38 裏側と表側
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「なるほどな。アヴァンツァーレ家に何かあれば、一番得するのがアゴスティ家なのか」
「そうなります。直系は私以外いませんから」
「傍系で一番血が近いのがアゴスティ家だからな。万が一アヴァンツァーレ家の直系が絶えた時、最も後継者と見なされるのが蟻騒動でも名前のあがったあの男だ」
書類を見ながら顔を顰めて言ったロベルトに、スンスン鼻を鳴らしながらジルベルトと俺が答える。
港街、アヴァンツァーレ領主邸、執務室。
執事のモナとロベルトの嫁筆頭(予定)シンクレアを加えた五名だと、周りを書類と本に囲まれたこの部屋は手狭に感じる。
とはいえ、ここが一番密談に適するよう魔改造しておいた場所なので、俺達は真剣な顔で会話を続けた。
「先代が亡くなられた時に書類を操作して別荘や土地を奪っていったのも、アゴスティ家でございます。……まぁ、他の傍系筋も必要経費だと言って旦那様の財産を好き勝手しましたが……っ」
「モ、モナさん落ち着けっ。血圧あがっちまうぞ……!」
「モナ。年なんだから興奮すると体に悪いよ」
「モナよ。お迎えが来たら困るから、気を落ち着かせてくれ。俺が連中を叩きのめしてやるから」
「……ジルベルト様とレディオン様、ちょっと発言に遠慮なさいませ?」
やだ。クレアさんに窘められた。
スンスン。
「モナの為にも、早く連中を片づけねばならんな。とりあえず、うちの連中をつかって資料を揃えさせたので、不当に奪われたものに関しては取り戻しにかかるぞ」
「できるのですか?」
スン。
「出来るとも。そこにいるシンクレアは人間の法に詳しくてな。連中は権力を使って法を有耶無耶にさせたようだが、書類が偽装された形跡も見つけたし、手続きをすればジルベルトの元に取り戻せる。国王に確認をとったから、余程のことが無い限りきちんと処理してくれる人員を回してくれるだろう」
「こ……国王陛下に……!?」
「うむ」
モナ達がビックリしているが、別にそう驚くこともあるまい。
なにしろ、向こうから部屋に呼んでくれたのだ。めんどくさそうな側近とかもいなかったし、これ幸いとアレコレ話したものだ。途中でうちのお菓子をあげたり向こうのお菓子をもらったりで、半ばティーパーティー状態だったが気にすまい。国王お薦めスィーツではチーズケーキが一番好きよ。お返しにあげた『聖霊の果実』で、ちょっと不健康そうな体の調子を治してね!
それにしても、人間の王にもなかなかものの分かる男がいたものである。
何故かロベルトには唖然とされたし、ポムは始終半笑いだったけどな。
スンスンスン。
「……言っとくけどよ、レディオン。ふつー、『国王』と私的なティーパーティーとか、公爵クラスじゃなきゃしないからな?」
次期魔王でも駄目なの?
「まぁ、第一王子さんや宰相さんも一緒に話にのってくれたし、アヴァンツァーレ家はもう大丈夫だろうな。……考えたら、レディオンを味方につけた時点で無敵なんだよな」
「過大評価もいいところだな。俺が出来るのは破壊活動と金儲けだけだ。今回は運が良かったのだろう」
「ウソツケ」
やだ。なんかすごく冷たい目をされた。
別に嘘ではないぞ?
今回の国王との会話では、まず先に正妃のアレソレがあったから、宰相も国王もこちらのペースを許してくれたのだ。あれが無ければ、当たり障りのない会話だけで終わった可能性とてある。
最大の汚点ともいえるものを知ってしまったせいで、本来あるべき垣根が半ば崩れてしまったのだ。初日の後半など、ほぼ国王の愚痴の聞き役になってたのだから、もはや垣根など無いも同然だろう。
……まぁ、あの国王も色々溜まっていたのだろうな……翌日に話し足りないからって再度呼ばれたぐらいだから相当なものだ。性格改善薬とか作れないかと懇願されたのは生まれて初めてだぞ。
……あれ。なにか俺、国王の相談役になってないか……?
