表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/40

嵐を呼ぶ転校生 一人ぼっちの部屋

翌日、5人は生徒会室に来なかった。


さらに翌日も来なかった。


さらにさらに翌日も、さらにさらにさらに…以下略。


連絡を取ろうにもなぜか着拒。

手を付けられていない書類だけが増えていく。


いや、俺もそのまま放置していたわけじゃない。

SNSのグループで呼び出したり、電話したり、教室まで行ってもみた。


その度に、SNSからは蹴り出され、電話は着拒、教室からは姿を消された。


俺、あいつらに避けられるようなことしでかしたか?


考えてみても思い当たらない。


好かれているとは思ってはいなかったが、嫌われているとも思っていなかった。


いきなりのこの仕打ちは正直青天の霹靂。


原因は転校生なのだろうか。

しかし、面識もない転校生に嫌われる要因がわからない。

そして、考えていても埒が明かない。

とりあえず溜まり始めた書類を片付けねば。


ため息を一つ吐くとまずは書類の整理から始める。

種類別に、提出期限毎に。

何かに集中していないと感情が、心が、ぐちゃぐちゃになりそうだ。


紙の書類の整理が終わると次は各所から送られてくるメール添付の書類だ。

数年前から書式を統一してきたため一人でも何とか処理できる。

PC導入を強行した諸先輩方々ありがとう。


ざっと目を通し、急ぎの仕事から片付けて行く。

今日も帰りが遅くなりそうだ。

一応連絡はしておいたが、泊まりにならないように気をつけないと。


黙々と、ただ黙々と仕事をする。

まるで話に聞く社畜という存在になった気分だ。

今日も昨日も一昨日も、帰宅時間は星が煌めく時間。

レンチンして一人で食べる夕飯の味気ないことよ。


「顧問に相談した方がいいのかもしれない」


でも…


「相談しずれぇんだよなぁ」


選ばれて戸惑っていた俺に、先生は、


「お前なら、みんなをまとめる事ができる」


そう言ってくれたから。


「期待に応えようとがんばってきたんだけどな…」


何でこんなことになったんだろう。






暗闇の林の小道。


澱んだモノが纏わり付く。


だんだん増えてきているのを感じる。


一歩一歩地面を踏みしめて。


限界はまだ来ないから大丈夫。


明日もきっとひとりだけど。


やれるだけ、頑張ってみよう。


言い聞かせるように頷いて、俺は踵を返した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