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旋律の無い歌  作者: 唱伽なみ
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雨音遊び

音がはねる


ぽおん ぽおん ぽろろん


雨の滴が水溜まりに落ちるように


ぽおん ぽん ぽおん ぽろん


雨宿りしたカエルが紫陽花の中で見てる


音符が(くう)を舞うように 流れるメロディ


雨露(あまつゆ)が紫陽花の葉を滑り 葉を揺らす


ぽん ぽろろろん


滑り落ちた水滴を追いかけるように いくつかの雨露が流れ落ちる


音のおたまじゃくしが雨の中をゆっくりと泳ぐ


ぽおん ちゃん ちゃちゃん ぽん


レインコートの子供が長靴で水溜まりをはねる


雨音のコンサートを全身で楽しむ その顔は満面の笑みをうかべ 水溜まりをはねる


青い紫陽花の葉の上にカタツムリ


赤い紫陽花の根本にカエル


梅雨のコンサートは満員御礼(まんいんおんれい)


優しく響く音の中


太陽の光が雲の切れ間から差し込むスポットライト


ぽおん ぽろん ちゃちゃん


いつまでも響く梅雨のコンサート


梅雨が開けたら 暑い夏がくる


そしたら雨のコンサートは来年までお休みだから


今は優しく響け


ぽおん ぽおん ぽろろん

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