スンスン。
「まぁ、俺が思っていた『国王』という枠組みに入らない、わりと友好的な国王だったぞ。リベリオも商会の伝手を使って不当に持ち出された家財に対する賠償とか、連中に負わせる罪状やら金額やらをリストアップしてくれるそうだ。……もっとも、アヴァンツァーレ家の名で作ってしまった借金については、どうにもならないものがいくつかあるようだが」
「それは……なんと言っていいか……そこまでしてくださって、ありがとうございます。……それに、借金につきましては大丈夫ですから、レディオン様はお気になさらないでください。それらに関しましては、こちらで対処いたします」
「そうか? だが、これからだって金は入り用だろう?」
「新街の影響もあって、負債がほぼ完済しかかっている状態ですし、政策を誤らない限りこれからも発展することが出来るでしょう。だから、大丈夫ですよ」
「だが、あの街を作ってから一月も経って……いや、王都に行っている間に経過したか。ああ、それで税収か。もう集計しきったのか?」
「はい。住居、商業区、旅人や商人からの税に、港からあがってくる貿易の税……正直、多すぎて数えるのが大変でした」
「大口はともかく、集まってくるのは金貨ばかりじゃないからな。そういう意味でも、家人を呼び寄せれてよかったな」
「はい!」
スン。
「……なぁ二人とも、ちょっと回復魔法唱えてやるから、その赤い目こっちに見せろ?」
ロベルト! 涙跡のある俺達に微笑ましい目を向けるんじゃない!
い、いや違うとも。俺は泣いてないとも。俺の大事な子供に「お父さんありがとう」みたいな台詞もらって感激してポロポロしてなんかいないとも。当然だとも。
プスン。
「はい、レディオン様。お鼻チーンしましょうね?」
しませんよ!!
「レディオン様は本当に、こういうところがアロガン様にそっくりですわよねぇ……」
「へぇ……あの親父さん、チラッとしか見たことなかったけど、レディオンよりよっぽど魔……いや、こう、むちゃくちゃ冷徹なヒトっぽく見えたんだけど、そうなのか……」
「そういえば、誕生記念の関連でお会いしてましたわね。うふふ。昔は人形みたいな方でしたけど、レディオン様が生まれてからはもう子煩悩すぎて色々ネジが緩んでしまったみたいな感じなうえ涙もろくなられてまして。可愛いですわよねぇ。エマ様と一緒に泣かせたいと話し合っておりますの!」
酷い!!
「……それって、レディオンの頭のネジも……いや、なんでもない! なんでもないから泣くなレディオン!」
グレてやる!!
「まぁ、それはともかく。アヴァンツァーレ家を建て直す為の最終決戦もほぼ準備が整っておりますし、あとはアゴスティ家とやらで生き証人かつ一番有効なアゴスティ家当主を追いつめて、こちらの陣営に引き込めば完了ですわね? その後、アゴスティ家の証言と集めた資料や噂、証言をもとに証拠をあつめ、蟻の後始末をするということでよろしかったですわよね?」
ロベルトに背中をポンポンしてもらいつつ、俺はさくさく計画を話すシンクレアに頷く。
先にロベルトの魔法で目の充血もとってもらったジルベルトが、俺を見ながら困ったような微苦笑を浮かべた。
おお、我が愛し子よ。俺を困ったヒトだと言いたげな目で見るのはよしたまへ。
「えぇと、レディオン様、殿下達やこの街を襲ったあの災害について、アゴスティ家の証言が必要……ということですね?」
「そうだ。あの件に関しては奴自身は利用されただけだがな。かつてお前達を追いつめた一派の中心人物だ。搾るだけ搾りとってから奴の証言を元に実行犯と計画犯を一網打尽にしてやる」
「では、きちんと証言をするのであれば、ある程度の温情を与えると……そういう風にしていただけませんか?」
……なんだと?
