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第三話 1995年

1995年ロボット開発部門発表会の文字がディスプレイに表示されていた。

『研究者の人達と一緒にやっとここまできたのね…認めて貰えるといいな…』

彼女は学生の頃から作り続けてきたロボットをやっと発表出来る事が嬉しかった。

『お母さんよかったねあの子を皆に見せるんでしょ?』

まだ5歳だった祝が母に嬉しそうな声でか言った。

すると、携帯が鳴った。

『レイナ?今何処にいるんだよ?』

『会場の入り口にいるよ?』

「研二さんレイナさん見つかりましたか?」

『今、一般用の入り口にいるみたいで…』

電話越しからスタッフらしき人と話してるところがこちら側にと聴こえてきていた。

『関係者の人は専用の入り口があるんだよ…』

『迎えに行くから動かないでくれよ…』

どうやら(レイナ)は一般専用入り口から入ってしまったみたいで、(ケンジ)が迎えに来てくれるみたいだ。

『レイナがいないと発表が出来ないんだからな…』

『ごめんなさい…』

『ロボットを控え室に運んであるから起動確認お願いね』

『ありがとう…よし頑張らないと』

先に父と業者の人達と一緒に控え室にロボットをおいていたので後は起動確認するだけにしてあった。

珍しい方法で音声認識と顔認証システムを取り入れておりこのシステムを開発したのはケンジの(マサト)のお陰でもあった。

『いよいよ発表の時間ね…』

『システムコード…レイナ…』

『……音声確認中……レイナ…声紋一致起動します…』

90年代の技術ではまだロボットの認識はふつうのアームで物を掴むぐらいの事でしか出来ないかと思われていたのだが、レイナが完成させたものは人の形をしたロボットだった。

館内放送で「次の発表の御方は会場入り口に向かってください」案内が掛かった。

研二、祝が二人揃って『頑張ってきてね』とレイナに伝えた。

『うん、行ってきます』

そういって、控え室から会場の入り口えとレイナ、ロボットが向かっていった。

『パパたちも客席会場に行こう』

『ママが発表する所楽しみだね』

二人が会話をしながら客席会場向かうその途中で、礼儀が正しそうな50歳半ばの男性と出会した。

『失礼、今から発表される会場に行かれるのですか?』

『そうですけど…』

『私は、機械技術者の長孝と申します、毎年ここで発表されている方を観るのが楽しみにしておりまして…』

どうやら長孝(ナガタ)という男性は、技術者の一人で毎年開かれている発表を観に来ているみたいだった。

『そうなんですか…では一緒に観ますか?』

『ありがとうございます』

三人は今から発表される会場に入り、席に着いた。

司会者の案内で「色々な作品(ロボット)を観てきましたが、今回が初めての出場となる方の作品は今まで観てきたのとは違うタイプのロボットです」合図が入った。

『こんにちは、今回初出場する八坂 令奈(レイナ)といいます…』

緊張したような表情と声で会場の人達に挨拶した。

『私が開発したロボットは人間に近い事が出来るように作りました、人の助けになればと思い制作したので観ていってください…行くよ』

隣に待機させていたロボットに声をかけた

『……よろしくお願いします……』

観客席で座っていた研二は「レイナ…頑張ってくれよと」心の声で唱えていた。

まず始めにステージ内を歩いて見せ、次にレイナが用意していた、箱を両手で掴んで見た。

司会者が「本当にすごいですね、確かに観たことがない動きをしています」と感動するかのような声で話した。

観客の反応は、[俺たち人間みたいな動きをしてるよね、凄いじゃない]と感動のが響く。

中にはこれは、本当に世界に届のじゃないかと呟く人がいた。

『観てくれてありがとうございます、最後に本当に皆さんの役立つように思いを込めて制作しました。』

『人間みたいに動けるロボットが作れる人がいたなんて驚だ』

一緒に観ていた男性(ナガタ)が驚いていた。

研二はその男性に「ありがとうございます」と小声で

感謝の気持ちを伝えた。

司会者が「八坂さんありがとうございました」と最後の挨拶をした。

隣に座っていた祝が『パパ、ママ凄かったね、皆も喜んでたよ』と研二に伝え、 『お母さんの所に戻ろうか』と席を立った。

一緒に座っていた男性が『ロボット作ったのは貴方の奥さんですか』と聞いてきた。

『はい、私の妻ですよ』

『そうだったんですね、いやいや凄いじゃないですか、まさか人間に近い動きが出来るものを作るなんて』と興味を持ったみたいで、研二に話し『よろしければ一緒に妻の控え室に行きますか?』と男性に聞いてみる事にした『迷惑じゃなかったら是非』と返事をするのだった。

