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メビウス・クラウン ~あなたに至る為の物語~  作者: 野久保 好乃
三章 例え数多の苦難があろうとも
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4 水の神族





 水の神族の名前はローといった。全身が水で出来ているが、ほっそり美女っぽいシルエットをしている。

 厳密にいうと無性らしいが。

 まぁ、神族は肉体持ってないから、普通は全員無性なんだよな。どこかのおじいちゃんみたいに、惚れた相手が女だった場合は男性体になるみたいだけど。

 ……そういやオズワルド、サリが男になっちゃった時に女体にはならなかったんだな。まぁ。子供作る必要がなければ性別なんてどっちでもいいんだろうけど。


《怖い御方から伺いに行くようにと言われておりましたが怖くてお会いするのを先延ばしにしておりました……!》


 なんかめっちゃ怯えられてる。

 怖い御方っていうのはポムのことだろうか? ポムは俺にとても甘くて優しいんだが。

 そして初顔見せでここまで怯えられる理由が不明です。


「俺は敵対していない神族を害する気は無い。そう怯えないでほしいのだが」

《すみません!》


 とことん低姿勢だな!

 ぷるぷる震えながらめっちゃ上目遣いされる。しかも涙目。


「なんでそんなに怯えてるんだ?」

《習慣なんですすみません! 神族内でもいじめられてましたから!》


 いじめられっ子だったらしい。


「神族内でもいじめってあるのか……」

「俺も初耳だよ……」


 同行しているロベルトが遠い目になっている。

 神族の仲間意識とかがどうなってるのか知らないが、この水の神族は仲間内でもいじめられていた個体のようだ。

 ……神族のいじめって陰湿そうだな……


「カルロッタのために動いてくれるなら、これからは俺が守るぞ?」

《本当ですか……! ああでも、国家運営とかには携われないのですが……!》


 前向きな返事がきた。あと、神族の掟があるから国家運営に携われないのは理解しているぞ。


「カルロッタはこれからお前を水神として主神に据えるらしい。敬ってくれる人族に加護を与える、的な感じで水とか提供してくれたら嬉しいんだが」

《それぐらいなら出来そうです! でも私、ここに封じられて今すごく弱くなっているのですが……》


 ああうん。王都に入った俺が知覚できないぐらい弱くなってるよね。


「元はそれなりの位階だったのか?」

《はい。二百年前なら水の属性で一番強かったです》


 いじめられっ子だったのに!?


《それが気に食わない同属の仲間にいじめられてまして……》


 力ではなく性格的にいじめられっ子だったらしい。イケイケな神族しか見たことなかったから違和感が凄い。


「ここに封じられたのもそれが原因か?」

《はい……お恥ずかしい話ながら……。この地に呼び出されて、封印された挙句、弱体化させるために水の術式を用いて呪いをかけられまして……》

「呪いって?」

《この水路のことです。循環しない水と、メインの術式に重なるような形で通路を配置されて発動しています。そして二百年かけて弱体させられました。今は『水神』の称号も別の神族に渡っていると思います》


 この迷路、術式と重なってるのか!


「水路図は人族が渡してくれた地図で見ていたが、術式とは思わなかったな」

《魔族が使う術式とはまた違う形ですから。人族が使う術式とも違うので、分からなくて当然かと》


 む。これでも魔法の使い手として一流を自負していたから、分からなかったのが地味に悔しい。


「今度、神族の術式も教えてもらっていいか?」

《私が知っている限りの知識でよければいつでもお教えいたします。水の属性のみになりますけど》

「それでいい。大まかな術式が分れば他の属性もだいたい把握できるだろうからな。……ノエルが使っていた術式は魔族のと似てたんだが、この術式は分からなかったな」

《ノエル……? 時の神族の?》

「ああ。知っているのか?」

《ええまぁ。二百年前の当時、人族の信仰で生まれた新しい神族でしたから》


 アレで時間的には生まれたてほやほやの神族だったらしい。

 まぁ、単体だと弱かったしな……


《時空の神族は一級神が隠れてしまったそうですね。ノエルと会ったのはそのせいですか?》


 時空の一級神、不在なのか。

 ……あれ? なんかすごく納得している俺がいる。なんでだろ?

