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18部

「やばい、来ちゃった」

 ミコトが、まるでハチが来るのを知っていたかのように呟いた。

「どうしたハチ。何を怒ってるんだ? おいミコト、そいつは俺の友人で……」

「知ってます。さっきほおずきさんに聞きました。あ、あの人、ノミ持ってます。あなたを殺す気ですよ」

 ダイはミコトの言葉にビクっと反応した。

「な、何をバカな……」

 ミコトの言葉を否定しようとするとハチがドスの利いた低い声で言った。

「お前がその気なら、悪いが先手を打たせてもらうぜ、どけ!」

「ダイさん! ちょっと逃げて!」

 ダイは、何がなんだかわからない。

「やめて! ハチさん!」

 その時遠くから、ツキの声がした。遠くからまるでハチを追ってきたかのようだ。

「うるせー」

「きゃ!」

 ハチは後ろから抑えようとしたツキを突き飛ばした。

「ツキ!」

 ダイはツキの悲鳴で立ち上がった。

「死ね!」

 ハチはダイに目掛けてノミを構えて突っ込んできた。ミコトがとっさにダイを突き飛ばす。ダイは壁にあたり倒れた。

ミコトとダイの間を通りすぎたハチは勢い余って庭に転げ落ちたが、すぐに立ち上がってダイに再び向かおうと、脅すように大きな音で縁側を踏み切った。

「やめてー! 」

 ツキの大きな声が部屋中に響きわたった。



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