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66 閑話 イリスとの大人な新婚生活

○ アリス達と結婚した直後くらいの話です。新婚生活(?) 酔っぱらって書いたので、かなりエッチです。嫌な方は、読まないようにお願いします。


 ラプアシア領主の城にある訓練場。


 そこでイリスが近衛兵士全員を相手に乱取りをしていた。


 1対多数の模擬戦……。


 しかしイリスが一方的に、近衛兵士全員を圧倒していた。


 最後の近衛兵士の隊長が地面に伏した時、そこに拍手が響いた。


 カレラを乗せた揺りかごの隣で、観戦していたアゼルだ。


 それを見て勇猛果敢だったイリスが突然モジモジし始め、まるで初心(うぶ)な女の子のようになってしまう。


「教官……そろそろパトロールの時間ですぜ」


 気を利かせて隊長が言う。


 過去に冒険者の大規模クランの襲撃があってからは、領主であるアゼル自らが時間を作って、警備の為に都アゼリアをパトロールして廻るのが習慣となっていた。


 以前は警備隊が同行していたのだが、イリスと結婚してからはイリスと二人だけでパトロールに行っていた。


 今日も二人でパトロールに向かおうとするイリスとアゼルに、副隊長が敬礼して大真面目に言った。


「行ってらっしゃいませ、アゼル様、イリス教官!」


 そこに、お調子者の兵士が付け足す。


「ついでに、二人目もつくって来て下さい」


 それを聞いたイリスが、耳まで真っ赤にする。


 日頃の鬼の訓練の逆襲であった。


 領主の世継ぎが3人しか居ない……少ないことが、このラプアシア領地の大問題なのでイリスもアゼルも文句が言えない。


 曖昧に笑って、二人でパトロールに向かった。


 仲良く腕を組んで……。


 兵士達の冷やかしがヒートアップしたのは言うまでもない。



 アゼル(アベル)と二人で、アゼリアの繁華街を歩く。


 すれ違う領民達と明るく挨拶を交わし、短く会話をして笑顔で別れる。


 アベルにとって領民は家族であり、領民達にとってもアベルという存在は、まるで話しやすい優しい父親のようなものなので気さくに話しかけてくれる。


 ……が、イリス……第4婦人の姿を見て、気を利かせて、あまり邪魔しちゃ悪いと、そそくさと離れる。


 中には「頑張って下さいね」と、イリスに声をかけて去っていく若い女性も居る。


 なにを頑張って欲しいのか……その意味の分かるイリスの顔が真っ赤になる。


○ イリス視点。


 チラリとアベルの横顔を盗み見る。


 陰の一切ない、幸せそうな明るい笑顔。


 俺達……妻達やカレラ達……子供達に見せてくれる極上の笑顔。


 俺が側に居ることが、そんなに嬉しいのか。


 俺が側に居ることが、そんなに幸せなのか。


 ただ、俺が側に居るだけで、そんなに幸せになってくれるんだ。


 アベルにとって俺って、そんなに価値のある存在なんだ……。


 ……嬉しい。


 俺もアベルが側に居るだけで、こんなに……言葉では言い表せないくらい幸せだよ。


 この人の側に、俺が居てもいいんだ。


 この人の側に居て、大丈夫なんだ。


 俺の居場所はここなんだ。


 この心に満ちる、大きな安心感。


 ただ俺は親愛を込めて、アベルの腕を抱いた。


 二度と手放すものか、と、力を込めた。


 なぜかアベルの前では俺は、か弱い小娘で大した力が入らなかった。


 そんな俺を見てアベルが、まるで大人のように、包み込むような大きな心を感じさせてくれる笑顔で笑いかけてくれた。


 腰が抜けるかと思った。


 力が抜けて、腕にすがり付いた。


 アベルが優しく、俺を支えてくれた。


 この人の前では、竜の戦士とまで呼ばれる俺が、か弱い女の子になってしまう。


 心が千々に乱れて、もう、どうにかなってしまいそうになる。


 アベルは、そんな俺の全てを優しく包み込んでしまう。


 ……大きい。


 本当に、大きな男だ。


 うっとりと、ため息をつく。



 ……服が邪魔だなぁ。


 ただ抱き締めるだけでは、満足できなくなってきた。


 素肌で触れ合いたくなってしまった。


 ……ひとつになりたい!


 じっと、アベルを見つめる。


 ……潤んだ瞳で。


 その瞳の意味に、アベルは気づいてくれた。


 なにも言わずに人通りのない裏路地に入り、高級な連れ込み宿に吸い込まれて行く。


 キサラ……クレア……アリス、エミリー……ごめん。


 その後……俺はアベルと存分に素肌で触れ合った。



 行為が終わったあとで、言葉が口に登った。


「アベル……いくら避妊してても、これだけやったら出来ちゃうぜ?」


 さんざんヤった後に言うのが、俺の卑怯なところだ。そう、俺は避妊具の誤動作を期待しているのだ。


 この人の赤ちゃんを、どうにかして産みたい。どうしても産みたい。赤ちゃんが欲しい。


 ……もう、どうしようもないんだ。


 だって、そうだろう?


 憎んでる男に子供を産まされて、本当に愛してる男の子供は産んじゃダメだなんて、女にとって、これ以上辛いことなんてあるものか!


 アベルは頭を下げて、俺にお願いをした。


「もし子供が出来て、俺がカレラ達を大切にしなくなったら、イリスが俺を思いっきり殴ってくれ。目を覚まさせてくれ……頼む」


 久々の俺アベル……不良アベルを頂きました! ボクアベル……子供アベルも可愛くて好きだけど、やっぱり不良アベルも、かっこよくて捨てがたいよな。


 俺はアベルと指切りをして約束した。


 俺は指切りした小指を愛おしく、いつまでも見つめていた。


 小指を見つめるニヤニヤが止まらない。


「イリス……好きだよ……」


 ボンっと音を立てるほど顔が赤くなった。


 不意討ちは卑怯だ!


「お……俺もアベルが好きでしゅっ」


 ホラっ、もう、あわあわして噛み噛みだ。恥ずかしい。


 アベル……俺をこんな風にした責任取ってくれよ?


 男勝りの戦士だった俺が、今じゃか弱い、ただの女の子だ……。


 もう、アベルなしじゃ生きていけない体になってしまったんだからな。

2021年6月18日 読点を修正しました。

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