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第二話 ネックレス

「息子は何処にいる?」

白衣を着た小柄な中年の男性が女性と話し合っている。

『またいつもの所にいるのだと思います…』

「あいつの所に行ってるのか、下らないところで技術の無駄遣いばかりしやがって…」

息子は父親の研究チームの一人で、親友の所で研究で知識を使っていることに怒っていた。

「息子に電話をするから外してくれないか?」

『分かりました…では失礼しました…』

部屋から女性が出ると、父親が電話を掛けた。

「練…あいつは側にいるのか?」

〔父さん!?今は親父さんの所にいってるとこだけど?〕

「よかったよ…それで何処まで進んだんだ?」

〔試作出きるところまで進んでるよ……本当にやるの?〕

「こいつが何処まで出来るのか試してみたいんだよ…」

父が開発したAIにゲームを作らせようと企んでいたのだ。

「これが上手く行けば簡単に制作出来るって証明できるんだぞ…」

〔そいつに作らせたこと試したことがないんだよね?何が起きるか分からないんだよ、作らせた結果大変なことになるかもしれない…父さん責任とれるの?〕

一般的な事が出来るのが分かってはいたのだが、作らせる事は一度も試したことがなかった。

〔いくら優秀だからって作らすのは反対だからな…〕

「わかったよ……」

〔もうすぐ帰って来そうだから切るよ…〕

向こうから電話を切った。

「予想はしていたが息子に飽きられるとはな……なら試すか……」

パソコンにパスワードを打ち込み解除すると。

{……ロックを解除しました、これよりこの機能により制作実験を開始します……}

「練が断ってなかったら使わなくてすんだのにな……」

「結構な時間が掛かるかもしれない…楽しみだ」


当時の佑は介護センターで働いていた。

3月25日の朝、仕事に行く準備していた。

(母さんおはよう、行ってくるよ)

玄関前に行き靴を履こうと屈むと廊下から母が声を掛けてきた。

『気をつけてね、今日お父さん帰ってくるみたいだよ』

(嬉しそうだね、僕も介護用ロボットの事で話したいことがあるから楽しみだよ)

(行ってきます)

靴を履き外に出て自転車があるところに向かった。

施設の場所は自分の家から30分くらいのところにある

(母さんの誕生日だから仕事終わりにプレゼントでも買いに行こう)

自転車を走らせながら呟いていると携帯が鳴り、自転車をすみに止めて内容を確認すると『昼ご飯しっかり食べるのよ。』と母からのメールが届きこちらも『大丈夫だよ心配しなくても毎日食べてるから』と返事を送った。

(家から出る前に言ってくれれば良いのに、でも嬉しいんだよね)

施設の駐輪場に自転車を置き、関係者入り口に向かい受付カウンターにいる人形業務用ロボットに挨拶した。

(おはよう、社員番号025番だよ)

このロボットの製造は佑の父の職場で作られていて、音声認識と顔認証システムが搭載されている。

『……認証中です……佑さんですね、ロッカーのロックを解除しました……』

(ありがとう、仕事の内容はどんなのかな?)

『……佑さんの内容は龍おじいさまの看護をお願いします……』

(ありがとう、今日の介護する人は龍じいちゃんだね)

毎週介護する人が変わり、佑が担当する人は長孝(ながたか) (りゅう)と言う介護者だ。施設に入ってくるお婆ちゃん、お爺ちゃんは孤独の人たちが多い。

ロッカーに荷物をしまって端末機を手に取り作業着を着て介護者の部屋に向かう。

(えっと…スケジュール項目は…馴れないなタッチパネル操作スマホもこうなんだよねきっと…)

端末機を操作しながら部屋にと向かうのだがまだ携帯電話(ガラケー)しか持っていなくタッチ型端末などの操作に馴れてはいなかった。

すると、廊下前から聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

「佑くんおはよう、また悩んでるの?」

(おはようございます…すいませんタッチ操作に馴れなくて…)

佑に話しかけてきたのは、施設の先輩で同じ年齢の名木(なぎ)味崎(みさき)という女性だ。

「スマホ持ってなかったね、機種変更すれば良いのに端末機貸してみてくれない?」

(変えたいんですけど、違うところとか触ったら怖いなって…スケジュール見たいんですけど)

