106 閑話 盗賊退治の後始末
すみません、短いです。
○ 92 シスターズ&ブラザーズの後の話です。
「やっちまったな……」
「ああ……やっちまった」
憎々しげに、ブラザーズのアランが言うと、ヴィクターとロミオも、悔しそうに歯噛みして言った。
炊き出しに行った先で、盗賊を退治して捕らえ、犯罪奴隷として売った。
儲けは、愛する父……アベルに献上したが、多額の恩賞を与えられ、大いに飲んで騒いだ。……ほとんどは、配って歩いたのだが、それでも余ったのだ。
……楽しかった。
しかし、話はそれで終わらなかった。
「アベル父さんが「注意しろ」って言ってたのはこれだったんだな……」
「あぁ……」
盗賊が居なくなって、貧民街の無法者を束ねる者が居なくなった。
それにより治安が悪化したのだ。
治安の悪化を引き起こした原因を作ったのは、自分達である。
アラン達は自責に苦しんだ。
「教会に人員派遣して、治安を維持させよう」
アランが苦肉の策を提案する。
「人員はどうする?」
「アベル父さんに頼んで、聖霊様達に来て頂くか?」
「いや……」
アランは言い淀んだ。
父親に頼るのは、最後の手段だ。
ただでさえ、返し切れない恩がある。
これ以上、恩を増やしたくなかった。
「ウィルの伝手を使って、ウェンディ様に頼ろう」
「『チルドレン』か!」
ウェンディは、自力でエデンズアップルシステムを構築し、アベルの聖霊……触れる立体映像の召使い……と同等の聖霊を生み出すことが出来た。
ウェンディの聖霊は、父アベルの聖霊と区別して『チルドレン』と呼ばれていた。
蛇足だが、アベルの聖霊は『ファーザー』と呼ばれている。
女性型のファーザーと違って、チルドレンは、男性型……どこかアベルに似ていた。
それにより、ウェンディの趣味……ウェンディが誰のことが好きなのか……が、アゼル以外の全ての領民に周知となってしまったが、それは、今は、別の話。
アラン達は、学者であるウィルに、頼み込み、その伝手で、十分なチルドレンを確保した。
その上で、炊き出し先の、貧民街とスラムに、教会の神殿騎士という名目で派遣し治安の維持に当たってもらった。
こうして、治安は維持され、盗賊退治の後始末が完了したのだった。