 まぁ、神族のことなんてどうでもいいのだが。


「いや、ノエルは俺を襲ってきたんだ」

《え゛!? どどどどど、どうして!?》

「俺が時空魔法に長けてるからだろうという話だった。神族はそういう能力吸収するだろ?」

《確かに出来ますけど……神族が狙うぐらい能力が強いのですね。ノエルは処罰したのですか?》

「滅ぼした」

《ヒッ!?》


 あ。またぷるぷるしだした。


「敵対したのだから滅ぼすしかないだろ? お前は敵対してないんだから怯える必要ないぞ」

《敵対しません! 私は無害な神族です!》


 うん……見てたら分かるよ……

 隣のロベルトが遠い目で「神族のイメージが……」ってぼやいてる。気持ちは分かるぞ。


「それで、お前としてはこの国の主神になるのに否はないか?」

《敬っていただけるのでしたら、むしろ有難いです。私は自然発生系の神族でしたが、信仰でも力は蘇りますから》


 元は自然発生系の神族だったらしい。

 まぁ、最初の一級神は全部自然発生系だから当然か。

 ……同属に虐げられてここまで位階が落ちるのも珍しいけど……


《信仰のお礼に綺麗な水を出すぐらいなら掟にも触れません。神像を作ってくれたらそこに宿って力を振るわせていただきます》

「神像はあったほうがいいのか?」

《神像があると信仰の力を集めやすいんです。人族が祈りやすい形になりますし、私の『形』も定まりやすいですし》

「なら、今見えている形をより人族っぽい形にして作っておこう。石像でいいのか?」

《はい。自然石だとなお有難いです》


 すまない。俺が作ると魔力で作った石になる……


「俺の魔力で作る予定なんだが……」

《それならなおいいです! 貴方からも水の気配がしますから!》


 俺は全ての魔力属性を有してるからな。

 なんかポワワンという擬音がつきそうなうっとり顔をしているが、俺が作るのがそんなに有難いのだろうか?

 魔石を貰った時のテール達にちょっと通じるところがあるな。


「作る時につけてほしいオプションとかあれば請け負うぞ。よく水の神像とかで持ってる三又の鉾とか」

《それなら壺をお願いします。私、戦うのは苦手で……》


 いじめられっ子だったものな……戦うの苦手だよな……


「わかった。綺麗な壺をオプションでつけておく」


 あとは神々しそうな感じに作ればいいかな。神像を作るのは初めてだからちょっと楽しみだ。


「レディオンがむちゃくちゃ凝りそうな気配」


 ロベルト! 俺を察知するのはやめるんだ!


「他に俺達にお願いしたいこととか無いか?」

《今、封印を解いていただけたら嬉しいです》


 あ。そうだった。封じられたままだわ。


「ちょっと待ってろよ」


 魔力を周囲に展開して違和感のある所を探す。ものすごくうっすらとだが確かに妙な力を感じる。これが神族の術式だろうか。二百年前のだから薄いのか? それとも、目の前にいる神族の力がもともと強かったから二百年の間に封印術式も弱まっていたのだろうか?


「ああ、全体像が見えた。なるほど、地図にあった通路に重なる部分があるな」

「お前、目瞑ってるけどそういうの見えるのか?」

「肉眼で見てるわけではないからな。第三の目で見るみたいなものだ」

「【全眼】は肉眼っぽいのに」

「アレは俺もどういう理屈で見えてるのか分からん」


 ポムが俺に奪わせた異能だが、いまいちよく分からないんだよな。そもそもあの数値が何を基準にしているのか不明だし。


「よし。これで封印解けたはずだ」


 パンッと空気を叩いたような音がして、一気に水の気配が強くなった。

 水神が嬉しそうの身を震わせている。


「封印ってこんなに簡単に解けるものなのか……」

「俺が魔法に造詣深いからだからな!」

「よしよし。よくやりました」


 頭なでなでされた。むふー!


