二〇二三年十一月二十五日
なんか急に寒くなったなぁ。最低気温が0度に近いとか? 隙間風が染みるぜ。心も懐も永久凍土の趣き。最高気温は高くて気温差にやられる。いい加減夏物と秋物を片付けないとなぁ。
こういうの書きたい、っていうのがいろいろあってね。実現しそうにないんだけどさ。この雑記は私のネタ帳的な意味合いもあるから、メモの代わりに書いてみるよ。もし『私が代わりに書いたるわ』って猛者がいたらダチョウ倶楽部並みの素早いリアクションで『どうぞどうぞ』って言うから一報ください。
『断片集』というタイトルで物語を書きたいと思っています。文字通り、物語の断片の集まり。何がしたいかというと、まず一つの物語を始まりから終わりまで書いて、それを適当な塊に分割し、時系列をバラバラに並べ替え、一部欠損させ、一部重複させ、一部表現を変えた別バージョンを作る。つまり、読者は小説を使ったパズルをさせられることになるわけだ。
イメージは考古学。発掘された石板に刻まれた物語。最初に発掘された断片が物語の始まりとは限らない。時代が違えば表現が変わっているかもしれない。ある部分で欠損していた文章が別の部分で判明するかもしれない。あるエピソードと他のエピソードの順番が、提示される断片が増えるたびに見直されるかもしれない。読者は物語を受動的に楽しむだけの存在ではなく、主体的に物語を構築する存在になる。「矛盾している」と読むのをやめるのではなく、「どう解釈すれば矛盾しないのか」を考えることを求められる。
……
読まれねぇな。誰がするんだそんな面倒なこと。でもねぇ、チャレンジしてみたいなぁと思うよね。読者が欠損を埋め、入れ替え、物語は無限に広がっていく。古の神話の様に。そんなことができたらって、妄想している。
もう一つがね、こっちはまだ現実味があるかな。ある英雄の物語、なんだけど、その英雄が主人公として登場しない、という形で描けないかな、と思っている。主人公はその英雄ではなく、例えばその英雄が通う料理店、その英雄の剣を作った鍛冶屋、偶然旅の途上で英雄に救われた旅人。英雄は彼らの物語の脇役として登場する。英雄に焦点を当てるのではなく、英雄の周辺を照らすことで英雄の輪郭を浮かび上がらせる。ある人物から見た英雄は、とても強そうに見えないぼんやりした青年かもしれない。別の人物から見たら鬼人のように恐ろしいかもしれない。そういう形で間接的に英雄を描きたい。
……
まわりくどいな。直接かけよって言われそう。でもねぇ、チャレンジしてみたいんだよねぇ。完全三人称よりもさらに離れた視点から特定の人物を描写する試み。これもね、徐々に浮かび上がってくる輪郭から英雄を読者が幻視する物語になる。読者はいやがおうにも物語に参画しなければならなくなる。
どっちにしろ、読者の主体的な意志がなければ成立しない話だよね。作者だけでは完結しえない物語。でも案外、そういうものが時代に耐える物語なのかも、とも思ったりはするんだけどね。私にそれが書けるか、というのは別問題だとしても。
ああ、時間が足らんわぁ。Fireしたいわぁ。
やはり、株しかないのか。




