変わっていく関係 改善される日常
親衛隊が手伝ってくれるようになり、うまく回るようになった。
いや、以前より効率良く回っているかもしれない。
親衛隊が有能すぎる。
そして、
「あぁ、これは運動部総括へ差し戻しですね。不注意で壊した備品は各部で補填するのが決まりです。こちらの見積もりは文化部総括へ。後、寮の食堂に昼食のデリバリーを8人分注文しておきましたので、二人ほど12時半に生徒玄関へ受け取りに行ってくださいますか?…はい、そちらのお二人でお願いします。それから、朱鷺さん。あなたはまだ本調子ではないのですから昼休憩は長めにお取りくださいね」
大島ができる男すぎる。
書類を手にテキパキと采配する姿がまじイケメン。
なにこれ素敵、結婚して。
「えっ?!」
「朱鷺様が大島様に求婚?!」
「おおおおお似合いかもしれないっ!」
やば、声に出ていたらしい。
「ふふふ、朱鷺さんが望まれるなら吝かではありませんね」
「やめろ、冗談だ」
「わかってますよ」
そう言って笑いながら近づくと、さりげない仕草で俺の額に手を当てる。
「少し体温が高いでしょうか?早めに休憩しましょう。どなたかお茶を入れていただけますか?」
もうこの検温にも慣れてしまった。
「大島様に朱鷺様の体調管理をしていただけているので僕たちも安心です」
「朱鷺様に任せていたら、またまた、倒れてしまわれますからね」
「いきなり座り込まれた時はどうなることかと思いました」
「どうしていいかわからずオロオロするばかりで」
「大島様がいらっしゃらなかったら、と思うだけで震えがきます」
「怖かった…」
一昨日、また熱を出したことをこいつらはまだ気にしているのか。
「あなたの“まだできる”は信用できませんから」
大島、そのとても綺麗な笑顔がすばらしく怖いです。
「お茶が入りました。もうすぐ昼餉ですから茶菓子は無しでよろしいですよね?」
飛梅が人数分のお茶を入れて給湯室から出てきた。
「さぁ皆さん、一服しましょう」
大島のその声に皆がそれぞれソファの置いてある一角へ移動する。
「日曜日に学校へ来るのは初めてだけど、なんだかドキドキするね」
「校舎内が静かだから、なんだか特別感があるよね」
「夜だったらちょっと怖いかも」
「みんな、せっかくの休みにすまないな」
「朱鷺さん、そこは“すまない”じゃなくて…」
「あぁ、“ありがとう”助かってる」
「そのはにかんだ顔…」
「はぅぅぅぅっ」
「尊い…」
蘭竹梅トリオはブレないな。