20【完結】そして恋人になっていく
ラプアシア辺境伯領のある黄金の大地ラプアシアとゴブリンの王国のある森の間には緩衝地帯として荒野がある。
そこにゴブリンの王が率いる10000の軍勢が押し寄せていた。
対するラプアシア辺境伯領の兵士は、騎士を含めて、5000。
ゴブリンの半分の数値である。しかし、兵士達に絶望はなかった。
ラプアシア辺境伯領を囲う城壁の上に、地味なローブを着た成人に成り立ての、燃え立つような赤毛の、神のごとく美しい少女が立っていた。
少女が、朗々と呪文を唱え、杖を天に振り上げると、天空を引き裂いて、巨大な隕石が豪雨のようにゴブリンの軍勢に降り注いだ。
爆音を上げ、地面を爆散させる。
これによって、ゴブリン軍の数は、3000にまで減った。
この大魔法を行使した少女の名は『賢者ウェンディ』と言った。
残る3000のゴブリンが兵士達に襲いかかる。
兵士達の後ろに、恥ずかしがるように、前髪で表情を隠した、聖印を胸に着けた、身震いするほど神秘的で美しい巫女が控えていた。
巫女が聖印を振りかざすと、聖なる光が兵士達を包み、無敵の強度を誇る光り輝く黄金の全身鎧となった。それだけではない。兵士達の背に、光り輝く天使の翼が現れ、空を飛び、空という圧倒的優位から、ゴブリン達に襲いかかった。そして、兵士達が一方的にゴブリン達を蹂躙する。
兵士達を優位に導く、この神の奇跡を行使した少女の名は『聖女オードリー』と言った。
ゴブリン達がひしめく荒野を、まるで無人の野を往くように走る、軽鎧を着たボーイッシュな、神々の祝福を受けているかのごとく美しい少女がいた。少女は、真っ直ぐに、ゴブリンの王……全長5メートルほどの巨大な、太った豚のようなゴブリン……の元にたどり着き、閃光のような剣技で、一瞬のうちに、ゴブリンの王を、討ち取ってしまった。
この戦の神のごとき少女の名は『剣聖カレラ』と言った。
この3人の英雄の働きで、永きに渡り森を支配していた、魔王の先兵……ゴブリンの王国は滅亡したのだった。
○
魔界に魔王が生まれて17年。戦争は硬直化していた。
小競り合いが続き、人間界の国王……になった……勇者セインは、決め手を欠いていた。
そこに、ゴブリンの王討伐の知らせが届く。
新たな英雄の誕生に、国は湧いた。
○
「王よ、お耳に入れたいことが……」
情報の収集を得意とする家臣が、王座に座す、美麗な王セインに耳打ちした。
「英雄である『賢者ウェンディ』『聖女オードリー』『剣聖カレラ』の素性が分かりました」
「ほう、聞こうか」
「……セイン王の娘でございます」
セインのこめかみが、ピクリと動いた。
その顔が、喜色に染まり、大喜びの声をあげる。
「ならば、王族として、呼び寄せろ。そして、魔王との戦の前線に送り込むのだ」
「お待ち下さい」
それを、老齢の家臣がとめる。
「なんだ」
いらいらとする、セインがぶっきらぼうに言う。
「3英雄のいる、かの地は、魔王から天界を守る最後の砦でございます。イーステリアと含め、古より、かの地の戦力は呼び寄せてはならない盟約があります」
「ふむ……」
セインは考え、言った。
「では、余が直々に迎えに行こう。なに、戦力の引き抜きではない。父親が自分の娘を迎えに行くだけだ」
王の智謀に、家臣達は、称賛の声をあげた。
「「「さすがは、セイン王です!」」」
○
ラプアシアの堅牢な城の中庭に、領主であるアゼルの子供達が集まり、子供達に大人気の、子供達の姉である3英雄、カレラ、オードリー、ウェンディが、子供達に請われて、それぞれ、剣術、神聖魔法、魔法の指導をしていた。
