私の愛し方
誤字脱字日本語がおかしいなどあまり気にしないでいただけると嬉しいです。
今回は結構グロイので苦手な方は気をつけてください。
私は、愛されない人生を送ってきた。
私はアンデル公爵家の長女として生まれてきた。
もちろん、正室の子として。
けれど、兄の方が愛されていた。
側室の子供なのに、私の方が優秀なのに
父は兄だけを溺愛した。
母は、病気になり私が生まれてすぐに死んだ。
正直どうとも思わなかった。
それから父は私を空気のように扱った。
だから私は使用人の弱みを握って屋敷内の評価を上げた。それでも父は見向きもしなかった。
腹が立った。だから、八つ当たりで部屋にあった薔薇の花を握りつぶした。すると、深紅の薔薇の花びらがはらりと落ちて行った。
すごくドキドキした。
こんな気持ちは初めてだった。
薔薇の花は好きなのにどうして傷つけて嬉しいんだろう?よくわからない。
けど、みんながしているように愛しているものを大切にするより傷つける方が楽しかった。
口角が上がった。
そして、薔薇の棘で傷ついた指を流れる血が薔薇の色に似ていることに気づいてもっと嬉しくなった。
不思議と痛みは感じなかった。
それから私は自然と愛しているものを傷つけるようになった。だって、そっちの方が嬉しいもの。
どうせ父は私が何をしたって気にしない。
大好きな猫も可愛らしい青い小鳥も綺麗な蝶も高価な宝石も小さな侍女も全部全部愛した。
全部全部傷つけた。
猫は、ナイフでたくさん刺した。
小鳥は、青い羽を全部剥いでペンにした。
蝶は、私の手で握りつぶした。
宝石は、靴のヒールで傷つけた。
侍女は、精神を追い込み崖から突き落として自殺したように見せた。
だって、これが私の愛し方だもの。
どうせ、誰にも愛されていないのなら私が愛するの。
私はこの愛し方しか知らないの。
それでも、父が振り向くことはなかった。
だから、違う相手に愛を求めることにした。
最近、騎士として派遣されたシルヴァン様。
太陽みたいな金髪に昔愛した宝石に似た青い瞳。
とっても"綺麗"。
それに、シルヴァン様が婚約者について話す時とっても幸せそうな顔をするの。
その顔を見た時あの人なら私を愛してくれると思った。
だから、手紙を捏造した。
人の字体を真似るのが得意だったから。
だから、婚約破棄をさせた。
その時つけていた指輪。
とっても綺麗で傷つけたくなった。
けど、これはシルヴァン様と私の愛の証明だから
綺麗な姿のまま置いておいた。
そこまでしたのに、シルヴァン様は私を愛していなかった。容姿だけは綺麗に保ってきたのに…。
なら、脅しでもなんでもいい。
私を愛してくれるなら演技でもなんでもいい。
なんでもいいから私を"愛して"。
私も私なりに貴方を"愛するから"。
貴方は今までで1番歪んだ顔をしている。
侍女のように泣いて詫びるのも面白かったけれど
あんなふうに綺麗な綺麗な顔が歪むのはとても愉快だった。そう、やっと"愛する人"ができた。
やっと、私を"愛してくれる人"ができた。
私は、それだけで心の奥のほうがじんわりと満たされていった。
そして、私は白いチューリップの咲く庭園でシルヴァン様を見つけた。
「ヴァン、探したのよ!」
「アリス…」
「どうしたの?顔色悪いよ。」
酷い顔をしているシルヴァン様を見て思わず口角が上がりそうになった。
「いや、なんでもない。」
きっとステファニー様に振られたんだろうなあ。
ふふっ。可愛いの。
今告白したって断られるとわかっているでしょうに。
きっと、私の愛が行き届いてないんだよね?
だから、そういうことするんでしょ?ヴァン
「あ、もしかして白いチューリップ好きじゃないの?
変えてって庭師に頼もうか?
王宮にも伝言はあるから。何がいいかな?」
「…」
「黄色のスイセンなんてどうかな?可愛いよね」
「ファニー…」
「ファニーって…まだステファニー様が好きなの?」
「いや、そんなことは…」
「そうだよね。だって、ヴァンは私の婚約者だもの。
愛してる。ずっとずっと…。」
私はシルヴァン様を抱きしめた。
あぁ、シルヴァン様はいつまで持つかしら?
楽しみね!
私とシルヴァン様はパーティー会場から帰った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
黄色いスイセンの花言葉は私のもとへ帰ってらしいです。