表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/40

嵐を呼ぶ転校生 嵐の中の学園

入院することになりました。


とりあえず一週間。


診断は過労。

かかりつけ医の先生にこっ酷く叱られました。

ゲンコツまじりで。



それにしても…


目の前にいるこいつは誰だ?


「お前は一体何を考えて行動しているんだ」


いやそれは俺がお前に対して思うこと。


「それ、ブーメラン。お前こそ、何を考えてここに来ているんだ?」


眉間に深いクレバスを作った深山風紀委員長様がどうして俺の病室にいるのかがわからない。


「俺がお前を見つけて保健室に運んだからだ」


無駄に偉そうに腕組みをして睥睨してきた。

すっげームカつく。

そんな深山の後ろで副委員長の大島が、


「いや、見つけたのは私です」


と呟くのが聞こえた。

こいつはそれを一瞥するだけでスルー。


「で、このざまはいったい何なんだ」


やっぱりムカつく。



話すまで帰らないと言い張るから仕方なく、本当に仕方なく、状況を説明した。


「お前は馬鹿か」


第一声がそれかよまじムカつく。


「いいか、耳の穴かっぽじってよく聞け。生徒会室に篭っていてそっから出るのは授業だけのお前に今の学園の状況を詳しく事細かく念入りに懇切丁寧に微に入り細に入り重箱の隅を突くが如く教えてやる」

「あぁもう、委員長、楡崎さんが安静中だということを忘れないでください。そもそも私たちは無理を言ってここにいるのですから」

「チッ、…掻い摘んで話してやる」


深山は話してくれた。

大島に捕捉を入れられながらだけど。





転校生、桜庭桃矢は来校早々にまずは副会長の霞を、


「無理して笑わなくてもいいんだよ。自分を飾らないで自然に生きようよ。嫌いなものは嫌いってはっきり言ったほうが心が軽くなるよ。大丈夫、俺が側にいてあげる」


とか何とか言って攻略。


次に食堂で染井の双子を、


「どっちがどっちだなんてそんなの関係ないでしょ?蒼太と碧、ひとりとひとり、1+1は2だけど、それが1でもいいと思うんだ」


などと訳のわからない理論?で攻略。


書記の吉野は最初っから好感度が高かったので置いといて、会計の丁子を、


「愛しても恋してもいない人と一緒にいても心の寂しさは埋まらないよ。人と人は鏡と同じ、こっちが好きならあっちも好き、こっちが嫌いならあっちも嫌い、じゃぁ今の俊輔の相手は?俺は俊輔が好きだよ。だから俊輔も俺が好きでしょ?」


洗脳か?洗脳なのか?!


そして、こいつ、風紀委員長の深山は、


「俺はあの時からモモを守るべき大切な人だと思っている。あいつを傷つけるもの全てから俺はあいつを守る」


初恋を拗らせているようにしか思えない。


で、だ。


この学園の人気ランキング上位陣を攻略した桜庭桃矢を不快に思う者たちが動いた。


親衛隊だ。


風紀委員に加入している者を除くランキング上位陣には親衛隊と名打つファンクラブがある。

まぁ、トップの俺にもあるんだが。


そのファンクラブが動いた。


上位陣を侍らす桜庭に抗議をしたんだ。


その時に桜庭は親衛隊をおかしい、変だと否定した。

そして、何故だか俺の親衛隊を指し、


「この人たちは特におかしい、すごく気持ち悪い。もしかすると悪いモノがついているからかもしれない。そいつはきっと マガイモノ だ」


そう言った。


それを聞いた霞が生徒のデータベースから俺が庶民であることを調べ上げて生徒会長の楡崎朱鷺は紛い物だと反旗を翻した。


それが公となり、他の生徒の中にもあの噂、親衛隊員を取っ替え引っ替え弄び、生徒会室で不純な行為をしている、毎日複数の隊員を自室に連れ込んでいるなどという噂を信じて不信感を持つ者が現れ、俺を支持する者と対立している。


そんな状況で今、学園は荒れに荒れているというわけだ。




マガイモノ、ここでそれを聞くとは思わなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