「触らないよでも、間違って電話番号とかに触るとかけちゃうかな…、今日の担当する人は龍さんなんだね」

「おじいさん佑くんの事、本当の家族みたいに接してきてるからねすごいよ、他の人はそこまでしないからね」

(ありがとうございます、そんなことないですよ味崎さんだって担当してる美玲さんも友達見たいですよ)

「友達、家族みたいには違うじゃない…」

「ごめんね、時間過ぎちゃうね、また話しよう」

(こちらこそありがとうございます)

話し終えると、佑は介護者の部屋にと向かった。

(おはようございます、龍じいちゃん起きてますか?)

「お~佑か、おはよう今日の予定はどうなってるのかの~」

(さっきスケジュール見ましたよ、今日は今から、朝ごはんと昼からは外に出て、夜、ご飯、お風呂です)

「佑は朝ごはん食べたのかい?」

(食べてませんよ、一緒に食べましょうか、今車椅子持ってきますね)

毎週のやり取りのように介護者に挨拶をして、施設内のレストランへと向かう。

「いつものところが良い、あそこからわ綺麗な空がみえるからの~」

(僕もその場所が好きです、行きましょうか)

佑は空を眺めるのが好きで、毎朝、夜にはこの席に座って介護者とご飯を食べているのだった。

(つきましたよ、待っててくださいね、ご飯を頼んできますから)

「いつもありがとう」

(よし、僕は何にしようかな?)

ここのレストランは一般の人たちが良く食べに来ていて、食事は色々なものがあり、料理は人とロボットが作っていることからかなり評価く社員と介護者は半額で食べれるようになっている。

『……佑さんいらっしゃいませ、何になさいまか?……』

(おはよう、ハンバーグ定食とお魚定食をお願いします)

『……かしこまりました、でき次第そちらの席まで持っていきますね……』

(お願いします)

ほとんどの人たちはテーブルにあるメニュー端末機から選ぶのだが佑はカウンター越しからしか頼めなかった。

「お帰り、若いのにこの端末をつかわんのか?昔の人みたいじゃの~」

(昔が懐かしいですか?本当に今の時代は変わりましたからね)

(いまだに携帯電話しか持ってないんですよ?)

「わしには使いこなせんよ、佑は今後スマートフォンにかえるのじゃろ?一週間ぐらいで使いこなせるかもしれないがわしら老人には何年たっても使いこなせんよ」

(いずれ変えるときが来るだろうけど、どうなんだろうね?出来れば手放したくないよ)

「若いもんは覚えるのが早いんじゃよ」

(若くても使いこなせないもんはありますよ、例えばこの今仕事用の端末機、メニュー端末なんかいまだに使いこなせてないんですよ)

「それは、仕事に来ないと触れないからじゃの~、携帯からスマホに変われば使いこなせるはずじゃ~」

(なるほどね~)

『……お待たせしました、ハンバーグ定食、お魚定食です、後ゆっくりお召し上がりくださいね……』

(ありがとう、いただきます)

「いつもありがとう」

『……いえいえ、では失礼しました……』

(美味しそうですね)

「いただきます」

ご飯を食べよいと橋にてを伸ばすと、後ろの席の方から一人は若い女性、もう一人は老婆の声が聞こえてきた。

「味崎ちゃんも私と分け会うかい?」

「良いですよ、えっと、これとこれを分け会いましょう」

後ろから聞こえてきたのは先輩の味崎と介護者の美玲(みれい)と言うひとの声だった。

(いつの間に来てたんだろ?)

「味崎ちゃんかの~佑がカウンターに選びに行っている間に来ていて、端末機で注文してたんじゃよ」

(やっぱり端末機の方が早いのかな)

「同じとしなのに佑が爺さんに思えてくるの~」

(悪かったよお爺ちゃんに見えて)

二人は冗談を言いながら朝食を食べ終えて部屋に向かおうと。

「佑くんさっきカウンターから頼んでたね、早く端末機になれないとね、それと、お昼美玲さんと公園に行くけど一緒に歩かない?」

(良いですけど、龍じいちゃんに聞かないと…)

「公園に行くのか?いいんじゃないかの~、佑をよろしくな」

(じいちゃん…逆になってませんか?)

