青い星の花で告白を
誤字脱字日本語がおかしいなどあまり気にしないでいただけると嬉しいです。
ステファニーのことが好きだ。
一緒に仕事をしていくうちに沸々と愛しいという気持ちが湧いてきた。
けれど、婚約者から奪おうとは思わなかった。
ステファニーの婚約者について話す姿が幸せそうで
嬉しそうで…。
ステファニーが幸せならそれでいいと思った。
そんな矢先ステファニーが捨てられた。
ステファニーは泣いていた。
俺からしたらかなりの幸運であることはわかっている。けれど、愛する人が泣いているのを見るのは
自分が傷ついた時より辛かった。
だから、婚約者から守った。
もう、ステファニーが泣かないように傷つかないように。
俺は用意していたラピスラズリの婚約指輪があるか
確認した。今日、ステファニーに告白する。
もちろん無理強いするつもりはない。
ただ、この気持ちを彼女に知って欲しい。
そう思って俺はパーティーにのぞんだ。
シルヴァン様から逃げるようにしてブルースターの咲き誇る庭園に来た。
「ありがと、ロラン。守ってくれて」
「当然のことだよ。」
すると、パーティー会場のホールの中から優雅な弦楽器の音色が聴こえてきた。
どうやらもうダンスの時間らしい。
「一緒に踊ってくれませんか?」
ロランは跪き手を差し出した。
「けど…」
「まぁ、助けたお礼だと思って」
「そうね」
私はロランの手を取った。
踊り出すとロランとの距離がいつもより近くてドキドキした。足を踏まないだろうか?手汗は出ていないだろうか?踊りにくくないだろか?
ロランの灰色の髪も黒い糸目もパーティーの雰囲気のせいか綺麗に見える。
「ダンス上手だね。さすがは伯爵家」
「ありがとう。ロランも伯爵家出身でしょ」
「そうだね。」
そんなしょうもないような会話で2人ともクスクスと笑っていた。
そして踊り終わるとロランが話し出した。
「知ってた?ブルースターの花言葉って幸福な愛なん だって」
「そうなんだ。私はあんまりそういうの気にしないか ら知らなかったや」
「あと、信じ会う心っていうのもあるらしい」
「よく知ってるね」
私は思わずクスッと笑っているとロランが小さな箱を出した。
「ずっとステファニーのことが好きだった。
僕と婚約して欲しい。
自分の気持ちに素直に答えて欲しい」
その箱の中身はラピスラズリの指輪だった。
私は悩んだ。
ロランとなら上手くやっていけるだろうし家柄も釣り合っているだろう。
けど、私は?
私は、まだ失恋から立ち直れていない。
もうシルヴァン様への気持ちはないけれど、こんな中途半端な状態で婚約してロランに迷惑はかからないの?こんな私を愛することができるの?
「私は…私はロランのこと嫌いじゃない。
好きだと思う。
けど、まだ元の婚約が心に残ってるの。
こんな状態で告白を受けるなんてロランに悪すぎる
よ。」
「俺は、そんな君でも愛せる。愛してる」
「ロランにはもっといい人だっているでしょう?」
「俺は、ステファニーがいいんだ。」
「本当に?」
「ステファニーを愛してる。ずっとずっと。
研究への情熱もたまに口が悪くなるところも
酒癖が悪いところも全部全部愛してる。」
私はそんな甘い言葉をかけられて思わず顔が真っ赤になった。
「私のこと嫌いにならない?」
「嫌いになんてならないよ」
「私も、ロランのことが好き。
元婚約者のこともケジメをつける。
だから、私のこと裏切らないで。傷つけないで」
「そんなことしないと誓うよ。」
ロランは優しく私を抱きしめた。
「これ、つけてくれる?」
「うん。」
そう言って私は指輪を取り薬指にはめた。
2人の薬指のラピスラズリが月明かりでまるで夜空の
ように輝いた。
その時、青い星の花は2人を祝福するかのようにその青い花びらをばら撒いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。