二〇二四年五月二十五日
いえ~い、宣伝回! 興味なければ即時撤退だ! 時間は有限だよ? 有意義に使わなきゃ。
そんなわけで私、この度新作を投稿しましたよ。短編ホラー。その名も素敵『庭付き一戸建て』。活動報告でも書いたからこっちに書くなよって思われるかもしれませんが、だって宣伝しないと読まれないから! 間違いなく読まれないから! こんなタイトルで呼んでくれる人相当レアだから! ありがとうございます!
二千字程度のお話だから、ちょこっと気が向いたときに見てみてもらえるとありがたいですなぁ。ホラーっつっても怖くないから大丈夫だよ。何が大丈夫って、私怖いの苦手だから。ホラー映画とか見ないから。だって怖いんだもん。だから怖いホラーって書けないのですよ。私が書けるホラーは、なんか嫌な感じになるようなものばかりだ。直接的に怖いのではなくて、『そうなりえた可能性』に気付くとぞわっとする。そういうものを目指しておりますよ。
いや、正直な話、最近なかなか書けなくて。『庭付き一戸建て』も三年くらい前から書こう書こうと思いながら書けずにいて、ようやく日の目を見たわけなんですけども。何と言いますかねぇ、文章が書けなくなってる感がねぇ。品質がねぇ、落ちてるんじゃないかという恐怖がねぇ。むしろそっちがホラーか? 曲尾仁庵は書くたびに下手になるという恐怖を追体験していただく的な? 誰が望むかそんなもん。
書きたいものはまだまだたくさんあるんだけどなぁ。『懐中時計』っていう作品をね、書きたいなぁと思ってるんですよ。ジャンルはヒューマンドラマ。中学生の少女と誘拐犯の七日間を描いたお話。
少女の懐には、もう時を刻まなくなった懐中時計がある。大好きだった祖母の形見。祖母が息を引き取ったその瞬間に、懐中時計は時を止めた。家にも学校にも居場所のない少女はある日、駅の椅子に座ったまま俯いていた。誰もが忙しく行き交い、少女の様子に気付く者はない。ただ一人、この春に社会人になったばかりの一人の青年を除いて。
「大丈夫? 具合が悪いの?」
青年は少女に声を掛ける。少女は顔を上げ、虚ろな瞳で青年を見つめた――
青年と少女の奇妙な共同生活が始まる。徐々に迫る警察の影。終わりを予感しながら目を背けたままの仮初の平穏はやがて崩壊を迎え、そして懐中時計は再び時を刻み始める。少女の七日間を代償として。
『大丈夫。あの七日間の記憶が、私を支えてくれる』
少女は青年に向かって、にっこりと微笑んだ――
どうですか? どうですかって言われても困りますか? 断片的な情報だけ出されてもって話ですね、ごもっとも。
まあ、ここで雑記に書いておくと変なプレッシャーになって何とか書けるかもしれない。これは私が読みたいお話だから、たぶんいつか書くと思います。私の寿命が尽きる前に書けるかどうかが問題だな。