「味崎ちゃんも楽しそうじゃない?佑くんがいるからなのかね?」

「美玲さんも冗談言わないでください」

(昼頃にロビーで待ってますね)

「わかったよ、お昼にね」

佑たちは介護者の部屋にと戻り、お昼まで時間を潰すことにした。

「テレビでもみるかの~?」

(つけますね)

「ゲームの宣伝かなんかなのかの~?」

テレビをつけるとそこには、今流行りのアプリ紹介番組がやっていた。

「昨日、何も宣伝告知なしにアプリストアーに新作アプリが配信されました。」

(急に配信されたのか?どんなゲームなんだろ?)

「このアプリを開いたままカメラに色々な物を写しゲームの構造を作っていくと言う内容みたいなのです」

「配信されたばかりで私たちも何もわかりません」

(何だろう?意味がわからないゲームなのはわかるね)

「そうじゃの~こんなもんで生活できるのかわからんの~」

何が面白いのかわからないのだが、佑たちはその番組に夢中に鳴り約束の昼近くになっていた。

(待ち合わせの時間だね、そろそろしたくしてロビーに向かいましょう)

「いこうかの~」

テレビを切り車椅子に介護者を乗せロビーえと向かう。

(どうも、お待たせしました、行きましょうか)

「待ってないよ、私たちも今来たところだから」

(待っててくださいね、受付で外出許可貰ってきますから)

「私も取ってきますね」

介護者と外出するためには受付ロボットに許可書を発行してもらはないと行けないようになっており、二人同時に許可書を貰えるのではなく別登の場合は個々で許可書をもらはなければ行けないのだ。

『……矢坂 佑さん外出許可書です、気をつけていってらっしゃいませ……』

『……名木 味崎さん外出許可書です、気をつけていってらっしゃいませ……』

(行ってきます)

「ありがとうね行ってきます」

許可書を発行して貰い、公園にと行くと、若い人が端末をかざして周囲の景色を撮影していた。

(何してるんだろう?)

「ただ単に景色取ってるだけじゃない?」

(何か撮られてるみたいで嫌な感じがしますね)

「そうじゃな~」

「佑さんも味崎ちゃんも気にせん方がええ」

(そうですね公園に来たことだし楽しもう、じいちゃんものんびりしよう)

「佑くんの言う通りだね美玲さんも楽しんでくださいね」

「あの~よかったら龍さんと話がしたいのだけどいいかしら?」

ふと美玲おばあさんが佑に聞いてきた。

(僕は良いですよ、じいちゃんは大丈夫?)

「美玲さんと一緒に散歩ですかの~いいじゃろ、よろしくお願いします」

「佑さん龍さんをお借りしますね」

「美玲さん龍さんに怪我させないようにね」

(行っちゃいましたね、何か恥ずかしいですね)

「何がですか?私と二人になるのがですか?」

(それもあるんですけど、じいちゃんと美玲さん見てるとデートしてるみたいで)

「確かに、微笑ましいね」

「時々、美玲さん元気がないときがあってね、そうなると何も話したくないみたいで私も辛くなるの」

「元気になるにわどうしたら良いのかなって、佑くん龍さんが元気がなかったらどうするの?」

( 難しい質問だね…元気がないときなんかないからね)

(ここに来る介護者は孤独の人達が多いから、なるべく隣の介護者さんたちと逢ってあげるのが元気に近づけるのかも知れないよ)

「龍さん元気なときが多いんだね、羨ましいな、そっかこうして誰かと話をすると元気になるんだね」

「色々な人達と話しさせてあげないと行けないね、ありがとうね」

(本当にじいちゃんたちが夫婦に見えてくるね)

「美玲さんも楽しそうだしね」

話していると、佑の携帯にメールが届くおとが聞こえて、中身を見てみると。『今日は、お兄ちゃんが帰って来るんだって、夜ご飯どうするの?』と母からのメールだった。

「懐かしいおとだね、メール?」

(前にも同じこと言ってましたよ、母さんからのメールです)

