第157話 第二ラウンド
大型モニターに表示された
二回戦の組み合わせ。
会場のざわめきが、
ゆっくりと広がっていく。
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第二ラウンド 対戦カード
売田転(B)
vs
金剛良樹(A)
昏華すき(A)
vs
高橋桜(D)
九條全(D)
vs
大門 帝(D)
ジョー(A)
vs
一条 零(S)
羽澄京子(B)
vs
神代 統(S)
雪平 杏(S)
vs
太刀川 譲(B)
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一瞬の静寂。
そして——
ざわめきが爆発した。
「うわ……」
「いきなりAランク対決かよ」
「零きたぞ……」
「統の相手、羽澄!?」
「雪平の相手もキツいな」
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売田がモニターを睨む。
「……くっそ」
肩を回しながら吐き捨てる。
「いきなりAランクかよ」
隣のジョーが静かに言う。
「強い相手の方が、燃えるんじゃないのか」
「燃えるとか言ってる余裕ねぇよ」
だが、売田の口元はわずかに上がっていた。
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すきは、表示された名前を見つめる。
高橋桜。
Dランク。
隣で全が肩をすくめる。
「俺たち、どっちもDか」
「……うん」
全は苦笑する。
「でもさ」
モニターを見上げる。
「ランクなんて、関係ねぇ試合にする」
すきは、小さく頷いた。
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全の視線は次の名前へ向く。
大門 帝。
「……三期生のやつか」
「うん」
「でも負けねぇ」
短く言い切る。
その声には、迷いがなかった。
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一方。
ジョーは、モニターを静かに見上げていた。
対戦相手の名。
一条 零。
会場の空気が、わずかに変わる。
「零とか……」
「Sランクだぞ」
「ジョー終わったか?」
ジョーは何も言わない。
ただ、ゆっくりと目を閉じる。
時間が、静かに沈んでいく。
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羽澄京子は、表示を見て固まった。
「え……」
神代統。
Sランク。
「え、え、え、ちょっと待って」
「統くん!?」
だが次の瞬間、
「……面白いじゃない♡」
口元がゆっくり上がった。
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統は遠くから手を振る。
「羽澄さん!楽しもうねー!」
観客席が笑いに包まれる。
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そして。
雪平は静かに表示を見つめていた。
太刀川譲。
Bランク。
実直な実力者として知られる男。
簡単な試合ではない。
雪平は目を閉じ、
小さく息を吐いた。
「……負けない」
その声に迷いはなかった。
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アナウンスが響く。
「第二ラウンドは——」
一拍。
「明日、開始します」
会場の空気が、張り詰める。
今日は終わり。
だが、
誰一人として
休める夜にはならない。
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それぞれが、
それぞれの相手の名を胸に刻み、
静かに会場を後にする。
戦いは、
もう始まっている




