二〇二四年十月十四日
先日、というかもう結構前に、『天下一悪役令嬢武闘大会』という作品を投稿しまして。あんまり読まれなくてしょんぼりしていたんですけども。その続編をね、投稿したわけですよ。読まれない作品の続編ってふつう書かないよね。でも思いついちゃったからさ。投稿する理由なんて、『思いついたから』それで充分でしょう? 曲尾仁庵に普通は通用しないんだぜ。
一作目が読まれなかったんだからその続編が読まれるわけもないと思って、評価に関しては全然期待していなかったんですけども、これが意外と読まれたの。意外。一週間でPVが2000を超えたっぽい。大したことないって? 私の作品、投稿一週間でPV100以下なんてザラよ?
主役は老婆。敵はおっさん。冒頭にちょっとだけ少女が出てくる。そんな作品でも読んでくれる人はいるんだねぇ。ありがたいことだ。
そんでね、読まれたことに気を良くしてさらに続編を書いたのよ。続編って言ってるけど時系列バラバラなんだけどね。三作目が一番過去。悪役令嬢誕生の物語。これを投稿することによって既存の二作品もさらに読まれてあわよくばランキング攻略の起爆剤に! と意気込んでみたら、見事にコケました。くっそう、やっぱ下心があるとダメか。簡単に見透かされるんだねぇ。恐るべきは読者の嗅覚か。
まあ、そういう私のヘドロのような内心はともかくとして、実際問題、三作中の二作目だけが読まれている理由が、私には分からんわけですよ。話の内容としては、むしろ一作目を読まないと二作目はピンとこない部分がいっぱいあるんじゃないかと思うんですけど。そういう細かいことはどうでもいいのか? 仮にそうだとして、じゃあいったい何が評価されているんでしょうか?
この三作品は、私が特に苦手としているアクションの描写の練習という側面もあるんだけど、二作目だけがアクション描写として優れているとは到底思えない。むしろ一作目のほうがアクション描写としてはちゃんと書いている気がする。まあ五十歩百歩で、三作品にそこまで大きな差はない。アクションとして物足りないという意味では同じだ。いや、賞味な話、アクション難しいんすよ。特に、やり取りが連続する描写が書けない。三作品のいずれかに目を通していただけると分かると思いますが、戦いのシーンでの技の応酬の回数が明らかに少ない。攻撃側が仕掛け、防御側が応じる、というやり取りを一つの単位とすると、私が書けるのは三単位くらいまでだ。特に、攻撃が当たった後の攻防が書けていない。崩れた体勢からの反撃とか、一撃を食らわせた後の相手の体勢が整わない状態での追撃とか、そういうのね。攻撃がヒットすると距離を取って仕切り直す、という描写になってしまって、迫力が足らない。試合じゃないんだから打撃にこだわらなくても、タックルとか投げ技を使ってもいいはずなのにね。その辺が私の描写力の限界だ。なにせ格闘技のかの字も知らずに生きてきましたものですからね。どういう状態になったら身体がどう動くのかが分からんの。
その辺がうまくなったらいいなぁと思うんだけど、じゃあそこがうまくなったらもっと評価される作品が書けるだろうか、というと、なんかそこあんまり関係ないかも、と思わないでもない。読者が求めているのはそこじゃない気がする。じゃあいいったい何なのさ。二作目にあって他の二作にないものって何なんだろう?
……老婆?
主人公が老婆だから?
時代は美少女ではなく老婆を求めているんですか?
願ったりだよ!
よっしゃ、方針は決まった!
カッコいい婆さんだらけのお話書いたるわい!
やーったるでぇーーーっ!!
ふとこんな言葉が降ってきた。
「どきっ☆老婆だらけの悪役令嬢大会」
次回作はこれで決まりだな。




