二〇二三年八月六日
笑いが書けねぇ。これは由々しき事態ですよ? 私からギャグを取ったら嘘と冗談しか残らないじゃないか。しょうもない笑いこそがシュワルツランツェンレイターの本領よ? なんじゃそら、が最高の誉め言葉ですよ? それなのにこの体たらくは何なのさ?
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先日ね、白雪姫のパロディを投稿しわけですよ。パロディですから、白雪姫を基にしてんだか何なんだかわっかんねぇ感じでさくっと笑えるものにしようと思っていたんですよ。初期プロットは以下のとおりね。前回書いたけど、私はプロットなんて書かないから脳内プロットね。念のため。
一、お妃さまは毒リンゴで白雪姫の抹殺を図る
二、白雪姫はリンゴが嫌いで食べてくれない
三、お妃さまは意地になってリンゴを食べさせようとする
四、白雪姫全力で拒否
五、お妃さま、食べない白雪姫に業を煮やし「もう毒なんかいるかぁ!」って趣旨変わっとるがな
六、白雪姫、食わず嫌い発覚。リンゴを食べてみたら「おいしい!」
七、お妃さまガッツポーズ!
八、白雪姫、青森リンゴ大使に就任。記者会見でお妃さまへの感謝を語る
九、お妃さまの目に涙。その後ふたりは敏腕プロデューサーと気鋭のアイドルとしてリンゴの普及活動に勤しむのでした。めでたしめでたし。
明らかに笑いを狙ってるよね? これでシリアス路線ないよね? ところがどっこいですよ。なぜかね、書き始めたらおかしくなったんですよ。
お妃さまってなんでこんなに美しさにこだわってんのかな?
美しさに縋ってんのかな?
美しさ以外に自信がないのかな?
って思っちゃったんですよ。ギャグにお妃さまの内面なんていらないんですよ。傲慢でおバカなキャラでいいんですよ。白雪姫を謀殺する理由なんて「私より可愛いなんて許せないキーッ!!」でいいんですよ。
後添えっていう立場もつらいだろうなぁ。
義理の娘との関係も難しいだろうなぁ。
美しさを王に見初められたなら、そりゃ美しさを失うのは怖いわなぁ。
じゃねぇんですよ! そんなものはへのツッパリにもならんのですよ! それなのになぜか、お妃さまにフューチャーしてしまったんですよ。白雪姫フューチャリングお妃さまですよ! ノーフューチャーですよ!!
結果的にできあがったのが、『美しさを見初められた下級貴族の娘が王の後添えとなったが周囲からは前王妃と比較されて「美しいだけの人形」とかディスられ、美しく成長する前妻の娘を脅威に感じて暗殺しようとするも、用意した毒リンゴを「リンゴがダメなんです」という理由で拒否され、リンゴのすばらしさを分からせてやると品種改良に励んだら最終的に自分の居場所を見つけていた話』です。ほの暗いお妃さまの内面に時折初期プロットのギャグテイストが混じるジャンル違いのキメラが爆誕。八千八十六字。長いわ! 三千字くらいでサクッと笑えるものを書きたかったのにーーーっ!!
やっぱ、笑いは心に余裕がないと書けないわ。心が辛いと書けないわ。町内会の草取りがあると書けないわ。みんな、熱中症に気を付けようぜ! 草取りの時にマスクは不要だ! 呼吸が苦しくて死ぬかと思ったわ!
しょうもないもんが書きたーい。