研二、祝が控え室につくと満足そうな表情で「お疲れ様」とレイナに伝えると。

『上手く伝わったのかな、あの披露だけでこの子の良さを理解してくれたかな?』

『大丈夫だよ、観客席の皆も歓声してたんだから…それと…』

落ち込んでいるレイナに観客席に座っていた時の皆の気持ちを伝え、そして横にいた男性が『貴方の開発したロボットは、本当に素晴らしいものだったよ』と研二の言葉の後に続いた。

『……そちらの方は?』

『観客席に行こうと歩いていたらこちらの人が話しかけてきてくれて、一緒にみてたんだよ』

『そうなんだ…ありがとうございました』

『こちらこそ素晴らしいものが観れて楽しかったよ』

『私は、機械技術研究所のものでして…』

男性が、改めて自己紹介をし、名刺をレイナに渡した。

『毎年観に来ていましたがまさか、あんなに人に近い物が作れるなんて…』

『長年開発に没頭していたのと私の家族も協力して貰ったお陰です、実家は皆物作りが得意なので…』

レイナの父親は車の制作会社で働いており、母親も技術者だった

『だから、あんなに人間の動作に近い物が……』

『私は将来の事を思ってこの子を作ったんです…』

『将来の事ですか……』

『よかったらですが、私の所で働いて見ませんか?』

男性が思わぬ事を提案してきた。

『貴方の所でですか?』

『私の会社は機械会社ですので色々な設備がありますので…』

『嬉しい話なのですが……』

レイナが研二と祝のかおを見た。

『いいんじゃないかな、俺も一様パソコン関係も関わってるし』

研二の兄がまだ試みなかったAIの開発に関わりがあったので、その関係で知識は知ってるつもりだ。

『では、また連絡しますね』

『発表観てくれてありがとうございました…』

最後に感謝のきもちを伝えて自宅に帰る準備をした。

『喜んで貰えて良かったね、この子トラックにのせてくるから待っててね』


現在話に戻る。

『懐かしいよね…ここからこのネックレスの話に繋がるのだけど…また今度話すね』

(兄さん覚えてるの?)

『なんとなくな……今の技術学べてるのは父さんのお陰なんだよね…佑に見せたいやつがあるんだったよ』

ポケットからスマホを取り出しあるアプリを開く。

『今試作段階なんだけど、俺たちだけじゃバグを修正するのが困難で、手伝って貰おうかなって…』

(いいの?僕携帯電話しかもってないけど…)

『貸してあげるよスマホ、俺予備用でもう一台あるからさ…』

(使いこなせるか分からないけど、頑張ってみるよ)

『良かったじゃない、スマホデビューだね』

母がからかうように言った。

(嬉しいんだけど、ボタンじゃないから違和感が凄いね…)

『このアプリの使い方なんだけど…』

色々と使い方を学んでいった。

『バグの報告画面はその⚙️のとこれをタップして項目に✅つけていけばいいからね』

(操作してるキャラクターって結構出来てるんだけど、意味があるの?)

(他のキャラクターは点線みたいなんだけど…)

『操作キャラクターが点線だけだとわからないだろ?だから、ちゃんとキャラクターに作ったんだよ…それと』

何かに気づいてほしそうな声で佑に説明をしていると、(あれ?まさか…)

『やっと気づいてくれた?』

とっさに自分の携帯画面を観てみると、そこには同じイラストが写し出されていた。

『昔俺が描いてあげたツインテールの女の子だよ、可愛から佑の待ち受けにしてあげたろ?』

『その子を元に作ってみたんだよ』

嬉しそうな表情で祝の顔を見た。

(嬉しいよ、ありがとう)

『それだけじゃないんだよね…』

ある言葉をスマホに呼び掛けると。

『ミラ……弟に手伝って貰えると事になったよ』

『……こんばんは、祝……』

スマホから声が聴こえてくる

(え…今、会話した?)

『父さんは知ってるよね?』

昨日会社にいったときに話した事があった。

『久しぶりなのか?こんばんは…ミラ』

研二がスマホに向かって挨拶した。

『貴方これ……』

『うん、大丈夫だよ何せ息子が作ったんだからな』

レイナが悲しそうな声でつぶやいた。

(父さんも知ってたんだね…でも、会話出来るなんて兄さん凄いね)

『多少の言葉だけだけどな、日常会話が出来るようにプログラミングしてるだけ』

『ならいいのだけれど…』

レイナが恐れた表情で祝をみていた。

『佑、音声認識でいつでも会話出来るから、暇な時でも話しかけてみて』

(分かった、これからよろしくね…えっと…ミラ)

『……声紋認識中です……』

『……よろしくお願いします……佑さん』

(佑で大丈夫だよ…所で何でこの子の名前がミラなの?)

