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インクの詰まりを直そう(ハードモード)

では、さっそくインクの詰まりを治していきましょう

 鏡花を家に送り届けた後、家の中にプリンターを運び込む。


 ……重いっ!!


 EVASON(エヴァーソン)のRX1700-Fは約19㎏ある。小学1年生の平均体重が20kg前後なので、その重さは想像できると思う。

 ――完全に余談だが、ある程度大型の機械になると比較対象が「体重」になってくるのは仕方ないだろう。

 俺の部屋は2階にあるので「うおぉ、きっつ……」とか独り言を言いながら運び込む。重い機械(おんな)って大変だよね。


 さて部屋に運び込ん(つれこん)だわけだが、ここからの作業自体は実は非常に簡単。プリンタヘッドに専用の薬液を送り込んで数分~数時間放置するだけである。

 ちなみに、人によってはプリンタヘッドを取り外して、無水エタノールやお湯などで洗うという人もいる。この方法は個人的にはおすすめしない。外してはいけない配線を外してしまい二度と使えなくなってしまうことがある。実は今回いじっている機種の下位機種のRX-1600Fで、失敗したことがある。この時は面倒くさいので、大手家電量販店に「故障品」としてお金を払って引き取ってもらった。その時以来俺はヘッドの分解をすることをやめている。


「説明書設定作業時間30分経過。変化なし」


 寝る前に作業をして治ったらラッキーと思ったが、やはりそう上手くはいかないようだ。ヘッドクリーニング後のノズルチェックパターン印刷で青系のラインが複数本印刷されないといけないが、1本も正常に印刷されなかった時点で覚悟はしていた。ゆえに、持ち帰らせてもらって作業をすることにしたわけだし。

 この商品の通信販売サイトには、「説明書通りにやってもダメでしたが、ヤケで一晩放置したらなんかよくわかんないけど治りました」とレビューで書かれている。つまり、単純にあまりにもひどくインクが固まってしまっている場合には、説明書通りの30分放置では溶け切らないのである。おそらくアルコール系の溶剤であると思われる、――成分の表示がないのでわからない――この薬品を注入して一晩放置する。明日は講義が2限からなので、大学行く前に様子を見てだめならもう一度作業しておけば大体治るだろう。多分。



 朝になってインクヘッドのチェックを行う。

「8本までが正常に印刷されるようになったか……。で、完全に出ていないラインは3本と……」

 このレベルまで回復すると「なんか印刷がかすれるようになって、。ヘッドクリーニングしたけど治らないから買い換えるか」というレベルになったといえる。というか、あったこともないおじさんに文句言うのもあれだが、こんな状態のを娘に与えるな。まだ格安の新品を買ってあげたほうがいいぞ……。


 グチを言いながらもう一度薬液の注入を行う。インク詰まり解消キットについてきた注射器で薬液を吸い上げる。EVASONのインクヘッドにはとげのようになっている部品がある。この部分に注射器の先端についているゴムチューブを差し込む。この時、コーラを飲んだらゲップが出るくらい確実に手が汚れる。メーカーさんもそれを見越してビニール製の手袋をつけてくれているが、はっきり言って使いにくい。

 ホームセンターやカー用品店で売っている箱入り50枚みたいなゴム手袋があると、手に密着してくれて作業がしやすいのでDIYをするときには買っておくといいと思う。

 これで、今日大学に行っている間にはインクが溶け切ってくれると思う。少なくとも、実用上問題がないレベルまでに回復はすると思う。



「こちらがインクのチェックパターンになります。ご覧いただいてわかると思いますが、3か所ラインに欠けがあると思います」

「……これ以上は修理できないのですか?」

「実用上問題がないと判断しております。私のほうでテスト印刷として写真を印刷させていただきました。こちらがそれになるのですが、印字に問題がないので修理完了とさせていただきました」

 俺は鈴城(すずしろ)さんに修理の報告を行っている。ぶっちゃけ、これ以上の修理は不可能ではないが困難であるし、やる意味もほとんどない。おそらく使っていくうちにインクで固まったインクが溶けて元に戻ると思う。

 印字した鏡花の入学式の写真を見せてみる。鏡花がなんが「ちょっ!せんぱい!?なんでそんな写真あるんすか!?」とか言っているけど右から左へ受け流す。


「わかりました。ありがとうございます」

 修理に使った溶剤のお金に少し色を付けた金額を受け取り、修理完了。いやーいい仕事した。

 そういえば、普段あまり行かない中古屋がこのそばにあったから寄って帰ろっと。

 俺はもらったお金を財布にしまい、ついでにいくら入っているのかを確認して鏡花とともに帰路に就いた。

この方法を使ってもダメな場合はあきらめましょう。

ムリをすると怪我します。


なお、あいつは慣れているので特に床に何もひかずにやっていますが

実際にやる場合には新聞紙や、捨ててもいいタオルをひいてください。

汚れたら、落とすのが非常に困難です。

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