カレラもオードリーもウェンディも、子供達も、笑顔が絶えず、楽しそうにしている。それは、幸せに満ち溢れた光景だった。
そこに、父親であるアゼルが訪れた。
あっという間に子供達にもみくちゃにされ、喜びに悲鳴を上げるアゼル。
思春期のカレラ、オードリー、ウェンディは、そこまで無邪気にはなれず、どこか頬を染めて、父親であるアゼルのことを、もじもじしながら、ちらちらと見ていた。
ちょっと前まで、子供達と同じように、もみくちゃにしてくれたのだが、思春期の娘は難しい。
少し、さみしいアゼルだった。
○ カレラ、15歳
それは、ほんの偶然だった。
(愛する)アゼルおとうさまと、本当に仲のいい親友のような5人のおかあさま達が、私達に秘密で話をしているのを聞いてしまったのだ。
内容は、この国の王様が来るということ。それは分かる。この国の食糧の約4割を、ここ、ラプアシアが生産している。魔王との戦争の兵站は、この辺境伯領が賄っているというのは、絶対的な事実だ。それゆえ、おとうさまの、国での発言力は絶大で、たとえ国王様でも、軽んじることは出来ない。むしろ、挨拶に来るのが遅いと感じるくらいだ。どうも、この国の王様は、おとうさまが食糧を支援して当たり前と思っている節がある。
私達3人、私カレラと、オードリー、ウェンディは、ドアの隙間に聞き耳を立てた。「娘達には、絶対に、秘密」というおとうさまの言葉の切り出しが、どうしても無視できなかったのだ。
○
おとうさまが、なにか言っていた。詳しいことは、途切れ途切れで聞き取れなかった。
「国王セインは、殺しましょう」
口火を切ったのは、そんな過激なことを一番言いそうにない、クレアおかあさまだった。
クレアおかあさまが、今まで見たことがないくらい激怒している。
私達は、震え上がった。
5人の中で、一番、怒らせてはならないのが、クレアおかあさまなのだ。ちょっと、漏らした。
「待ちなさい」
第1婦人であり、アゼルおとうさまの妻達のまとめ役である、キサラおかあさまが、クレアおかあさまを諌める。
私達は、ほっとした。
それもつかの間、キサラおかあさまは、今まで聞いたことのないような、地獄の底から響いてくる怨嗟の声を放ち、言った。
「拷問して、苦しめてから、殺しましょう」
目を閉じて腕を組み、黙って聞いていた、おとうさまが、ハッとして言った。
「それだ!」
それだ! じゃないでしょう、おとうさま! 戦争になりますよ!
残る3人のおかあさま。アリスおかあさま、イリスおかあさま、エミリーおかあさまが必死に止めて、なんとか、無難に迎えることになりました。
私達は、おとうさま達と、国王セインとの間に、並々ならぬ因縁を感じ、それが、とても気になったのでした。
○ オードリー、15歳。
セイン王来訪の日、私達は、天空の国ラピータの、急遽開催された祭典に出席していた。
……私達の身代り人形が……。
おとうさま、おかあさま達に内緒で、入れ替わり、本体は貴人を招く応接間の隣で聞き耳を立てていた。鏡のひとつがマジックミラーになっていて、中の様子が見て取れた。すぐに、応接間にセイン王がやってきた。やってきたセイン王は天界で通用しそうな美麗な男性だった。
「セイン王には、ご機嫌麗しゅうございます」
慇懃に挨拶しているが、私は見逃さなかった。アゼルおとうさまの額に怒りの青筋が浮かんでいるのを。
おとうさま……相当、怒っているわ……。
のんびり屋の、おとうさまが、ここまで怒る理由が私には、分からなかった。
この会見を見れば分かる……。
そう思って、鏡の向こうに集中した。
「おう、アゼル。俺の娘達を渡せ」
前置きもなく、セイン王が言った。
傲慢な口調だった。
娘達? この領地にセイン王の娘達が居るの?
