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嵐を呼ぶ転校生 なんかまずいかも

増えていく仕事、比例して遅くなる帰宅時間。

あいつらが来なくなってどれくらい経ったっけ?


許可取って重要じゃない書類を持ち帰るようになってからは睡眠時間も減少し、このところまともに寝ていない気がする。

食欲も落ちている。

疲れは加算されていた。


ヤバイ、まじでヤバイ。


部活関係は、運動系は運動部統括が、文化系は文化部統括がまとめている。

風紀関係も報告書が提出されている。

それらを精査し、不備がないか確認後に決済し、必要に応じて担当の指導員や先生方と連携して外部と連絡を取るのが生徒会の仕事だ。

その決済書類も連絡も半端ない量なのだが、何とか期日までには終わらせていた。


駄菓子菓子…もとい、だがしかし。


ここに来てトラブル多発の報告書が大量に風紀からもたらされた。


いや、トラブルの殆どが風紀管轄だから直接は関係ないのだが、いかんせん、その当事者がとんずらしている役員と転校生なんだよ。


「ったく、何やってんだ」


授業をサボる、空き教室の占拠、図書室や食堂で騒ぐなどなど。

中でも多いのが他の生徒とのトラブル。

転校生に色目を使ったと言ってお取り巻きと化したあいつらが難癖つけたり、あいつらの親衛隊が転校生を制裁しようと呼び出したり、その転校生が親衛隊を返り討ちにしたり、親衛隊とその主たるあいつらが揉めたり…


風紀委員長の深山悠貴(みやまゆうき)の無駄に端正で整いすぎた男前なしかめっ面が目に浮かぶ。


「頭痛ぇ」


休めない環境とストレスと寝不足で頭痛が慢性化してきた。

後で保健室に寄って鎮痛剤もらってこなきゃ、とぼんやり思う。

予鈴が聞こえた。


「あ、昼休み終わる…授業…」


仕事が詰まっていても授業を休むわけにはいかない。

怠さで鈍る体をなんとか動かし立ち上がるが、急に動いたのがダメだったのか、スゥッと血が下がるのを感じ視界が暗くなる。


まずい、倒れる。


気だけは慌てて机に捕まろうとするがうまくいかない。

周りの空気がねっとりとまとわりつくように感じる。

書類やら何やらを巻き込みつつ体が傾いでいく。



その後は、知らない。



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