「本気か?」
「はい」
我ながら表情が険しくなるのを感じたが、ジルベルトはいつもの笑みで頷いた。
「思うことはあります。ですが、あの人だけで我が家が傾いたわけではありません。もし、今、この先の未来でより良い道を行く為に、彼の家への温情がわずかでも有用であるなら……そうして欲しいのです。少なくとも、アヴァンツァーレ領は、私の家だけでは回せませんし、他の家に比べれば、あの人はあれで節度を保ってくれてましたから」
「そんな! 坊ちゃまの苦境の一端はあの男にあったではありませんか!」
「少なくとも、他の家と違って、現金に手をつけようとはしなかったよ。別荘や土地はだいぶ取られたし、治安維持の為の軍も持っていかれたりしたし、正直、この街も狙ってたようだけどね」
血相を変えているモナと宥めてるジルベルトを見ながら、ロベルトとシンクレアが「ああ」と納得した顔になる。
俺としては納得がいかない。
俺が出会ったあの時点で、すでにジルベルトは死にかけていたのだ。ポムがこの地を選んで拠点を作っていたこと、俺が商品を卸し始めたことでかろうじて命を繋げれていたようだが、そうでなければ俺と会うこともなく死んでいただろ。
きっと、そう、前世も。
「土地や屋敷を持って行かれれば、確かに『売却する』という手が使えなくて資金を得られないけど、それでもそもそも手元にお金があればどうとでもなったことだ。他の親族があれだけ散財して借金までつくってこちらに押しつけなければ、だけどね」
「ですが! 苦境を知らせても返してくださらなかった、あの時点ですでに同罪です!」
「うん。そこはそう思う。けどね、絶対に許せない相手では無いんだよ。少なくとも、あの人は父母の形見を私から奪おうとはしなかった」
「……」
「狙ってはいただろうと思うよ。この屋敷とか。でも、母の宝石や父の杖、家財の類を売り払ったりはしなかったし、奪おうともしなかった。肖像画もね」
「……」
「許せるとは言えない。恨みもあるよ。でも、あの人のそういうところまで、見なかったことには出来ない。結局は他の人に売られたり、借金のかたに持って行かれたりして同じ結果になったけれど、それでも、ね」
困ったような顔で微笑むのに、モナが大きく肩を落とした。
俺は盛大に溜息をつく。
悪人のちょっとした情け。
善行とすら言えないようなもの。
それでも、他があまりにも酷かったから、ジルベルトとしてもそこだけは印象に残ったのだろう。正直、すり込みに似た印象を受けて非常に複雑だし、アゴスティ家当主の不愉快さは変わらないが、変わらないけれども……!
「……お前が、望むのだな?」
「はい」
真っ向から目をあわせて言った俺に、ジルベルトはやはり微笑って頷く。
「許したりは、しないぞ」
「はい」
一秒も迷わない。
溜息をつくしかないな、これは。
「……なら、叶えよう。だが、ちょっとした温情だけだ。ちょっとだけだぞ!」
「はい」
むぅ。何故そんな優しい笑みを浮かべて俺を見るのだ。
奴に対しても色々報復方法を考えていたのにお蔵入りだ。仕方がない。パンツ一丁にひんむいて鳥の餌を全身にぬりたくった後に鶏につつかせるだけで堪えてやろう。俺だと加減が出来ないかもしれないから、クレアさんにGOサインだ!
「では、件の男は罰として全裸にひんむいて全身にくまなく特に股間にたっぷり鳥の餌を塗り込んだ後に鶏の群れに襲わせますわね」
やめたげて!!
