二〇二三年七月二十二日
どうやら私は『女性女性脳』らしい。
脳みその傾向を『男性男性脳』『男性女性脳』『女性男性脳』『女性女性脳』の四つに分けた場合、私は『女性女性脳』なのだそうだ。まじりっけなしの女性女性脳タイプの持ち主なんだってさ。わかったようなわからんような。
アレかな、純粋培養ってことかな? 水槽に満たされた培養液に浮かぶ脳みそだけの私。
「CCL濃度を15%に保った状態で純粋培養した結果、完璧な女性女性脳を作ることに成功しました」
的な?
「さあ、お行きなさい。無限に広がる電子の海がお前の遊び場」
みたいな?
「やめろ! それを解き放ってはいかん! 世界を滅ぼすつもりか!」
って感じ?
ネットに蓄積された膨大な情報を吸い込み、にあんは『成長』していく。曲尾仁庵は人類に福音をもたらす女神となるのか、世界を滅ぼす悪魔となるのか。
「にあんの審判は、人の営みの結果なのよ」
そんでね、どうやら私はいろんな特性を持ってるらしいよ。
へたれ、とかね。
奇妙、とかね。
オオカミ、とかね。
……
奇妙なへたれオオカミ?
人物像がまるで思い浮かばねぇ。
もっとなんかないんかい、って探したらね。あったよ。凄そうなのが。
御神木級。
そうか、ついに私は植物の域に達してしまったか。
泣かないで。
私は御神木になって、ずっとずっとこの村を見守り続けるから。
だから、悲しくないのよ。
そう言ってにあんは自ら人柱となり、生きながら御神木の根元に埋められてしまったということじゃ。それ以来、御神木は毎年春になると、それは見事な花を咲かせるようになったと、そう伝わっています。
基本、投げっぱなしジャーマン。