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雑記  作者: 曲尾 仁庵
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二〇二二年五月十五日

役に立つような話は何一つありませんよ。

 近所(車で十五分かかる場所を近所と呼ぶかどうかは地域差があるかもしれないが)のスーパーの二階には、衣料品や雑貨を扱うディスカウント店があって、季節の変わり目なんかに利用している。今日も我が家のじいのパンツを買いにそこに行ったわけなんだけども、大量の紳士用ブリーフがぶら下がる店舗の一角に、ひときわ目立つ文字を発見した。筋肉質の青年がブリーフいっちょで背中を向けている写真と共に、ひとこと。


 妙技。


 ……


 妙技て。

 妙なる技て。


 いったい紳士用ブリーフに何の因果でそんな宣伝文句を付けたのか。まったく意味が分からない。インパクトは強いけども。なんだろう、仙人のような風貌の老師が口伝のみで代々語り継がれる技で織り上げたのだろうか。明らかに量産品に見えるが、それは私の目が節穴なだけなのだろうか。


 ……


 ぬがぁぁぁーーーーっ!!

 ぜんっぜん興味も関心もないのに、頭から離れねぇーーーっっ!!!

 思考が削られるぅーーーっ!!

 何なんだ妙技って!!

 絶対機械織だろ!

 あれか、

 ワンオブサウザンド的な?

 でもそれが

 ディスカウントされとる時点でおかしいやろがぁーーーっ!!


 解決できない想いを抱えて売り場を歩くと、ふとポップが目に留まる。店員さんの手書きらしき素朴なポップ。そこには少し丸っこい文字で、ひとこと。


 猫Tシャツ、集めました。


 なんですとっ、ってなるよね。

 ぶらさがっているTシャツにさりげなく目を遣る。

 そこには様々な猫が戯れておりましたさ。

 デフォルメされた猫も、澄ました顔の猫も、シルエットだけの猫も、いらっしゃいましたわ。

 癒されるわぁ。

 吟味するフリをして。

 買わんかったけども。

 そして気が付けば、私の脳は『妙技』から解放されていましたとさ。


 猫、最強。

今日はそんな日だった、という、それだけのお話。

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