121 閑話 暗殺者ギルドの困惑
申し訳ありません。短いです。
王都の法衣貴族……ハザン子爵は、ほくそ笑んだ。
ラプアシアのアゼル男爵が死に、一族が絶えると、自分の所属する派閥の者が、あの豊かなラプアシアの太守に任命されるという根回しが終わったのだ。
それによって、どれだけ我がハザン子爵家が潤うか……。
ハザン子爵のニヤニヤは止まらなかった。
ラプアシアのアゼル男爵は、もうすぐ死ぬ。その子供達も含めた全員が。
それは、これから、私が暗殺者ギルドに行って、アゼル男爵とその一族を暗殺する依頼を出すからだ。
私は喜び勇んで、暗殺者ギルドに行った。
○
俺は、暗殺者ギルドの長。
今日も、奇妙な客が、変な依頼を持ってきた。
認識阻害の魔法が付与された仮面を被っていたが、おそらく王都の法衣貴族ハザン子爵……。
「暗殺を依頼したい……」
「へぇ、それで、誰を殺せばいいんで?」
「……誰だっけ?」
「どこに住んでる奴ですか?」
「……どこだっけ?」
「家族構成は? 身分は? 職業は? 収入源は? 趣味は? 人脈は? 派閥はどこですか?」
「……どうだっけ?」
「旦那……それじゃあ、なにも分かりませんぜ?」
「……出直してくる」
こんな奇妙な依頼が、最近増えている。
○
ラプアシアに住む普通の領民のゴードンが、農作業の合間……休憩時間に仲間と笑い合った。
「ラプアシアは長閑だなぁ」




