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21 閑話 野良犬ノーラ
カレラ達が幼い頃の話です。
○ 野良犬ノーラ
飛空船セントエレメントでメイドの修行をしている、ひとりの少女がいた。
犬の獣人の女の子で、拙い手付きで掃除に勤しんでいた。
「「「ノーラおねえちゃーん!」」」
そこに、主人の娘達である、幼女カレラ、オードリー、ウェンディが駆けてくる。
3人は満面に笑顔を浮かべて、ノーラに飛び付き、せがむ。
「「「ノーラおねえちゃん、遊んで!」」」
ノーラが困った顔で、ノーラの世話係であるメイド長を見る。
メイド長は、ため息を吐いて、言った。
「仕方ありませんね。お嬢様方のご命令には逆らえません」
ノーラは、笑顔になり、頭を下げた。
「ありがとうございます…おかあさま」
「仕事中は、メイド長と呼びなさい」
厳しい口調でメイド長が嗜める。しかし、その口元は、緩んでいた。
「はい! メイド長」
礼をして、3人を連れて、遊びに向かう。
その背中を、温かな瞳で、メイド長は、見つめているのだった。