味崎に返事を返しつつ母にメールを返した。

「だって懐かしいんだよ携帯」

龍お爺ちゃん、美玲お婆ちゃんが佑たちのもとえと帰ってきた。

「味崎ちゃんただいま、佑さんもありがとうね」

「お帰りなさい、喉か沸いてないかな?」

(じいちゃん顔が照れてるよ、お帰り)

「美玲さんどうもありがとうございました、楽しかったわい」

「いえいえ、こちらこそ久しぶりに笑顔になりました」

(そろそろ戻ろうか…)

「そうですね、美玲さん私に掴まっててくださいよ」

「味崎ありがとうね、押し車がないと歩けないからね」

(じいちゃんも行こうか)

公園の時計は16時00分を差していた。

(今日はありがとうね声かけてくれて、じいちゃんが他の人達と喋ってるところ見れたから)

「私こそありがとうね、美玲さん最近笑顔が少なかったから久しぶりに楽しそうにしてるところを見れました」

お互いに御礼を言いながら、施設の入り口に戻ると『……お帰りなさいませ……』とロビーロボットが戻りの挨拶をし、いつものように二人が(ただいま)「ただいま」と返事を返した。

「美玲さんありがとうのぉ~楽しかったわい」

「こちらこそありがとうございます、久しぶりに味崎ちゃん以外の人と話せて楽しかったわ」

男性登、女性登は分かれており、おばあさんは男性の介護者と話せる機会がなかった。

「私たちはこれで失礼しますね」

(また、明日話せたら)

こうして、二人は介護者の部屋にと向かっていった。

(楽しかったね、じいちゃんあんなに照れなくても…)

「佑こそ緊張しとったんじゃろ?」

(してたけど…僕はもう少しで上がりますからね、介護ロボット呼んで来るからね)

職員達が帰宅するときには介護者の部屋に、ロボットを呼ぶように決められている。

「いつもよりはやいの~帰り道きをつけるんじゃよ~」

(ごめんね用事があってありがとう、じいちゃんもおやすみ)

お互いに挨拶を言い、佑は従業員ロビーに向かう。

『……お疲れさまでした……』

(お疲れさま、部屋番号020室に介護ロボットをお願いします)

『……かしこまりました、では気をつけてお帰りくださいませ……』

(おやすみなさい)

仕事を終え自転車乗り場に向かうと、公園で見た光景と同じ用な姿勢の男性がボソボソと呟きながら立っていた。

「場所合ってるのか?従業員専用の駐輪場だけど…」

(すいません、ここ従業員専用何ですけど?)

「アプリに示されてるところがこの場所なんですよ…」

その人が見せてきた端末には色々なミッション項目が並んでいてどうやらその内の一つが今いる駐輪場を示していた。

(ここの場所ですね…)

「本当にごめんなさい」

男性が謝罪をしてから、その場を去ってしまった。

(なんだったんだ。)

自転車に乗り施設から離れたところにある最近出来たばかりのショッピングモールへと向った。

モールの駐輪場に自転車を停め入り口方面に行くと案内パンフレットが配られていた。

「いらっしゃいませ、パンフレットをどうぞ」

(ありがとうございます、えっと…)

パンフレットの中身をみてみると、面白そうな店舗が入っていたのだが、母のプレゼントを買いに来たのでまたの機会にすることにした。

母は昔に大事にしていたネックレスのチェーンが切れてしまったことを話してくれていた。

(母さんに見せてもらったあの飾りは…携帯写真撮ってたよね…)

携帯電話で写真を探していると、メールが着ていた「久しぶりに帰ってきたぞ、母さんの誕生日だから早く帰ってきなさいね」と父からのメールだった。

(何日ぶりだよ父さん)

嬉しそうな表情でメールを閉じ飾りの写真を見つけた。

三階のネックレス売り場に付くと店員に飾りに合うチェーンの事を聞いた。

「こちらに合うチェーンですね、少々お待ちください」

数分待っていると「お待たせしました、三種類ほど持ってきたんですが、どちらにしますか?」と3本のチェーンを持ってきた。

「あずき型、ベネチアン型、ペタル型がごさいます」

あずきチェーンは小豆みたいな形で、ベネチアンチェーンは四角い形をしたもので、ペタル型は花びら見たいな形をしていた。

(母さん似合いそうなのは…これかな…)

