運命の出会い
今回DIY要素は薄めです。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、し゛ぬ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ところで、失神した小学6年生をどこかに運んだことがあるだろうか。人間というのは意識があるときは無意識にバランスをとってくれるので、実際の重量よりは軽く持ち上げることが出来る。しかし失神している場合にはそれが行われず、単純に重量通りの重さになってしまう。人間であればいわゆる「消防士搬送」という方法で運ぶことが出来るので、全身の筋肉を使って運べる。だが、それが業務用レーザープリンターの場合はどうだろうか。
EVASONのLP-Z6160。カタログ上の質量は約44㎏。
感光体ユニットやトナーカートリッジは取り外したので、おそらく4㎏くらいは軽くなっていると思う。それでも約40㎏。鏡花の作ったレポートの下読みをしてやった時に、大体小学校6年生男児の平均体重が42㎏くらいって書いてあった。ほとんど筋トレをしていない俺にとっては、何とか持ちあがるけどすごくきついというレベルの重さ。事務機器の設置をしている会社の人や、運送業の人ってすごいなと改めて実感する。
こんなもん持ったまま階段をどんどん上っていくのは無理。一段のぼってまた一段。ぶっちゃけありえないくらいの時間をかけて何とか部屋の中に搬入する。
入口まで運んだところで、立ち眩み。「あ、ヤバい」と思ってとっさに機械を置いたところで、俺の記憶は途切れた……。
「おーい、せんぱーい。生きてるっすか?死んでたら返事してくださーい」
鏡花の声が聞こえる。というか、死んでたら返事できないだろ、常識的に考えて。
ボケはともかくとして起き上がろうとしたが、足・腰に激痛が走り、そのままこけて腕をついたところで腕にも激痛が走る。格好良く言っているが、要するに筋肉痛だ。格好悪いことに。
「せんぱい、とりあえず電源の有るとこまで運んでステータスシートの印刷をしておいたっす」
「そうか、ありがとう」
横になったまま会話をしたところでふと気が付いた。
「お前、よく持てたな……」
男の俺でもきつかったのに、よく鏡花が運べたもんだと感心した。
「そんなに重くないっすよ?多分45㎏くらいっすよね?70㎏までなら余裕っすよ」
力こぶを作って見せる鏡花。すげえ。いい筋肉してる……。
とまぁ、その辺は置いておくことにして、今はこの機械のご機嫌をうかがわないと。
鏡花に印刷してもらったステータスシートを見てみる。おれ、外せるものは外して軽量化しておいたわけだけど、元に戻されている。なんだかんだ鏡花もOA機器を扱えるようになってきているのがウケる。
「……は?全然使ってないじゃんコレ」
スタートアップトナーと言われる初期同梱のトナーがある。これは基本的に新品のトナーよりも量が少なめに設定されている。大体中古屋に流されるときはこのスタートアップトナーが空になったから新品にするってパターンが多い。
今回入手したLP-Z6160は売値が消費税まで考えても4万円しないで買える。ところが、交換用のトナーは1色約1万円×4色の約4万円。極端なことを言うと、新品を買いなおしたほうが安くなってしまう可能性もある。特に、在庫処分で本体がセールになったり、メーカーがキャッシュバックキャンペーンを売った時は顕著だ。
「せんぱい、裏側なんか印刷されてるっすよ?」
鏡花の指摘を受けてひっくり返してみてみる。
「……おいおい、コレ公的な機関へ提出する書類の写しだ。結構前だからもう必要なくて裏紙にしたのか」
中古品あるあるだが、こういった具合に「ヤバい」情報が結構残されていたりする。特に意外とこういう「裏紙」は忘れがちなので注意が必要だ。いわゆる「悪い人」に渡ってしまった場合、どんな利用のされ方をされるかわからない。おそらく、今回はいわゆる「借金のかた」として売られたようだ。
話を元に戻そう。このLP-Z6160というレーザープリンターはA3まで印刷できる製品になっている。しかもオプションをつければ両面印刷も可能というすごい機械。
当然、オプションも中古品で購入済み。明後日には届く予定。
……ただし、当然弱点もある。この機械は無線LANに非対応なのだ。本来は、企業で使われることが想定されているものであり、有線LANにて接続をするという前提になっている。自分のデスクからデータを飛ばせば印刷がされる。だけど、俺みたいな個人で使いたい人間にとっては不便極まりない。有線LANを部屋中に張り巡らせるとダサいし、美しくないので無線LANで使いたいところである。
……この筋肉痛が治ったら、無理やり無線に対応するようにしてやろう。
レーザープリンターは良いぞ。印刷は早いし、きれいだし。
難点は、電力消費がものすごいです。
わたくしは部屋の電灯がLEDなのですが、機械の起動時は若干電灯の動作が不安定になります。
わたくしはこの機械でDIYをするときの図面を出力したり、
推しの作家さんへのファンレター印刷に使ったりしています。