二〇二二年五月十八日
本当にあった怖い話。
ある夏の日の事。その日は朝から湿度が高く、曇り空なのにじっとりと汗をかくような暑さがまとわりついてきて、ひどく息苦しかったことを憶えている。ああ、何だか嫌だな、気持ち悪いな、と思いながら、しかしやらなければならないことをやらなければならないことに変わりはない。
今日は燃えるゴミの日。家中のゴミ箱の中身をまとめ、倉庫に置いていたゴミ袋に入れて、ゴミ置き場まで運ばねばならない。倉庫のゴミ袋には昨日までの生ゴミがすでに入っている。生ゴミを捨てるという行為に格別の喜びを見出すことができない私は、暑さと息苦しさも手伝って、憂鬱なため息をついた。
家の中のゴミをかき集めてまとめ、勝手口から外に出る。生温い風が肌を撫でた。軽くめまいがする。やだなー、気持ち悪いなやだなー、と、背筋を這うような怖気を感じながら倉庫の扉を開ける。ポリバケツのフタを持ち上げ、ゴミをゴミ袋に入れる。ゴミ袋の口を結び、ポリバケツから取り出す。ゴミ袋の底を手で支え――
――ぐに
「ひゃっ!?」
思いもよらない感触に思わず声が出る。ぶよっとした、ぬらっとした、冷たい――おそるおそるゴミ袋の底に目を遣ると、そこには、
まるまると太ったナメクジ
が
二匹。
……
イィヤァァァーーーーー!!!