「袋にいれますね、ありがとうございました」

(ありがとうございます、急いで帰らないと)

急いで駐輪場えと向かい家に帰る。

他の家とは違い佑の家は古く台風が来たらすぐ倒れてしまいそうなぐらいだった。

家のガレージに自転車を起きに向かうと父の車が停まっていた。

(父さんの車、久しぶりに見たな、新車みたいにキレイだけど年代ものなんだよね、本当に手入れが凄いな)

父の車は息子たちが産まれる前からの物で今では珍しいタイプの車種だった。

ガレージに自転車を置いて玄関の呼び鈴を押すと中から男性の影が近付いてくる。

『久しぶりだな佑』

(ただいま父さん見ない間に痩せたね、ちゃんとご飯食べてるの?)

下駄箱に靴を入れ、話ながら台所えと向かう。

『佑も痩せたんじゃないか?』

(だいぶね、仕事の影響かな)

『頑張ってるみたいでよかったよ、メンテナンスはどうだ?』

父の会社から最初に作られたロボット3台を佑が入ると同時に介護施設に提供していたのだ。

(メンテナンスしてるよ、1台は慣れたものだけど後の2台は組み立てるのが大変なだけだよ)

『問題ないんだな?』

(どうして?)

『視覚カメラに何かを写すと行動がおかしくなるみたいなんだ、家にくる前にそのような報告があったんだ』

(別に内部プログラムに異常は無かったけど…)

『行動がおかしくなったらどんな時でも強制停止させるんだぞ』

都市の仕事の施設には100台位のロボットが派遣されていてそのうちの何台かに異常が見つかったのだ。

(うん…)

すると、家のガレージから車の止まる音が聞こえ玄関の呼び鈴が鳴った。

『今開けますよ。』

玄関の方から嬉しそうな声で母が開けた。

『ただいま母さん、父さんいるんだね』

『いますよ、それと佑も父さんと話してるところ』

下駄箱に靴をしまうと佑達が台所に二人で向かった。

(兄さん久しぶり、元気にしてた?一人暮しはどうなの?)

余りにも嬉しすぎて早口言葉で兄に話しかける。

『落ち着けよ、俺も会えて嬉しいんだから…』

父、母が嬉しそうに二人を見た。

『みんな揃ったことだしご飯にしましょうか』

母が食事を取りに行くと、兄が佑に話しかけてきた。

『ご飯食べ終わったら話があるんだけど?』

(良いよでも母さんにプレゼント渡してからね、僕も話したいことがあるし)

テーブルの上に食事が並べられた。

『久しぶりに家族でご飯なんて嬉しいわね』

(母さんと二人きりだったからね、父さんと兄さんがいるから僕も嬉しいよ)

ご飯を食べながら父、祝に話すと、佑が母にプレゼントを渡した。

(誕生日おめでとう、これ合うといいんだけど)

『ありがとうね…チェーン?』

不思議そうな表情で佑を見た。

(前に見せてくれたじゃない、イルカの模様が入ってるアクセサリー、その時に携帯のカメラに撮ったんだよね)

『あの…ちょっと待っててね今アクセサリー持ってくるから…』

佑がまだ15歳の時に母の大切な宝物を見せてもらったことがあったのだった。

(父さんがプレゼントしたものなんだよね?)

佑が父に聞いてみた。

『確かにプレゼントを渡したんだが…選んだのは私じゃないんだ…』

思い悩んだ用な声で二人に話していた

『祝は覚えているかな?』

『うん…なんとなくだけど、佑が産まれる前の話だよね?…俺がまだ5歳ぐらいの時だったっけ?』

『そうだな…母さんが初めて開発した二足歩行型のロボット…』

佑が知らない事を父、兄が話し始ようとしたら、母がアクセサリーを持ってくると同時に佑に貰ったチェーンをアクセサリーに着けた。

『懐かしいわね、私が初めてあの子と貴方にもらったネックレス…』

『母さん…佑に昔の話でもするか?』

父が母に尋ねてみた。

『そうね…いいわね祝は覚えているかわからないんだけど、私が初めて開発したアンドロイドと父さんの話も交えてね』


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