コンビニの男
コンビニで働いている男がいる
片目が見えない男だ
それを除けばいたって健康な男だ
しかし片目が見えないことによって男の人生はまるで違うものになった
まずスポーツを辞めなければいけなかった
男が愛したのはボクシングだが
ボクシングは男を愛さなかった
その男を今悩ませているのは同僚のバイトの学生、とにかくうるさい
何だかプロゲーマーになりたいそうだが上手くいってないようだ・・・
『またダメだったよー、練習試合でボロボロだよー』
『そうか』
『そうですー、ボロボロですー』
『がんばれ』
俺は毎日同じ会話の繰り返し
ーそんな中コンビニに強盗が来たー
『金を出せ』
俺は少しだらけながら返事をしてしまった
『あーはい』
『何だ!お前舐めてんのか!あー!』
犯人は興奮しているようだ
『落ち着いてくだ』
俺が言い終わる前に強盗は刃物を振り下ろした
が当たらなかった、犯人の動きはスローだった
気がつくと右ストレートが強盗のアゴをクラッシュしてた
俺が殴ってた
強盗はゆっくり倒れた
ハッと我に帰りガムテープで強盗をぐるぐる巻きしてすぐ通報すると、警察が到着して強盗と俺を連行して行った
取り調べでは、正当防衛が証明できたようだ