切れた線
立ち止まった。立ち止まったんだ。
そうしたら動けなくなった。
どうにか動かなければ思えば思うほど動けなくなっていった。
諦めた。
後ろを向いた、そうしたら何もなかった。
「あぁ、そうか、そうだったんだ。」
僕は何もなかったことにしたいんだ。
昔の目を焼くほど輝かしい夢とか、
喉を引き裂くようなごめんなさいとか、
全部全部、全部、無くしたいんだ。
だから後ろを振り向いても何も無いと思うんだ。
全部全部あるのに。
動けなくなった理由を、動かなくなった理由を隠したいから。
自分の怠惰を見たくないから。
「かっこわるいなぁ。」
暗い天井から目をそらして目から水をこぼす。
「自分すら裏切って、手に入れた楽の調子はどうだい?」
「くそったれさ、全部が見てくるんだ。」
頭が終わる。
終わりはこないのに、頭だけが終わりに向かって走り出す。
動けない。頭がない人形は動かない。
動かす人も、動こうと思う頭もないからだ。
マリオネットの糸を全部引きちぎったらそこにはガラクタしか残らない。
綺麗なのは糸に繋がれているからだ。
「だからなんだい?」
「知らないさ、言いたいだけじゃない?」
鳥が鳴いている。
僕はいつ終わりを迎えるのだろう。
ありがとうございます