《ありがとうございます!》

「ふふん。礼は受け止めておこう。かわりにカルロッタによくしてやってくれ!」

《かしこまりました!》

「【全眼】で見なくても呪いが消えたとか分かるのか? ――まぁ、水の気配が強くなってるから解けてるのは分かるんだけどよ」

「感覚で分かる。というか、あの眼、本当に何に必要な目なのかよくわからん」

《【全眼】ですか?》

「ああ。知っているのか?」

《すみません。世界に刻まれた情報を読み取る異能だということしか知りません……》


 むしろその内容すら知らなかったよ俺は!


「世界に刻まれた情報を読み取るのか!」

《確かそうだったと思います。光や闇の神族ならもっと詳しく知っているかもしれません。私はその二属と大地の神族の後に生まれた神族ですから》


 生まれた順で知識量が違うらしい。

 そういや死神は肉体をもつ生命体が生まれてから発生した神族だから、一級神の中では若い方なんだった。

 そうか。この水神、最古の神族のランクなのか。

 ……いじめられっ子だけど……


「なるほどなぁ。アカシックレコードを読み取るような感じなのか」


 ロベルトがなにやら納得してる。


「アカシックレコードだと過去現在未来を読み取るんじゃないか? あの眼は現在しか見えないぞ」

「感覚的な話だっつーの。というか、過去や未来って読み取れ――いや、ポムさん過去読み取ってたなそういや」

「ポムのことだから現在も未来も読み取りそうだ」

「やれそう……それってお前が手に入れた能力より優れてないか?」

「ポムだからな」

「……それですますのか……」


 だってポムだから。


「あの数値の謎はまだ残るが……。ロー、【全眼】で対象の能力が数値化して見える現象について分かることはないか?」

《もったことがない異能なので分かりません。単純に考えたら種族内での能力値ではないでしょうか?》

「種族内?」

《貴方の種族を基準として数値化しているのか、あるいは、対象の種族の基準を数値化しているのかは分かりませんが》


 あ。分かったかもしれない。感覚的には俺の種族内の零歳児を基準としてるっぽい。

 普通の人族の能力値がえらく低かったのはそのせいか。魔族、零歳児だと弱いからな。人族の赤ん坊と比べたら圧倒的に強いけど。


「謎が一つとけた」

「嬉しそうだな、レディオン」

「謎だらけで気味悪かったんだよ、あの能力。いつも使うの忘れるし」

「異世界転生だとポピュラーな能力なんだがな。持ち主いつも使ってるし」


 え。あの能力をいつも使うの? その人大丈夫? 精神病んでない?


「そもそも、異世界転生って何だ? 別の世界に転生するんだろうな、ということは分かるんだが」

「あー……えー……どう説明したらいいんだこれ。そういう流行があるんだよ」


 異世界転生って流行するようなものなのか。普通、魂は同じ世界内で転生を繰り返すものなんだけど。


「絵物語的な内容で、ジャンルというか、そういう物語が流行ってた時期があるんだよ」

「ああ、物語の流行なのか。異なる世界に魂が転生する確率ってむちゃくちゃ低いからビックリしたぞ」

「まぁ、高確率で別の世界に転生してたら世界に生まれる生命体が減っちゃうよな」

「ああ。たいていの世界はそれを防ぐために防護膜で覆われてるから、そこを突破するか防護膜が破れるほど世界が壊れない限りそうそう魂は世界を離れないな」

「そうなのか……」


 なるほどなー、という顔でロベルトが納得してる。

 このあたりの常識は魔族でも高等教育になるからロベルトが知らなくても不思議はないな。


「まぁ、そうそう異世界からきた魂に会うこともないから、知らなくて当然だ」

「あー、まぁ、そうだよなうん」


 なんでそんな挙動不審になるの?

