩を回した。


「……悪い。力不足だ」


少し笑う。


「でけぇこと言って、結局負けちまった」


視線を上げる。


「おっさんと、昏華。

 雪平のねぇちゃん」


「残ってるやつ、応援するよ」


言葉は軽い。


だが。


唇を強く噛みしめていた。


悔しさを、


必死に押し殺していた。



第三ラウンド 第三試合


Sランク 雪平 杏

Bランク 愛川 望


——結果。


勝者 雪平 杏


揺るがない強さ。


格の違いを示すには、十分だった。



その後も試合は進み、


勝者と敗者が静かに分かれていく。


歓声。

ため息。

静かな拍手。


そして——


電光掲示板に、


残存人数が表示された。



■第三ラウンド終了時点


残り8名


Sランク 3名

Aランク 2名

Bランク 3名



空気が変わる。


ここから先は、


実力だけでは届かない領域。


神域へと続く戦いは、


次の段階へ進もうとしていた。

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