私達は、驚き、顔を見合わせた。
「娘達と言われましても……」
「しらばっくれるな。俺がアリスとイリスとエミリーに産ませた、カレラとオードリーとウェンディのことだ」
私の心に、衝撃が走った。
明かされた衝撃の真実に、目の前が真っ暗になった。
え……私達……おとうさまの、子供じゃなかったの……?
そんなの嘘だ! そんなの嫌だ!
取り乱し、子供のように、泣き叫びそうになるのを、鏡の向こうに集中することで、なんとか誤魔化した。
おとうさまが、ふーっと、ため息を吐いた。
引きちぎるように、自分の襟首を開いて、乱暴にソファーに身を投げ、行儀悪く両足をテーブルの上に投げ出した。
おとうさまらしくない、荒々しい態度。
口調も荒々しく、セイン王に言い放った。
「お前、アリスとイリスとエミリーを、何回、抱いた?」
おとうさまの、あんまりな態度に、気を悪くしながらも、セイン王がこたえた。
「50回は抱いている」
そのこたえを、おとうさまは、鼻で笑った。
「俺は500回以上抱いている。常識で考えろ。どう考えても、カレラとオードリーとウェンディは、俺の子だ」
絶句するセイン王に、おとうさまが続けた。
「たとえ、3人がお前の子でも、絶対に、お前には渡さん。もう、あの娘達は、間違いなく俺の大切な子供で、誰にも渡したくない愛する人だ」
誰にも渡したくない愛する人……。
その言葉に胸がどきっとした。頬が熱を持って赤くなり、呼吸が乱れた。
「後悔させてやる」
セイン王は、そう吐き捨てて、王都に戻って行った。
○
あれから毎晩、夢を見る。
応接間で、おとうさまとセイン王が言い争いをしている。
おとうさまが、激怒している。
突然、セイン王と私の位置が入れ替わり、私が、おとうさまに罵倒される。
「俺の子供じゃない、セインの娘は出ていけ!」
私は、ベッドから、飛び起きる。
大量の汗をかき、激しく呼吸を繰り返した。
「俺の子供じゃない」
夢で見た、おとうさまの声が、耳に残っている。
私は、泣いて、ベッドに、うずくまった。
○
ドアが開いて、カレラとウェンディが入って来た。
ふたりとも、頬に涙の跡が残っていた。
「眠れないの?」
私が問うと、ふたりは頷いた。私達は、もう5日もろくに寝ていない。食事も喉を通らない。みんな、げっそりとやつれていた。
ふと、ドアが開く音がして、おかあさま達が入って来た。
「なにか、悩みがあるなら、教えて」
キサラおかあさまが、クレアおかあさまが、アリスおかあさま、イリスおかあさまにエミリーおかあさままで、本当に心配して、私達に語りかけてくれる。
私達は、すがるように、聞いた。
「私達、本当は、おとうさまの子じゃないの……?」
おかあさま達が、驚きに目を見張る。
取り乱して、でも、優しくゆっくりと、本当のことを、始めから話してくれた。
アリスおかあさまとイリスおかあさまとエミリーおかあさまは、私達に、泣いて謝りながら言った。
「「「全部、私達が悪いのよ。ごめんね、カレラ、オードリー、ウェンディ……。ごめんね……」」」
セインがどれだけひどいことを、おかあさま達にしたのか。
私達は、怯えた。
セインの娘であることで、おかあさま達に嫌われるのが、怖かった。
なにより……。
愛するおとうさまに嫌われるのが、本当に怖かった。
私達は、おかあさま達に、泣いてすがった。
「おかあさま……私達を、嫌いにならないで……。私達を、捨てないで……」
私達は、おかあさま達と、抱き締め合って泣いた。
○
「大丈夫よ、絶対に嫌いになったりしない。絶対に捨てたりしない。アベル……おとうさまだって、絶対、そう言うわ……」
キサラ達が、必死に、娘達を励ます。
「でも……でも………」
そう、カレラ、オードリー、ウェンディの心には届かなかった。
……もう、言葉じゃ駄目だ。
