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雑記  作者: 曲尾 仁庵
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二〇二二年五月二十日

 SFが書きたい。書きたいが、私は壊滅的に科学が苦手だ。数学も苦手だ。ちなみに地理も歴史も苦手だ。あと語学も。あれ、得意なものが見当たらないよ? ……学食?

 そんな残念な私でも、科学用語には憧れるのである。なんちゃら現象がどうとか、ふんだら効果によってにょろろん境界面がにゃにゃん崩壊を引き起こし、とか言ってみたい。かっこいい科学用語をビシッと決めて凄そう感を演出したい。しかし無理だ。科学用語の意味を調べ始めると三秒で眠くなる。三秒調べて三十分寝ては効率が悪すぎる。だいたい三秒調べたくらいではさっぱり意味が理解できない。そして三秒調べた結果は三十分寝た後にはきれいに忘れている。

 でも書きたい。どうにかならぬものか。熟慮の結果、一つだけ私でもできそうな方法を思いついた。本日はそれをここで発表したいと思う。その方策とは――


 科学用語を全て誤用して書く。


 言葉だけ借りて、意味は無視する。正しい意味には決して使わない。全て誤用を貫く。それなら書ける気がする。むしろ得意分野な気がする。どういうことかピンとこない方のために幾つか例を挙げよう。


 ――地中海、ランゲルハンス島。


とか。


「ロボの動力はファンデルワールス力です」


とか。


「コリオリは、いわば負のファンデルワールス力。両者が接触すれば対消滅を起こし、世界が、終わる」

「なんだって!?」


とか、そんなん。


「兵装は両腕に一門ずつ、計二門のH2Aロケットランチャーです」


とか。


「ミノフスキー粒子で室内のウィルスを99%除菌!」


とか。


「ファンデルワールス炉を暴走させ臨界状態にすることで、ロボの拳は敵のニュートンアップルを穿つ力を得る。理論上はね。もしそれができれば、あとは右ネジの法則に従って傷は自然に広がり、やがて崩壊する。ニュートンアップルさえ破壊すれば、通常兵器での攻撃が可能になるはずよ」


とかとか。ロボって呼称が昭和四十年代ですけどもねぇ。

 雰囲気エセエフ。できれば中学までに習う科学用語で統一したいところ。ひとつふたつの誤用なら怒られそうだが、最初から最後まで一貫して誤用なら、きっと怒られることもあるまい。たぶん。そうであってくれ。


 どう?

どう? って言われても。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大丈夫です。 あらすじに ※設定はユルいです と書いておけばいいのです! だって!フィクション!!だもの!!!!
[一言] SFの雰囲気に憧れるのめっちゃわかります! そしてなんかわからんけど雰囲気作りばっちりですね!(私も理数超苦手です) もういっそのこと、誤用ではなく新造語では? 『この世界ではこう言うんです…
[一言] 科学用誤のエセエフ、ええと思いますやで。 SF警察対策は必須やとも思いまつがw
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