表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

02


 試験を乗り越えた昼下がり。

 私は張り込み刑事よろしく、中庭で顔を本で隠しつつ辺りを観察していました。


 ぽかぽか暖かい気温にゆるい風が通り、桃色の花びらが舞っています。


 このタイミングと言えば、レオンがフィオナに『落ちる』シーンがあるはずなのです。漫画ではちょっとのシーンですが、間違いありません。


 そうしているうちに、遠目に輝く白銀の髪が見えました。儚げな紫のドレス姿を彩る、風に舞う花びら……。さすがヒロイン、妖精のようです。


 私は姿勢を正して観察モードに入りました。案の定、レオンが中庭に姿を現し、フィオナの後ろから歩いてくるのが見えます。


 やはり!刑事の勘は正しかった!

 これはたまらないシーンです!今までフィオナ様のライバルポジションだったレオンが、ルシアン様の恋のライバルになるターニングポイント。

 

「あっ」

 フィオナが一際強い風にバランスを崩し、段差に躓き――

「おい――」

 レオンが抱きとめる。


 き、きちゃーーーー!! 顔が! 顔が近い!

 ここでレオンは『き、気をつけろよ』とぶっきらぼうに言うんですが、赤面しちゃうのよね! フィオナ様は気づかないんだけど! そしてここから『なんだよ、これ……』とか言いながらレオンが恋を自覚するの!


 私が瞳を輝かせて見つめていると、ふとレオンと目が合いました。その瞬間、かっと音でも出そうなレベルで、レオンが赤面するのが見えます。


 んきゃーーー! 原作通り!

 ちなみにここには……やっぱり! ルシアン殿下も見てる! ここでフィオナ様をめぐる三角関係がスタートするのです……激アツですね……。


 思わずほくほくにこにこしていると、レオンがこちらに向かってくるのが見えました。


 覗き見してたの怒られるかしら? 幼馴染に見られるなんて、きっと恥ずかしいことでしょう。

 私は慌てて何も見てませんよというような顔をして、足早に中庭を離れることにしました。


「リセ」


 き、聞こえません!

 




 ――――


 


 逃げるように離れてゆくリセの後ろ姿を眺めながら、レオンはがくりと肩を落とした。


「あら……、勘違いされちゃったかしら?」

 フィオナのからかうような声に、レオンは驚いて飛び上がる。


「な、何を」

「かわいいわよね、リセ嬢。貴方もだけど」

 くすくすと笑うフィオナに、レオンは恨みがましい目線を向けた。

「……フィオナ様のように聡い方なら良かったのですが。馬鹿で困っております」

「あら、だめよそんな事言っては」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