言葉なんかで、動かせるほど、カレラ達の悲劇は軽くなかった。
セインが失くした信用が、その娘達にまで、累が及んだのだ。
セインの娘なら、セインと同じ……。
キサラ達やアゼルは、そんなこと、絶対に、思わないが、カレラ達自身が、そう考えたのだ。
考えてしまったのだ……。
カレラ達は、愛される自信を、完全に失ってしまっていたのだ。
○ 説得(物理)
「あなた達が、本当の家族の証明を手に入れる方法が、ひとつだけあるわ……」
最後の手段! と、キサラが切り出した。
涙で濡れた顔を上げて、溺れた者が藁をも掴むように、カレラ達がキサラを見た。
視線で問う娘達に、キサラが宣言した。
「カレラ、オードリー、ウェンディ。あなた達、おとうさまの……アベルの、妻になりなさい」
息を飲む3人の前に、媚薬の入ったビンを置いて、言った。
「この媚薬で、アベルを堕として、既成事実をでっち上げるのよ!」
○
深夜。執務室で、仕事をしているアゼルの元に、娘達が訪れた。
「ご苦労様です、おとうさま。ちょっと休憩しませんか?」
オードリーがおどけて酒ビンを掲げて見せる。
「おいおい、子供が酒なんて、飲むんじゃない」
アベルの言葉に3人は口を尖らせた。
「もう、成人になりましたー。いつまでも子供扱いしないでよ」
カレラの拗ねたような言葉に、小さく笑い、アベルは3人を見た。3人はやたらと扇情的なドレスを着ていた。
「確かに」
アベルは、愛おしそうに、目を細めて言った。
「綺麗になったね」
3人は、真っ赤になった。
「そうだよ。その綺麗になった娘が、酌してくれるんだよ。喜んでよね」
真っ赤な顔で、照れ隠しにウェンディが言う。
アベルは苦笑して、3人を連れてリビングに行った。
4人は、談笑しながら美酒を交わした。
剣のことや魔法のこと、神聖魔法に、妹達……子供達のこと。
終始和やかな雰囲気で宴が終わろうとする時、オードリーがひとつの杯をアベルに手渡した。
「珍しい匂いだね、薬草酒かい?」
「「「そう、そうなんだ。ヤクソウシュダヨ」」」
挙動不審な3人を不思議に思いながら、杯を飲もうとして……。
止めた。
「どういうことだい?」
アベルの訝しげな……でも、限りない優しい声音に、3人は観念して、計画の全てを、アベルにぶちまけた。
○
「すまなかった!」
全てを話した後、アベルが、カレラ、オードリー、ウェンディの前で土下座していた。
「「「あの……おとうさま?」」」
戸惑う3人に、アベルが言った。
「お前達が、そんなに悲しみ、傷つき、悩み、苦しんでいるなんて、気づいていなかった。父親失格だ!」
アベルは床に頭を擦り付けんばかりに、頭を下げた。
3人は、戸惑った。
「ボクは……おとうさんは、どうすればいい?」
アベルの言葉に、3人は顔を見合せ頷いた。そして、声を揃えて言った。
「「「抱いて下さい」」」
「そっ……それは……」
躊躇するアベルに、カレラが、オードリーが、ウェンディが言った。
「「「もう、言葉が信用できないの。言葉じゃダメなの……。だから!」」」
弱々しい……今にも折れて砕けてしまいそうな、儚く消え去りそうな心細い声で、懇願した。
「「「愛を体に教えて。私達の体に、永遠に消えない愛を刻んで……」」」
○
アベルが3人の前に立ち、真っ直ぐに、目を見つめた。
そして、真摯な態度で、言った。
「まだ、お前達が赤ちゃんの頃だ。俺はお前達を引き取った」
「ボクの子じゃない。ボクにはなんの責任もない。しかも、憎んでいるセインの子だ。絶対に愛せないと思っていた」
衝撃の告白に、3人の顔色が蒼白になった。
「でも、一緒に暮らしている内に、だんだんと好きになっていって、気がつけば大好きになっていたんだ」
3人は、恐る恐る、アゼルの顔を見た。