「ま、まぁ、アヴァンツァーレ家を食い物にしてた連中への報復とかはレディオン達に任せるとして、本当にそっちの処理から王子さん達のいざこざにまで手を伸ばせるのか?」
とある事情に真っ青になった俺達に首を傾げるクレア様の横で、ロベルトが震えながら平静を装って話を流した。ついでにそっと報復員を俺に戻すことも忘れない。
……うん……俺も男だ。酷い拷問はよしてやるとも……
「あ、ああ。完全にでは無いがな」
やだ。声が震えちゃう。
ゴホンゴホン。
「そもそも、この街やリベリオ達が生き残っている時点ですでに詰んでいるのだ。向こうとしては、アゴスティ家に罪を着せて街ごと消すつもりだったのだろうし、もしそうなっていれば証拠のでっちあげも簡単だったろうが……」
「まぁ、殺せるはずだった王子さん達が生きてる時点でアウトだわな。……けどよ、いくら王位継承争いだからって、街一つ――いや、領を一つ消すつもりで実行するか? 港街や国境街を持つ領地だぞ?」
「ああ。今まさにおまえが理由を言ったではないか。『王位継承争い』のためで、なおかつ該当の場所は『国境街』をもつ領地だと」
俺の声に、シンクレア以外の全員が息を呑んだ。
「そんな……では、我々は……」
「おい、まさか、化け物の巣で国境の防衛を固めようとか、本気で考えたわけじゃねぇよな!?」
「考えたのは俺では無いが。まぁ、そんなところだろう」
俺は面白くない気持ちで鼻を鳴らす。
「資源の乏しい辺境で、なおかつ魔物の増加により平和条約を結んだ国との国境近く。カルロッタは未だに魔物の量が多いが、隣は違う。うちの連中の調べでは、隣国の魔物量はこの国ほどでは無い」
俺が初めてこの地に降り立ったあの日の時点で、すでに隣国はカルロッタの――というよりは、アヴァンツァーレ領の――半分以下の魔物出現率という状態だった。
無論、『恨執蟻』の関連で特にアヴァンツァーレ領周辺に魔物が多かったというのもあるが、もともとが全体的に発生率が高い場所なのだ。
その理由の一つとして、俺達が考えていたのは『不幸な地での高濃度魔素発生率上昇』だったが。
「お互いに魔物の被害が甚大だから、と――そのために休戦状態だった隣国だ。そのうちの片方が落ち着きはじめ、片方は未だ被害が大きい、という現状。特に、かつては難攻不落だった国境を守る家が、あきらかに力を落としている。普通なら考えないか? もしかして今なら、あそこに踏み込んでもたいした被害を受けないのではないか、と。労せずちょっと版図を広げれるのではないか――と」
「そんな! それは……確かに、あの時のままでしたら、隣国全体の意思でなくとも、貴族の一部などにそんな動きをする者が出た可能性は高いですが……!」
「そうだろう? そして、お隣の国はそれなりに動きが早いらしい。最近、すぐ近くの国境付近がきな臭かったようだ。……武器や人が集まりつつある、といった感じに」
「っ」
ジルベルト達が唇を噛みしめた。
その武器と人の行く先が何処だったのか、考えるまでも無い。
「カルロッタでも、それを把握していた者達がいたということだ。だが、軍を派遣するのは難しい。少なくとも、警戒にあたっていた第二王子ですらロモロの工作兵団を動かすのがせいぜいだったようだ」
「! あいつら、もともと対隣国用だったのか!」
「でなければ、工作兵なんてものが主体の軍を、辺境に向けて動かすはずがなかろう。万が一の時に侵攻を食い止める為の軍だ。自分が王位についた後の政策で農地改革を考えるような王子は、やはり考え方そのものが安定志向だな。訓練もかねることで無駄を極力無くし、いざとなれば抵抗できる手を盤上に配置しておいたわけだ。……もっとも、もう一人の策略のせいで予想外の事態になったが」
「……第三王子……」
ロベルトの声に俺は薄く笑う。
「そう。英雄願望のある第三王子様だ。勇者に憧れているそうだぞ」
