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くれげの世界  作者: ぐろ
最終章“ 神域編”
158/205

第156話 現実

次の試合が始まる。


そして——

止まらない。



歓声。


落下音。


悔しさ。


安堵。


この会場には今、

42人分の覚悟が流れている。



Cランク同士の対決


慎重な寄せ。


確実な一手。


最後の一押し。


ゴトン。


敗者は、台の前で静かに頭を下げた。


「……ありがとうございました」


涙は見せない。


それでも、拳は震えていた。



Dランク同士


ぎこちない操作。


だが、必死さは本物。


「頼む……!」


景品が傾く。


落ちない。


落ちない。


落ちた。


勝者は声にならない声を上げた。


敗者は笑った。


「……負けんなよ」


それが精一杯だった。



Bランク対Cランク


安定感。


経験差。


無駄のない操作。


ゴトン。


「やっぱBは違うな……」


観客の呟き。


だが勝者は振り返らない。


まだ終わっていないからだ。



Cランク、番狂わせ


歓声が爆発する。


「うおおお!!」


格上を倒したCランク選手が

台に手を置いたまま動けない。


信じられない。


自分が、勝った。



Bランク、圧倒


迷いなし。


速さ、精度、判断。


三手。


ゴトン。


「……完璧」


観客が息を呑む。


勝者は無言で台を離れた。



試合は止まらない。


勝者と敗者が入れ替わり、


喜びと絶望が交差する。



やがて。


すべての試合が終わった。



大型モニターに、


結果が表示される。


入れ替え戦 一回戦結果


出場:42名


勝者:21名



■敗退内訳

•Bランク敗退:3名

•Cランク敗退:7名

•Dランク敗退:11名



会場がざわつく。


「Dランク……半分以上消えたぞ」

「Cも結構落ちたな」

「Bでも落ちるのかよ……」


それが現実だった。


プロであっても、


生き残れる保証はない。



控え席。


九條全はモニターを見上げる。


隣で花形鈴が静かに息を吐いた。


売田が肩を回す。


「ここからが本番って顔してんな」


羽澄はスマホを閉じた。


ジョーは無言で座っている。


すきは、ゆっくりと拳を握った。


ここから先は、


本当に落ちていく。



アナウンスが響く。


「——二回戦トーナメントを発表します」


会場の空気が引き締まる。


モニターに、


組み合わせが表示されていく。


名前。


名前。


名前。


そして——


静寂。


それぞれが、


次に戦う相手の名を見つめていた。


逃げ場はない。



この戦いは、


まだ始まったばかりだ。


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