 あ。


「そういやお前、異界知識とかもってたな」

「バレた!」

「いや、前から知ってたけど」


 言ってから気づいた。

 あれ? もしかして?


「お前、元は異世界人なのか?」

「気づかれた!」

「マジで!? お前の内緒の内容ってそれか!」

「そうだよ! 異世界の魂が転生したのが俺だよ!」

「へぇえ、異世界の魂が転生するとお前みたいになるのか。神族もよくそんな珍しい魂の持ち主を勇者に選んだな」

「むしろ勇者ってそういうヤツがなるんだと思ってた時期がある」

「いや、普通はこの世界内の魂の中から選んで作られてるはずだ。確率がめちゃくちゃ低いからな、異世界からの漂流物」

「漂流物言うな」

「俺も初めて見たよ。これといって普通の人族と変わらないんだな」


 勇者ではあるけども。


「……魔族のお前から見たら、俺も他の普通の人と同じか?」

「ああ。何一つ変わらないな。勇者であるのは神族に選ばれたからだし、その他は普通の人族と変わらないだろ」


 角が生えてるわけでもないし、皮膚が鱗で覆われてるわけでもないし、ただの人間だよな。


「そ、そうか」


 あれ。なんだかロベルトがすごい嬉しさを噛みしめてるみたいな顔してるんだが。


「嬉しいのか?」

「ま、まぁな。ほら、勇者の資質のせいで、一般に比べて異常に強いだろ? すごい異物感というか……普通から離れちまった感じで、俺、嫌だったんだよ……」

「人族は特別視されることを喜ぶ種族だと思ったんだが、お前は違うんだな」

「そりゃ、特別、ってのは普通は気分がいいもんなんだろうけど……俺は、まずその「普通」になりたかったからな。前世では生涯寝たきりだったから」


 知らなかった情報が次々と。


「体が弱かったのか?」

「ああ。生まれつきな。走ることはおろか歩くことも難しい体だったんだ。だから、普通の人に憧れてたな。記憶もったままこっちに転生して、息が苦しくないことにまず感謝した。……すぐに自分の異常性に気づいて絶望したけど」


 ロベルトにも色々あったようだ。勇者として強い自分を嫌悪してたのも、普通に憧れてたからなのか。


「でも、普通じゃなくても、健康ならそれはそれでいいんじゃないか?」

「異物感が凄いんだよ。誰とも同じじゃないし、バレたら化け物を見る様な目で見られるからな。魔族みたいに強ければいい、っていうのでもないし」


 すまんね。脳筋種族で。


「お前は絶対魔族に生まれてくるべきだったと思う」

「俺もちょっとそう思った」

「今からなってくれてもいいんだぞ!?」

「隙あらば魔族にしようとするなっつってるだろ!?」

《仲良しなのですねぇ》


 二人してワイワイ言ってたら水神(ロー)が微笑ましそうに言った。

 ふふん!


「うむ。仲良しだとも!」

「くっそイイ顔で言われるとちょっと恥ずかしいんだが……まぁ、な、うん。仲良しだよな、うん」


 親友だからな!!


