婚約者の裏切り
小説を初めて書くので誤字脱字日本語がおかしいなど
あまり気にしないでいただけるとうれしいです。
また、公爵,伯爵は中世ヨーロッパの貴族階級です。
ご注意ください。
この小説を楽しんでいただけると幸いです。
「婚約破棄していただきたいのですが。」
「はい?」
「ですから、婚約破棄していただきたいのです。」
私は、目の前にある状況が信じられなかった。
伯爵令嬢である私と公女のアリス様がお茶をしている時点でおかしい。
だが、ここで問題にあげるべきなのはこれではない。
赤の他人のアリス様が私の婚約に口出ししてきたことだ。
「私の婚約といえばシルヴァン様との婚約ですか?」
「えぇ、もちろん。シルヴァンは今では私を愛しておりますもの…」
「そんなの信じられません!」
ヴァンとは幼馴染で両親の仲も良く幼い時から婚約が決められていた。
もちろんヴァンは私を愛してくれたし私も愛していた。
「あら、そうですの。ここに書類まで持ってきておりますのにねえ」
その書類には婚約破棄に同意するという言葉の下にヴァンのサインが書いてあった。
「そんな…」
まさか、本当に私を愛していないの…?
私は王宮で魔力を研究する研究員として働いている。
だが、ヴァンは騎士として北の地に派遣されていた。
要は遠距離恋愛だ。
でも、手紙のやり取りをずっとしていた。
そこでは愛してるって言ってくれたのに…
もう少しで帰ると言ってくれたのに…
「シルヴァンってば貴女のこととても嫌っていたのよ。手紙では愛をささやかなければならないとか
贈り物も田舎くさいものばかりで王都に住んでいるとは思えないと…。なのに、私にはルビーの髪飾りまで贈ってくれて」
そう言ってアリス様は髪紐を取り出した。
「これ、もう少しで捨てられるところだったんですよ 〜」
あの髪紐は私が作って送ったものだ。
手紙では、大切につけていると言っていたのにあれも嘘だったの…。
「まぁ、貴女みたいな冴えない研究員では捨てられてもしょうがないかもしれませんね〜」
確かにアリス様と私では比べ物にならないかもしれない。
アリス様の美しい黒髪に私のボサボサな白髪。
赤い瞳とグレーの瞳。公爵家と伯爵家。
それに、アリス様は国一番の美姫と称されるほど美しい。すべてが負けている気がした。
「では、早くこれにサインしていただけますか?」
「ヴァンを連れてきてくれますか?
もう、愛がないとはいえまだ婚約者です。
最後のお別れぐらいさせてください。」
「何を図々しいことを…。シルヴァンは忙しいの!
それに、貴女みたいに地味な研究員は私のいうことを聞いてさっさと捨てられればいいのよ!!!」
「ですが、別れもなしにというのは少し酷ではありませんか?」
「呼んできてもいいけれどきっと来ないと思うわ。
北の地でシルヴァンを支えたのは私ですもの。
それに、指輪までもらったのよ。」
アリス様の薬指にはまっているそれはダイヤモンドとタンザナイトでできている豪華なものだった。
田舎生まれのヴァンが贈るにはかなりの努力が必要だろう。それをしたということはそれだけアリス様を愛しているということだ。
私の薬指にはまっている小粒のダイヤモンドとピンクダイヤモンドでできている指輪が惨めになる。
この時私の中でなにかがプツンと切れた。
ヤケクソになったということだ。
「いいですよ。もう愛していないというのなら婚約している意味もないですし」
私は、ペンを取り雑にサインをした。
「確かに。ありがとうございます。ステファニー様」
私は、なんだか腹が立って嫌味を言いたくなった。
「私は、お二人の幸せを願っておきますね」
「まぁ。いいのですか?ありがとうございます」
「ですが、ルビーには愛の疑いという石言葉があったのでお気をつけてくださいね。」
私は、そう言い残して部屋を出た。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この小説を楽しんでいただけたら嬉しいです。