『それは…』

祝が名前の由来を教えようとしたら。

『……祝さんがMAILのアイコンを見て文字入れ替えでMILA(ミラ)と着けました……』

(なるほどね…)

『可愛名前じゃん、気に入って貰えたんだから…』

『……いいですね、といっただけです……』

(本当にいいの?スマホ貸して貰っても)

『ちゃんと修正してくれるならな』

(頑張ってみるよ、ありがとう)

『今頃だけど…母さん誕生日おめでとう』

祝が言いそびれていた言葉を母につたえた。

『ありがとうね皆…それと、ミラちゃんも佑の事よろしくね』

『……はい、よろしくお願いします……』

(うん、よろしく)

『そろそろ自分の家に帰るかな』

祝が背伸びをしながら呟く。

『もう帰るの?留まっていけばいいのに…』

『やりたいことがあるし母さん、佑に会えたから満足だよ』

レイナが悲しそうな表情をしなが祝の顔を見た。

『俺は留まっていくよ、久しぶの家だからな』

研二は家に留まることにした。

玄関まで三人揃って祝を見送った

(兄さん待たね、デバックちゃんとやるからね)

『おう、父さん、母さんお休み』

(ミラ…改めてよろしくね)

『……よろしくお願いします……佑…』

祝を見送った後に『話があるんだが時間大丈夫か?』と研二が佑に聞いてきた。

(大丈夫だよ、父さんと久しぶりに話したかったからね)

『そうか、ならミラとも仲良くなれそうだな』

『片付けがあるからその後私も話しに混ぜてもらってもいい?』

レイナが研二達に話しかけると『最近はレイナとも余り話が出来てなかったからな』と研二が照れくさそうな声で答えた。

『部屋にでも行くか、入るのが久しぶりだから、散らかってるとは思うけど』

(父さんの部屋か…昔に父さんに本読んでもらったんだよね…確か『人工知能は何処まで成長するのか?』だたよね?)

『よく覚えてるな…』

『レイナにプレゼントした物なんだが、ロボットが撰んで私から渡したものなんだよ』

(ご飯の時に話してくれた母さんが開発したロボット?)

夜ご飯の時に佑がレイナにチェーンを渡したときの話だった。

(でも、ロボットには決められた行動しかできないはずだよね?)

『研究仲間だった人が作った人工知能をそのロボットにインストールしたんだよ…』

『最悪の結果になってしまった…』

研究は複雑そうな表情と声で話した後に廊下から研二の部屋に向かって来る足音が聴こえてきた。

『貴方の部屋に入るのも久しぶりね』

『レイナ…佑がプレゼントしてくれたネックレスのことを話してと頃だよ』

レイナが悲しそうな表情で研二の顔お見た。

『プレゼントありがとうね佑、またネックレスをかけられる日が来るとはね…それと、ミラちゃんとも話してみたいな』

嬉しそうな不安そうな表情をしながら佑に話した。

(…さっきミラと話した時に母さんが怯えた表情にみえたんだけど…起動させても大丈夫?)

『うん、大丈夫』

祝が佑に渡したスマホを右ポケットからだし、アプリを開きそこに向かって名前を言った。

(ミラ)

『……こんばんは、佑さん……』

三人同時にミラからの挨拶に『こんばんは』と答えた

『………』

数秒の沈黙があったのだが佑がミラにはなしかけた。

(いま、聞き取りにくかった?三人で返事をしたから)

『……はい、戸惑いました、佑さんだけかと思っていたので……』

どうやらこちら側の景色は見えてはいないようだった。

(カメラ越しから顔とか風景は見えないみたいだね。)

(ミラは、僕たちの顔見たい?)

『……見たいのですが、そのような機能がありません……』

『なら、私が認識機能を入れてあげましょうか?』

ミラが悲しそうな(トーン)で説明すると、レイナがカメラ認識機能を取り入れる提案をした。

『……ありがとうございます……』

『今日は遅いから準備ができたらまたよろしくね』

時刻は11時をしていた、レイナは機能ができ次第佑に報告するからねとミラにつたえた。

『……おやすみなさい……』

(あ…アプリが閉じた)

『どうやら、対話しか出来ないみたいだな…』

(そうみたいだね、母さんが開発したロボットは普通に話せてたみたいだったけど…)

『あの子はミラちゃんとはちょっと違ったシステムが搭載されてたの、本当に人と人が会話してるようなね…』

昔の事を思い出しミラとロボットの会話の違いについて佑に話した。

『プレゼントありがとうね、明日も仕事がんばってね、ミラちゃんが景色を観れるように母さんも頑張るからね、貴方も佑もおやすみなさい。』

レイナが研二の部屋を出ると、佑も『父さんも仕事頑張ってね、おやすみなさい』と言い自分の部屋に向かった。












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