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旋律の無い歌  作者: 唱伽なみ
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虫の知らせ

髪を洗う。

目を瞑り、洗い流す。

何故か君を思い出した。

浮かんでは消え、浮かんでは消え…

君の笑顔。

君の声。

君の少し拗ねて、そっぽむく横顔。

君に会いたくなったよ。

会えるわけないのに…


ああしたらよかった。

こうしたらよかった。

今さらなのに。

ずいぶん昔のことなのに。

いまでも胸が苦しいのは、君との終わりに後悔してるから。


君との未来はあったはずなのに、離れてしまった今。

どうしようもないことだけど。

変えられない過去だけど。

もう一度、君に思いを伝えられたら…

君との日々は戻って来ないかも知れないけど…

少しは、すっきりするのかな…


風呂からあがる。

髪を拭く。

君の連絡先…まだ消せてないから。

ベッドに腰をかけ、スマホを見る。

君の画面を呼び出すと、当時のままの写真のアイコン。

懐かしさと、迷い。

電話をしようか、メッセージを送ろうか…

取ってくれるだろうか、返信してくれるだろうか…


発信音…呼び出し音…三回鳴らして切ってしまった。

スマホをサイドテーブルに置く。

怖くなった。

何を話せばいいのか…

今さら…

君に新しい人がいるかもしれないのに。


誰かの声を聞いた気がして、目を覚ます。

午前1時。

着信音。

少し寝ぼけて、スマホを見る。

驚く。

慌てて通話にする。

━━遅くなってごめん。寝てた?

懐かしい君の声。

━━着信あったから……どうしたの?

変わらない君の声。

━━久しぶりだね。元気にしてた?

当たり障りのない会話。

こんな会話で泣きそうになってる。


君に会いたくなったよ。

声を聞けば、会いたい気持ちがとめられない。

「会いたい…」

思わずこぼれ落ちた言葉。

驚く君の声。

「君に伝えたいことが、まだあったんだ」

何も言わない君。

心臓がバクバクしてる。

君に伝えたいんだ。

まだ君を、大好きだってこと。


朝起きてこれが夢だったら…

今度は出るまで電話かけるよ。

やっぱり伝えたいんだ。

この気持ちを。

経験談ではありませぬ。

あしからずw


彼女はOKしたのか、思いは伝えられたのか、

夢オチなのかwはご想像にお任せしますw


ハッピーエンドがいい人は、彼女が電話をかけ直したことに注目して下さいw


アンハッピーエンドがいい人は、彼女が会いたいと言われて直ぐに答えなかったことに注目して下さいw


夢オチwがいい人はそのまま夢オチだとお思い下さいw


さて。あなたはどれがいいですか?

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