ロベルトが苦虫を噛み潰したような顔になっている。
気持ちは分かるとも。
自分への称賛や高評価を期待して身動きする輩に、勇者になどなってほしくないからな。……一応、魔王と同格ってことになるんだから、そこはな。
「英雄に憧れ、自ら英雄たらんとし、変異種――もとい、魔物を倒すことに他よりも一生懸命だった第三王子だ。当然、あの蟻共の巣のことは知っていよう」
「……しかも、元々蟻の巣はカルロッタの中にあった……」
「そう。しかも、僻地とはいえ、端っこではなく内部に、だ。……さぁ、ここで少し考えてみるといい」
自分は英雄的活躍がしたい。
だが、さすがに天災級の魔物は殲滅出来ない。
けれど、放置しておくのは許しがたい。なぜなら、自分が英雄たらんとする為には、やはり邪魔な存在だからだ。
それに、もし、巣が移動すれば、今巣のある場所は使用できるようになる。
――じゃあ、ちょっと移動してもらおうではないか。
上手くいけば、蟻の軍勢は隣の国へも攻め入るかもしれないのだから。
「だが、『恨執蟻』はまさしく天災だ。人の思い通りになるようなものではない。移動させたくとも、実行するにはリスクが高すぎる。そもそも、連中を動かす手段をとれば、確実に近隣は滅亡する。道中の領にどんな悲劇が生まれるか、誰にでも想像はつくだろう」
「まぁ、普通、王家の一員が実行するような手段じゃねーよな……そもそも、やったのがバレたらそれだけで国中から非難の的だ」
「そうだ。だから、生贄を用意することにした」
「「……それが、アゴスティ家」」
ジルベルトとロベルトが同時に呟いた。
片方は呆然と、片方は苦さを堪えるような声で。
「アヴァンツァーレ家とアゴスティ家の間にあったことは、全部調べ上げられているとみていいだろう。もともとアゴスティ家は第三王子の陣営だしな。――欲深い叔父と、幸薄い若き領主。土地などを不当に奪われていることも、連中にとっては自分達に都合のいい話をでっちあげる良い材料になるだろう。自らの陣営だからこそ、自らが裁くというポーズもとれる」
「だが、いくらなんでも博打の要素が強すぎるだろ!?」
「世に完璧な策などというものは存在しない。それに、そもそも、そこまで深く考えてなどいないだろうよ。上手くいけば儲けもの――その程度だろう。ロベルト。お前が言ったように、博打なのだよ。最初さえしくじらなければ、バレる可能性も低い。大災害すぎて捜査するのも難しい。カルロッタから隣国に波及すれば、確かに隣国から抗議がくるかもしれない。だが、なに、天災級の魔物の災害など人間が責任を負えるはずもない。戦争をふっかけるのと違って、言い訳もしやすい」
「だが、いくらなんでも……」
そう。いくらなんでも、だ。
だが、それは常人の考え方で、そして、一つ二つの利点だけでなく、さらに大きな利が加われば人間はあっさりと自分の欲をとる。
第三王子をして、端の領地とはいえ自国の領土を穢す手を実行したくなるような利益――
「お前も言っていたではないか。王位継承争いだと」
「……えげつねぇ……」
ロベルトがげんなりと声を零す。
えげつないとも。
だが、それが人間だ。
自己の利益の為なら他を顧みず、利用し、踏みにじり、欠片も心を動かすことなく知らぬ顔で己だけの欲得に耽る。
「幼い身勝手な思考と、狭い視野による歪んだ正義感。大を生かすための小と割り切ったか、誰かの口車に乗せられたか……そこまでは知らぬが、小を切り捨てたつもりで災いを差し向けたのだとすれば、切り捨てられた者の意地を見せてやろうではないか」
「……レディオン」
「俺は最初から言っていたはずだぞ、ロベルト。自分の魔力で無理やり行わなかったのは、単にお前達に配慮しただけだ。最初から最後まで、俺がやるべきことは一つで、それは変わらない。俺は有言実行の男だからな」
むしろ、人間の法を考慮していることを褒めてほしい。
「元凶の首――とらせてもらう」




