二〇二二年八月十五日
公式企画、夏のホラーの締め切りがあと十日に迫っていますね。せっかくのお祭りなので、参加したいなぁと思いつつ、全然書けない。ホラーって苦手なんですよね。だって怖いんだもの。
――放送終了後のAMラジオからは、死者の声が聞こえる。
そんな書き出しでね、書こうと思ってるんだけど。
クル、シイ
カナ、シイ
そんな声がラジオから聞こえてくるんだけど。ノイズに紛れて。少女の声で。
クル、シイ
カナ、シイ
ただそれだけを繰り返している。
クル、シイ
カナ、シイ
私がラジオに耳を傾けるのは、聞きたい声があるからで、
クル、シイ
カナ、シイ
聞こえてくるのはいつも、私が聞きたい声とは違うものばかりだ。
クル、シイ
カナ、シイ
死者たちはいつも、私のことなど構いもせず、
クル、シイ
カナ、シイ
自分のことだけを話している。
クル、シイ
カナ、シイ
やめてくれ。私には何もできない。私はあなたが誰なのかも知らないのだ。
クル、シイ
カナ、シイ
「私に何をしろって言うんだ!」
私は目を閉じ、両手で頭を抱えて叫んだ。あなたを救うつもりはない! そんな力は私には無いんだ! 私は、ただ――
アナタモ
クルシイ?
ラジオからのその言葉を聞いた、次の瞬間――私は、彼女と繋がった。
怖い? 怖くないよねぇ。怖くないんだ、ぜんぜん。これから怖くなる予定もない。むしろこれで精いっぱいだよ。こっから先はむしろヒューマンドラマだわ。泣かせに掛かるわ、むしろ。
まあ、でも、書いてみるか。ジャンル違いって言われたら全力で謝るか。今から書いて間に合うかどうかも怪しいけど、間に合わなければ間に合わないでいいか。別に企画のために書いてるんじゃないし。いや、これは企画のために書いているのか? まあ、どっちでもいいや。企画が終わってから投稿したって怒られはすまい。タグ付けなきゃ普通の投稿だもんね。
曲尾仁庵は今日も適当。