《仲がいいのは良いことですよ》

「神族的にオカシイとは思わないんだ?」

《勇者と魔王の仲が良かったケースも何件か知ってますから》


 さすが最古参の神族。仲のいいパターンもいくつか知っているらしい。


《八千年ぐらい前だと恋仲になったケースもありますよ》

「スケールが千年単位な件」


 ロベルトが遠い目になってるが、まぁ、神族だしな。


「もともと魔族は人族を忌み嫌ってはないし、そういうこともあるんじゃないか?」

「俺、勇者って神族の戯れや策略で生み出された人間兵器だと思ってたんだけど」

「合ってるぞ」

「合ってるのかよ!」


 ロベルトがそれを知ってたのが不思議だけど、実際に勇者って神為的に作られた存在だからな。


「ここ最近の勇者は神族の企みっぽい気がするけど、それ以前はお遊びで造られてたはずだ。魔物が強くなったから強い人間作っちゃおう、的な」

「それ、人の営みに勝手に干渉してることにならないか?」

「なるな。だが、勇者はあくまで『個体』だからな。歴史への介入になるかどうかは勇者次第だから掟に抵触するかどうかギリギリのラインなんだ。勇者を操って国を作ったりしたらアウトだからその時はもろとも滅ぼされるけど」

「……神族、博打すぎるだろお遊びが……」

「そういう博打要素が強いからやるんじゃないか? 神族の大半は愉快犯だぞ」

《同じ神族として申し訳なく思ってます……》

「いや、水神さんが頭下げる様なことじゃないって。くっそ、俺を勇者にしたのどの神族だよ!」

「たぶん運命の神だと思うぞ」


 お前、あほみたいに幸運値高いからな。


「運命神なのか」

「多分だけどな。まぁ、幸運値が高いのが作った神族の影響なのか、勇者だからなのかは知らないが」

《きっと、運命の神族ですよ。幸薄い勇者のほうが多いですから》

「……勇者、薄幸なのか……」


 なんか勇者のイメージが……

 いや、確かに俺を殺した勇者も幸薄い人生歩んでたよな、たしか。だから不幸の原因として俺達が憎まれたんだが。


「ローのおかげでロベルトの秘密も知れたし、今日はいい日だな!」

「なんとも言えない俺がいる……お前の秘密は知らないままなのに」


 おっとロベルトよ、俺を見ても俺の秘密は教えてあげられないぞ!

 髪だって今世はフサフサになる予定だからな!


「ロー、これからよろしくな!」

《はい! 末永らくよろしくお願いいたします》


 水神が嬉しそうに頷いてくれた。

 乾燥地の多いカルロッタに水の恵みがもらえるのも嬉しいことだし、今日は本当にいい日だな!

 これでポムが聖王国から帰ってきてくれたらもっといい日になるんだが。


「水神との話し合いも終わったし、次はロルカンに移動か?」

「うん? そうだな……正妃にもう一回会って、それからフランツ・アゴスティに会って労いの言葉をかけて、神官長を慰めた後はロルカン行きかな。家の用事は昨日すんだし」


 ちなみに大量の報告書をもらいました。また読み込まないといけない情報が山のように……


「アゴスティって、領主さんの親族のやつか」

「ああ。強欲な親族を処罰するのに一役買ってくれたからな。恩赦も出るし、あいつ次第だがジルベルトの副官にする話も出てる」

「領地運営やりたそうにしてたしな」

「うむ。仲良くやってくれれば言うこと無しだ」


 ジルベルトのところは今も人手不足だからな!

 出来れば武力もってる集団とかも欲しい。フランツが持って行ったという騎士達もそんなに沢山はいないみたいだし、領地にはまだまだ魔物が溢れてる状態だから、領主軍をもっと充実させたいんだよな。

 冒険者でもいいから、どこかにいい集団はいないだろうか。


「ロルカンには気になることもあるし、うちの人員をまた使わないといけないな」

「……上級魔族が跋扈する領地……」


 ロベルトが胡乱な目でツッコミいれてるけど、もうそれは言いっこなしだろ。俺もどうかと思うけど、使える人員が人族に少ないんだから。


「平和になったらうちの人員は引き上げるから大丈夫だ。今はまだまだ安定してないからな」

「魔族領って言われないようにしないといけねぇな」


 手遅れ感あるのは秘密だ!


「さて、地上に戻って正妃に報告してくるか」


 なお、地上に戻るとげっそりしたリベリオが待っていた。


「レディオン……少し知恵を貸してもらってもいいだろうか?」


 一歳児の知恵でよかったら、いいよ?







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