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道の上のヒカリ

12月の日がすんと落ちた夜、コンビニからさっさと帰っていると、ふと、前から走ってくる車の光に僕は見とれていた。


それは明るかったからなのか、眩しかったからなのか、しかし、通りすぎる光に見とれていたのは間違いなかった。

あの時もそうだった。学校に行くことが退屈で億劫で、駅のベンチで寝そべりながらASIAN-CUNG-FU-GENERATIONを聴いていた。それは明るかったからなのか、眩しかったからなのか、退屈な時間をぼんやりさせてくれた。

あの時もそうだった。体が動けなく寝たきりの時、布団にくるまってArtschoolの曲を聴きながら口ずさんでいた。それは、明るかったからなのか、眩しかったからなのか、体のしんどさのやり場のない心を温かくしてくれた。

あの時もそうだった。新人の僕が出来ない仕事を一緒になって手伝ってくれたカンタにただ、唖然と見とれていた。それは、昔の木村拓哉のようなロン毛と、小麦色に焼けた肌のギャル男のファッションに対しての僕の心の偏見からくるかけ離れた行動だったからだろうか。当時は気付いてはいなかったが、しかし、助けてくれている姿になんとなく明るさに眩しさを感じ救われた心になって見とれていたのは事実だった。

人は暗がりの中に灯りが見えれば、つい、見とれるのかな。

人は夜に輝く月に気付けば、ただ、ぼんやりと眺めるのかな。

人は悩みの中、神と出会えば、しんしんと手を合わせ祈るのかな。


いつものように朝、嫌々と眠気に覆われた体をのろのろと起こし、そそくさと家を出ると、そこにあった、青くしんしんと広がった空と太陽のしゃきしゃきとした眩しさに、僕は頭を傾け目を細めながら静かに見とれていた。

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