「カレラ……君の勇気を与えてくれる笑顔が好きだ」
カレラは、泣いた。
「オードリー……君の限りない優しさが好きだ」
オードリーが、泣いた。
「ウェンディ……君の元気をくれる笑顔が好きだ」
ウェンディも、泣いていた。
「お前達と一緒にいる時間がなによりも大切な宝物になった。お前達が、ボクを……ボク達を笑顔に……幸せにしてくれたんだ」
アベルは、姿勢を糺して深く礼をして、言った。
「カレラ…オードリー…ウェンディ……。ありがとう」
顔を上げた時、少し表情を辛いものに変えて、アベルが言った。
「ボクにとって、お前達は、どうしても俺の子供だ。女として、見ることが出来ない」
3人が悲しみに、うつむいた。
「だから、結婚しよう」
「「「えっ?!」」」
信じられない展開に、3人は目を白黒させてアベルを見た。
「これからも、ずっと、一生、一緒にいよう。それだけの時間をかけて、少しずつでいい、夫婦に……恋人になって行こう」
3人の顔が、徐々に輝き始めた。
「夫婦に…恋人になっていくために……」
アベルが、3人を求めて、手を差し出した。
「ボクと結婚して下さい」
大きすぎる喜びに固まった3人に、アベルは、少しおどけて言った。
「ボク達、いい夫婦になれると思うぞ? なんせ、大きな憎しみを乗り越えて、本当の親子になれたくらいだからな」
3人は、喜びに泣いた。
泣きながら、アベルに、プロポーズの返事をした。
「「「結婚…してください。私達を……恋人にしてください」」」
泣き止んだ時、3人は媚薬のビンを、アベルに差し出した。
アベルは、なんの躊躇もなく、それを飲み干した。
そして…………。
○
王家がラプアシア辺境伯に宣戦布告した。
その理由は、ラプアシア辺境伯がセイン王の娘であるカレラ、オードリー、ウェンディを拉致し、手篭めにして洗脳し、戦争奴隷にしていると言うのだ。
噂は、瞬く間に広まり、人々は悪し様にラプアシア辺境伯を罵ったが、イーステリア辺境伯だけが、それを擁護し、ラプアシア辺境伯の味方についた。
王家の軍勢と、ラプアシア・イーステリア連合軍が激突した時、奇跡が起きた。
天空から天使の軍勢が現れ、ラプアシア・イーステリア連合軍に味方して、王家の軍勢を攻撃したのだ。
王家の軍勢は、瞬く間に総崩れとなり、敗走した。
国民の全員は、知った。
どちらが正義かなど、火を見るより明らかだった。
○
王家の不運は、それに止まらなかった。
魔王軍の総攻撃を受けて王城が陥落。王家は散り散りになって王都から落ち延びた。
王都を落とした魔王軍は、勢いづいて、ラプアシア・イーステリア連合軍に迫った。
○
本陣の天幕の中で、アゼルが、時の精霊に聞いた。
「勝てる……かな?」
時の精霊は、爆笑した。
『気づいてないかな。もう、アベルの中の『神々を喰い殺す竜』は、溶けてひとつになって、アベルの自分自身になっているんだよ』
アゼルには、それがどういうことか、わからなかった。
『人を滅ぼせる程度の魔王に、神々を喰い殺すことの出来る竜が、負けるわけがないじゃないか』
その言葉に、アベルは希望に目を輝かせた。
『さあ、行きなよ。家族みんなが、待っているよ』
その言葉を受けて、アゼルは天幕を出た。
そこには、アベルの、絶対の味方である家族達が、勢揃いして待っていた。
あまりの頼もしさに、めきめきと力が湧いてくる。
アベルが、号令を上げた。
「みんな、行くよ!」
ユーフォリアの、果てしない空に、どこまでも、怒号が響き渡った。
おしまい
これにて、一旦、終了です。
ありがとうございました。
後日、ショートストーリーを書くかもしれません。
では、また、その時にお会いしましょう。
2020年7月19日 ストーリー上の矛盾を修正しました。
2020年8月21日 誤字修正しました。




