変わっていく関係 有能!
「はい!撫で撫でタイムは終了!楡崎さん、そろそろ本題に移りましょう」
若干、大島の笑顔が怖く見えるのは気のせいだ…と思いたい。
「今日、皆さんに集まっていただいたのはお願いしたいことがあるからです」
大島の言葉に隊員たちは居住まいを正す。
「俺の現状はみんなも薄々わかっているとは思う」
俺は主観を省き、俺の置かれている状況を話した。
「顧問の許可は貰った。何人かでローテーションを組んで生徒会業務の手伝いをして欲しい」
そう言った瞬間、
『はいっ!』
シュパッと半数の手が上がった。
「やる気があるようで結構ですね」
大島がニッコリと笑う。
「人員は皆さんで決めてください。業務は明日の放課後からで構いません。楡崎会長の補佐として風紀から私が出向します。皆さんは私の指示に従っていただく形となります。重要書類もありますので、その点に留意して選んでください。そうですね、1チーム5人として、時間、もしくは日替わりでお願いします。業務時間は放課後の2時間。場合によっては昼休みにも来ていただくかもしれません。部活動等がある方はそちらを優先してください。これは楡崎会長の意向です」
隊員たちはワイワイと相談しはじめた。
「私たちは仕事がありますのでここで失礼しますね。勤務表も作成し、明日の放課後、生徒会室に来てください」
そう言うと、大島は俺を促した。
「そうそう、差し入れ持参、大歓迎です。親衛隊なら周知だとは思いますが、会長は甘党で日本茶が好きです。ちなみに菓子は和洋どちらもお好きですが、パサパサした粒餡とバタークリームは苦手のようですよ」
そう言ってドアを閉めた瞬間
『えーっ!それ知らない情報!』
ドアの向こうが騒然とした。
「粒餡とバタークリーム、差し入れしてくれた奴に悪いから黙ってたんだが」
「どうせなら好きなもの食べたいでしょう?」
「まぁそうだが……で、その情報、どこで知った?」
「ふふふ…、内緒です」
婉然と笑う大島さん、まじで怖いです。