第一章 4話 【チートと恐怖】
とりあえず、4話投稿完了。
多くの皆様に見てもらえるよう努力してまいります。
意見・コメントなどお待ちしております。
「寿命が縮む?」
「そうよ…使う分だけ縮むのよ。正確には早く寿命を終えてしまうということ。」
何となく意味は理解したが、要は魔力が無いときに使わなければいいだけかなとその時は思っていた。しかし、この考えが甘いということは今の俺には知るよしもなかった。
リエラの説明書を大体聞いた頃、俺とリエラは町に向かうことにした。何にしても、お金がなければ旅行など出来ない話だからだ。
「そういえば!」
「ん?」
「リエラは何歳なんだ?」
「え!?」
女の子に年齢を聞くのはタブーだということは百も承知だか、いかんせん気になって仕方がない。年下というのは分かっているが正確な歳は知らないわけだし。
「14…」
「そっちの世界でいう思春期真っ只中よ…」
「あ…そ、そうか…」
聞いた本人が動揺してどうする!?ってかこれじゃ拓也と一緒じゃないか!?いや!この世界ではそんな法は存在しない…だから拓也なんかと一緒ではない!と、ぶつぶつ言いながら歩いていると…
「あ、果実!魔物がきたわよ!」
と、リエラが俺に伝えてくれた。
「あぁ…スライムね…まぁ初級なモンスターだわな。」
「スライムを舐めてはいけませんよ!初級と言われてはいますが、駆け出しにはキツイとも言われる強敵ですよ!」
「そうだな。」
いくら能力があるとはいえ、あまり油断はしない方がいいかもな。とりあえずどんな感じの能力なのかも調べたいし…
「実験台になってもらうぜ!」
「時間停止」
「キュッ!?」
すると、視界が黒に染まりスライムは動かなくなった!
「おお!やったこれが時間停止か!」
と、喜んでいると横からリエラが…
「この馬鹿!?」
「ゴン!」
「いって!」
「何すんだよ!?」
「馬鹿じゃないの!?何でいきなり詠唱破棄するのよ!ちゃんと時間停止の詠唱教えたじゃない!」
そう。先程の能力説明書の時に詠唱も習ったのだ。しかし、めんどくさくて忘れてしまっていたのだ…
「す、すまない。。」
「あのね。詠唱を唱えない分早く使えるけど、威力も時間も落ちるのよ。しかも魔力量もたくさん持ってかれるの!…ってあれ?果実平気なの?」
「え、うん。何もなにいけど…」
「そんな…おかしいわ。時間停止の詠唱破棄は英雄クラスでもかなり持っていかれるのに………この男の魔力量…まさか。。。」
「とりあえず、詠唱破棄はあんまりしちゃダメよ!」
「わ、わかりました…」
よし!素直に謝ってるし、そろそろ私の力でスライムもーやそ♪と、魔法を発動しようとしたその時。。。
「パリン!」
「え!?」
「え!?」
いきなり停止の世界が壊れた。
「ちょっと、果実!停止を解いたの!?」
「俺は何もしてないよ!?」
果実は嘘をついてるわけではなさそう。でも一体誰が…
実はリエラは異変に気づいた時から、範囲魔法で辺りを捜索していたが何も引っ掛かっていなかったらしい。リエラの範囲魔法は10㎞は余裕なのに引っ掛かからない。これほどおかしい事はない。
リエラは少しだけ警戒レベルを上げた。
「とりあえず、町についたわね!」
ここは田舎町【アップルーテ】という名前らしい…俺に関係ありそうな町で少しだけ笑みが出た。そんな顔を見た門番が「兄ちゃん、田舎ほど怖いもんはないべ!」と如何にも田舎らしい言い方で、また笑みが出た。
すると、そこで人とぶつかってしまった。
「ドンッ!」
「ガサッ!」
「あ、すみません!すみません!」
俺が謝るとその男性は。
「こちらこそ、すみません!町の名前と、町の食材が美味でして…ボーッとしてまして!」
と、ペコリペコリと謝っている。
「ほんと、すみません!この世界に来たばかり…」
「ゴン!」
「いって!?」
「ごめんなさい、こいつほんと馬鹿なやつなのよ~…」
「馬鹿!異世界人って教えてどうするのよ!?」
「あ。。。ごめん。あ、ありがと。」
「分かればいいのよ!」
フンッと胸を張りながら言い放ったリエラは、少しだけ可愛かった。
ある森の中。。。
「ふふふ。あれが異世界人。何とまぁ膨大な魔力…【アップルーテ】なんか目じゃないぐらい…喰いがいがあるなぁ…ペロン♪
決めた!七つの大罪、我は【暴食】なり、八つ目の肉体を喰らう為に、異世界人のあの男………
イ・タ・ダ・キ・マ・ス!」