104 閑話 アベルのイジイジうじうじモンモン
ごめんなさい、短いです。
○ 101 シャルに書かされたの後です。アベル視点。
どうして、ボクは、いつもこうなんだろう。
シャルに「好きだ」と告白した。
その途端、自分がどれだけシャルのことが好きかを自覚した。
知るという概念を支配すると、知りたくないことは、本当に知れない。
自分の心さえ、知れなくなる。
告白によって、自分の心を知ってしまって、最初に訪れたのは、強烈な嫉妬だった。
シャルを抱いた男共に対する、深い嫉妬だ。
まるで娼婦に惚れて独占欲を剥き出しにする、質の悪い客みたいだ。
アリス、イリス、エミリーが好きだと自覚して、セインに対する嫉妬で狂った時の繰り返しだ。
どうして、ボクは、いつもこうなんだろう。
まったく進歩のない自分に、とことん嫌気が差す。
男は、概ね、処女が好きである。
病気の感染の心配をしなくて済む上に、アベルのように、嫉妬で苦しまなくて済むからだ。
「後悔してる?」
妻の誰かの質問に、アベルは、無言になった。
顔を覗き込むと、によによしてる。
「ん?」
催促すると、観念して、答えた。
「シャルみたいに尊い、素敵な人と結婚できたんだよ? 全てを差し引いても、やっぱり、ボクは、誰よりも幸せ者だよ」
憎しみも嫉妬も、愛で乗り越えよう。
だって、ボクは、シャルを……シャルとシャルの子供を守りたい……幸せな笑顔が見たいんだ。
知ってるか? ボクの嫉妬なんて、シャルの笑顔を見ると、蒸発して跡形もなく消えるんだぜ。
「アベルなら、大丈夫よ」
アベルには、実績があった。
愛を貫こうと、前を向くアベルに、妻の誰かが、太鼓判を押したのだった。
○
後日、バーバラに結婚の報告をした時、全てを話した後、心に、すとん、と落ちる言葉をもらった。
「幸せが増えたねぇ、良かったじゃないか」
色々、大変だろうけど、頑張って男を見せるんだよ?
「好き」って言うから好きになるんだよなぁ。




